OUR(団)らのブログ β版

元予備校講師、現高校教諭の宮本晃吉とその関係者らが作るブログです。

ウェブ社会をどう生きるか(解答例)

2009-04-29 09:30:18 | 小論文
前回の問題1の解答例です。

挑戦してから、見比べてほしい。

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1 「生きる意味」さえも検索できる。
   上の一文について筆者はどのように述べていますか。次の言葉を使って説明しなさい。
  【一神教・生命情報・機械情報】



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一神教では、神への祈りは通じるものであるとされ、また、聖書の言葉は斉一な解釈ができなくてはいけないものだと考えられている。さらに、神が世界を作ったのは言葉によるとされている。したがって、一神教の伝統に基づいている人たちは、全ての情報は伝わると思っている。しかし、現実に検索できる情報は、社会情報の一部である機械情報だけである。人間にとって「生きる意味」とは、環世界の中で生きていくために必要な生命情報や、生命情報の中でも人間同士で共有している社会情報の中にあるのである。したがって、「生きる意味」を検索できると考えているのは、一神教の伝統の人々、つまり、現在のウェブ社会を作っている人々であるが、実際には、ほとんど検索できないのである。


ウェブ社会をどう生きるか(問題例)

2009-04-29 09:08:58 | 小論文
前編後編で紹介した「ウェブ社会をどう生きるか」について問題を何題か作ったのだが、二題ほど紹介しておく。

読んだあとに解いてもらえれば、幸いである。

教員の方でもし利用する方がいらっしゃったら、望外の幸せである。

解答例は、片方だけで。

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1 「生きる意味」さえも検索できる。
   上の一文について筆者はどのように述べていますか。次の言葉を使って説明しなさい。
  【一神教・生命情報・機械情報】
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2 真のIT革命を達成するために筆者が提案していることは何か。

【地域情報化・地域以外の次元・匿名サイト・Web2.0】

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困難は分割せよ―「ウェブ社会をどう生きるか」を例に(後編)

2009-04-29 08:54:30 | Book・Web
前編で紹介したように、以前、生徒と作ったノートの一部を公開する。部分的に長い部分もあるが、まあ、一行というのは目安ということで。

こうやっていけば、高校生で読書の初心者にとって難しい本でも読めるようになっていくと思うんで、お試しあれ。

なお、行頭の数字はページ数である。

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IT革命・・・双方向のネットワーク

40-番組に企画段階から参加=分権型社会の社会  反対…マスメディア=中央集権
41-著作権…ウェブ社会-クリエイターの著作人格権著作者財産権を認めつつ、自由な引用・流通を認める(といい)
42-クリエティブコモンズ…選択的制限条件を付けた上で共有財
43- e-Japan…高速回線化
44- u-Japan…ユビキタスネット 
45-遍在=どこにでも・いつでも・何でも=ユビキタス 
    ―――モノ同士もネットでつながる
46-一種の産業再編=多種多様の関連商品をまとめあげて総合的なサービスを提供する企業が成功する=総合的なサービス(×一つの商品)(u-Japan)
47-ウェブ2・0(黒船=外国からの圧力&進んだもの)
48-u-Japan…上(生産者・供給者)からの革命=一般ユーザーは受け身
49-真のIT革命=分権型への社会的変化=消費者が情報を発信しながら生産活動に参入
  (u-JapanはIT革命×)
  ウェブ2・0=一般ユーザー参加型=ビジネスとして成功  ユビキタス…実験段階
50-①プラットフォームとしてのウェブ ②集合知の活用 ③中央処理 ④ソフトウェア発表の終焉 ⑤軽量なプログラミングモデル ⑥単一のデバイスを越えたソフトウェア ⑦リッチなユーザー体験
51-上記は一般ユーザーへの配慮 
・衆知を集めて巨大なデーターベース  ・ウェブをベース(PC×)
・ビジネス
52-ブログの流行
53-トラックバック機能…リンク(他のHPにいけるようにすること)が双方向になった
  コメント機能  この二つによって意見や感想を交わす
54-ブログが検索にひっかかる=一般ユーザー同士が結びつきやすい
  (古い)ポータルサイト カテゴリー別の玄関が用意されている
55-検索機能だけGoogle
56-様々なサービスGoogle 無料提供
57~58 広告収入…(テレビと違って巨額ではない=中小企業もできる)
60-少量多品種の取引の件数でも巨大だと儲かる=ロングテールビジネス
61-アマゾンの3分の1の売上
62-広告ビジネスに巻きこまれる。ブラウザー=インターネット閲覧ソフト
63-グーグルサイトのコンピュータ
64-無料サービス=一般ユーザーから情報を入手するための仕組み
65-ユビキタス・ネット…自分の過去がビジネスに利用される
66-生命体の存在意味が機械情報に位置づけられる(ユビキタス)
  生命情報から権力メカニズムによって社会情報になる。社会情報を効率にするため機械情報にした。ところがビジネスを結びつくと機械情報が生命情報を束縛する。
(生命情報が機械情報にユビキタス・ネットの元だと侵されるまでの過程を説明しよう)
67~70 IT権力闘争(端末メーカーとウェブ情報サービス企業との争い)(P71現実面)
    民主主義と平等などと無関係
70-平等主義×…グーグルの検索の上位はアクセス数の多いサイト
71-検索のメカニズムの精査なしに、強大な権限(ウェブの世界で存在していることの証明=検索結果)を与えること=民主主義×
  ※検索のメカニズムを教えるとその対策が行われるかも。
72-ウェブ2・0の集合知
  不特定多数で専門家をしのぐ知的成果 例;ウィキペディア リナックス
  ビジネスベースのウェブ2.0と無関係(新たなメディアでは理想主義的な無償奉仕をやるのはよくあること)
72~73-既存の専門知を排斥=知の堕落
    学問の場=厳正な手続き=開かれている  
民主主義も同様…異なる意見同士が対話を続けて、可能な限りの同意にいたる“手続きと過程”が大事
74-過去の発言(過程)×  責任を問う×
  有名人の影響力は大きい          従って 民主的× 平等×
75―機械的な情報処理を信頼=ウェブ集合知仮説(作者が否定)
  コンピュータでは生命情報(人間が生きる上で大切な“意味・価値”と一体の情報)は扱えない。
76-自動化は難しいが、コンピュータの助けを借りて人間の知的活動を活性化することなら見込みがある
78-アカデミックから集合知仮説(ウェブ2・0)という流れはIT革命=分権型からという点ではセーフ。

困難は分割せよ―「ウェブ社会をどう生きるか」を例に(前編)

2009-04-29 08:24:47 | Book・Web
●本というと小説と思う生徒、いや人は多い。

●ここだけの話、私は逆の人間らしく、小説が苦手で仕事以外でまったく読まない年もあったほどだ。

 理由があるにはあるんだが、ここでの展開は避けておく。

●で、だ。

●小説以外の本で新書などを薦めることがあるんだが、多くの生徒は難しいといって困り果て投げ出すものもいる。

 下手をすれば、現代文に出るような難度の文章が一冊分続くわけで、むべなるかなといった感じである。

●ここで提案したいのは、難しいもの、困難なものを前にしたときは分けて取り組むということである。

 まあ、基本中の基本だ。

●例えば1ページにつき、一行のまとめを書いていくなどである。時間はかかるが投げ出すよりはましじゃないかな。

●ここで練習として、「ウェブ社会をどう生きるか」(西垣通: 岩波書店)を取り扱おうと思う。

●ウチで紹介する本のパターンをここで説明しておくが、次のような感じである。


・ 最新の本にこだわらない。
・ 高校生に読んでもらいたい。
・ 付録がある。

●このうちの一点でも満たしていくつもりである。

●今回は付録として、以前、生徒と一緒に作った1ページ1行の見本の一部と、本書を課題にした小論文でも発表しておこうかと。

●ちなみに本書は梅田望夫『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)』と対になる本である。最新でないだけにあえて両方を読んでもらいたい。

●さらに、ちなみに高校生諸氏はウェブの可能性を大人がどう考えているかを知っておいてほしい。

 高校の現場では、ウェブ(ネット)を怖いものと教えていることがあるんだが、実際は怖くあるべきものではないと理解してほしいのである。


Hino River

2009-01-27 15:43:10 | Simple English Wikpedia を訳す
Hino River

The Hino River (日野川, Hinogawa?) is a major river in the western part of Tottori Prefecture, acting as the main drainage for the Hino River drainage system, and the three main drainage river in Tottori Prefecture. The river flows east-northeast for 1004m beginning from Mikuniyama in Nichinan in southern Tottori Prefecture. At Kofu, the river turns north-northwest before finally discharging into Miho Bay at Heizu near Yonago. Approximately 60,800 people use the water provided by the Hino River.




<訳>
日野川

日野川は鳥取県西部で大きな川で、日野川排水にとって主な排水路として流れている、鳥取県で3つの主な排水する川です。鳥取県南部の日南の三国山から1004m東北東に流れている川です。江府で、川は米子の近くの日吉津で最終的に美保湾に流れ込む前に北北東に曲がります。日野川の水を利用する人々は約60,800人です。


<翻訳担当>ys921215

Welfare state

2009-01-27 15:41:02 | Simple English Wikpedia を訳す
Welfare state
From Wikipedia, the free encyclopedia

A welfare state is where the government has a duty to provide some level of basic support for its citizens.


●Examples
For example school is free, and it is a duty of state to heal ill people. The state give money to people who do not have any money. The state gives homes to people who do not have them. To make this happen there must be high taxes. Usually rich people have to pay most taxes. The taxes vary however to insure that the less fortunate can afford to pay them, This is called VAT (Value Added Tax), which typically deducts 17.5% so that there is no fixed amount of tax to pay.


●Welfare states
The most known welfare states are Nordic countries. The United Kingdom, Canada, and France are some other examples of welfare states.


2008/01/05


<訳>
福祉国家

自由な百科事典 ウィキペディアから

 
福祉国家とは国家が国民のために基本な支えの水準を与える国のことです。
●例
例えば、学校は無料で、病気の人々を治すことが国の義務です。その国はお金を持ってない人々にお金を与えます。家を持ってない人々に家を与えます。これを起こすために税を高くしなければなりません。普通裕福な人はより多くの税を払わなければなりません。どうしても税を払う余裕がないならば保険をかけるための様々な税、これは付加価値税と呼ばれていて、払うためにだいたい決まった税17.5%を差し引きます。
●福祉国家
よく知られた福祉国家は北欧の国々です。英国、カナダ、フランスは福祉国家の他の例です。


<翻訳担当>ys921215

β版

2008-12-24 10:26:41 | 連絡・紹介
えー、更新が滞っておりますが。

β版を克服すべく、準備をしております。

手っ取り早くいいますと、原稿の充実をはかっております。

温かい目でみていただければ、幸いです。

    m(_  _)m

期末・・・。

2008-12-11 09:18:38 | エッセイ
●期末やら何やらのごたごたで更新が滞りましてすいませんでした。

●で、だ。

●先日の期末試験で「微熱少年」を出題したんですがね。

 生徒さんから指摘されましたよ。

 「作者の松本隆さんて星間飛行の作詞の型ですか? 」

●はい、多分そうです。

 笑顔で答えましたよ。まぶしいくらいの笑顔でね。

       キラッ☆


君は牛を二頭持っている(You have two cows.)

2008-11-28 10:10:51 | 小論文
君は牛を二頭持っているというWeb上で有名なジョークがあります。

具体例としてはアンサイクロペディアの方が豊富です。

●代表的なものとしては、次のものですかね。

【民主主義】
君は二頭の牛を持っている。彼らは、君との投票に2対1で勝ち、全ての肉と酪農製品を禁止する。
【資本主義】
君は二頭の牛を持っている。一頭を売り、雄牛を買う。家畜は増殖し、経済が発展する。君はそれを売り、その収入で引退する。
【封建主義】
君は二頭の牛を持っている。領主はミルクをいくらか巻き上げていく。
【独裁主義】
君は二頭の牛を持っている。政府は二頭とも没収し、君を銃殺する。
【全体主義】
君は二頭の牛を持っている。政府は二頭とも取り上げ、牛の存在自体を否定する。ミルクは禁止される。


●私が好きな作品としては偏っていますが、ネット(ウィキペディアやらアンサイクロペディア)で発表されているものとしては、以下のものですかね。


【アップル】
君は牛を二頭持っている。
その牛は美しくて、よく働く。しかし、誰もそれを買おうとしない。
おそらく、その牛が出す牛乳は、一般的なシリアルと互換性を持たないのである。
しかし、彼らは君の鶏肉を買う。そしてそれは君の株価を上げる。
(宮本注 シリアルの使い方や鶏肉の比喩が気にいっています)

【シャーロック・ホームズ】
君は牛を二頭持っている。
何、初歩的な事だよ。君の靴に付いた泥の色と、袖口のよだれの染みを見れば、それぐらいは一目瞭然さ。
(宮本注:まあ、こんなのあんなのを書いてますからね)

【天空の城ラピュタ】
見ろ!牛二頭がゴミのようだ!!
(宮本注:目が!! 目が!!)



●でもって、先日、高校一年生に国語表現の課題として出してみました。

●目的
① パロディの難しさを知る。 

 自分なりに対象を理解していないとできないわけで。
 その上で対象に対する切り口もできくるわけで。
 しかも、それを表現する。高校一年生には大変だろうなと思いつつ、出題。

② 異なる情報を結びつける力を実感させる。

 内田樹氏は教養のことを
「教養」とはそのような(「雑学」とか「豆知識」とか「トリビアな知識」のような)数値化できる知識や情報のことではない。
そうではなくて、まったく関係のない「箱」に入っている、ディレクトリー階層をまったく異にする情報単位のあいだの「関係性を発見する力」である。

と述べておられます。

 生徒さんの異なる情報を結びつける力の不足は予備校時代から考えていたことであり、生徒さんに教養を理解させる機会にしたかった。

 この力を持っていると英語や国語の読解や、小論文で非常に有利になる。そして、おそらく人生レベルでも豊かになる。

③ Webジョークに参加することによってWebが世界とつながっていることと、誰もが表現者になれる時代を理解する。

世界と対面する場として展開できることへの小さな一歩ということで、【君は牛を二頭持っている】をやってみようということにしたわけです。



ちぃと、難しすぎたかなあ。



※12月1日一部改変

迷子の眼 第二回

2008-11-25 13:04:01 | D小峰
第1回はこちら(携帯ではリンクできないかもしれません)

どんな旅も、好奇心からはじまると僕は考えている。
まずは、動く為に、ちょっと新しい、楽しいことからはじめてみよう。

僕はこんな場所を与えていただいて、えらそうなことを書いているけれど、旅のベテランなんかでは全然ない。僕がしたといえる旅は、2つ。
 自転車日本一周と、初海外でのアフリカ最高峰キリマンジャロの登山。
このくらいだけれど、この二つだって、もちろんいきなりできた訳じゃないし、かんたんだった訳でもないし、大学生になってからのことだ。

高校生の頃、僕が好きだったのは、
放課後、定期圏内の駅にでたらめに降りることだった。
目的は無い。
ただ、電車を降りて、みたことのない街をふらふらと歩いた。
おもしろいことと必ずあう訳ではないけれど、
気持ちのむくままに、見知らぬ街を歩いた。
時おりは、みたことのあるような道に出たりする。
ネコがいっぱいいる通りに出たり、古道具屋さんに入ったり、
古本屋さんのほこりっぽい空気に浸ったりしていた。
みたことのない、路地裏がいっぱいあって、そのさきにはみたことのない景色があるはずで、
なんだかそれが不思議だった。
毎日、毎日同じ通学路を通って、学校へ行くことが当たり前になりすぎていたからかもしれない。
駅から駅へ線路沿いに一駅分あるいてもいいし、でたらめに歩いても良かった。
なんとなく気に入った道を歩いて、迷って夕方にまでなってしまって、うんざりして帰ったこともある。
でもその帰りに買った、100円の焼き鳥のことを、なぜか今も僕は憶えている。
全ての定期圏内の駅を制覇したときにも、行ったことの無い道はまだ、たくさん残っていた。

辛いことがあると、僕は走る。
いつものランニングとは違って、どこかへ、でたらめに向かう。
ある日、自転車にのって、東京と山梨の県境くらいまで行ってみたりした。
帰ろうと思うそのときにも、僕の進行方向に道はまだ続いていた。
その先を、いつか見てみたいと思った。
その先に、何があるのか。その先に、何をみたいのか。
僕は美術館が好きだから、美術館をみてみたいな、と思った。
石川県の、21世紀美術館。東京からなら、ちょっと日本縦断っぽくてかっこいいかも。
でも、お金がない。自転車でいくとしたら、移動費はかからないけれど、宿泊費がとてもかかる。
野宿をすればいいのか。でも、怖い。それに野宿をするにも、装備を買うお金がかかる。
とりあえずの問題の逃避に、僕はお金を貯めることにした。
夏休み半分の時点で、お金はじゅうぶんに貯まってしまった。
自転車を買った。テントも買った。料理をするためのコンロや、バーナーみたいなものも買った。
自転車とテントにお金を使いすぎたから、父親から寝袋をもらった。
どきどきした。誰か、知り合いにみられたらどうしようと思った。今更退くのもかっこわるくてできない。
勇気からというよりは、不安からくる焦りによって訳がわからなくなった気持ちを振り払う為に、僕はベダルを踏んだ。

僕はよく考えたら野宿どころかテントを張ったことも無くて、初野宿のテントの中で震えたり、コンロでラーメンをつくったりして初日をなんとか終えることができた。
はじめて自分でテントを張って、中に入ったときはなんだかびっくりした。
なんでこんなことをしているんだろう。そう、思った。

この後、僕は群馬の美術館を堪能したあと、金沢への峠を越えようとしたときに警察に「その装備だと凍死するぞ」と言われ金沢行きを断念し、帰るのもかっこわるいので、新潟に向かって糸魚川に沿って北上。
新潟の夕日をみながらお酒を飲んで、野犬にテントの周りを回られたり、ルートをロクに調べなかったりしたせいで日本の国道最高峰の峠にぶちあたったりしながらも帰ってきた。

技術も、知識も無かった。
ただ、誰もやってくれる人がいないと、不思議と身体は動いた。
「だいたいのことはなんとかなる」僕がはじめての自転車旅行で学んだのはこれだと思う。
行ったことの無い道や、やったことのないことに、自分から一歩踏み込んでみる。
その自分で動かした一歩が、こんどは自分を動かすのだと思う。
この翌年、僕は自転車で日本一周をし、さらに翌年、キリマンジャロに登頂する。