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隨著風遠行

隨著風遠行

作りたちに

2017-01-09 15:36:15 | 日記

「ついこの間も、琉生は女みたいだって話してたから、ふざけるなって軽く締めてやったところなのに、ほんと懲りないんだよなぁ。」
「男だぞ~って、ちんこ見せてやろうかな?」
「バカ。見せてどうすんだよ。ガキだな、もう。欲求不満の馬鹿に襲われるぞ。」
「ん~?」

ちん○が付いてても、あのくらい可愛ければ抱けるなどと、嘘ぶいていたのを耳にして隼人はブチ切れたらしい。
もっとも、本気で殴りかかったのを、傍に居た友人に運よく止められたらしいが。

「とにかく、バカがうつるといけないから、琉生は武には関わるな。俺はうっかりおばはんの話を本気にして、琉生にもお母さんにも迷惑かけた。もう二度と、琉生の事いじめるような真似しないからな。武にも誰にも苛めさせない。」
「うん。ありがと。」
「本気だぞ?信じろよ?」
「ふふっ……。隼人兄ちゃんは、嘘つかないもんね。」

隼人は本気で悔いていた。
美和の病気も、傷つけた自分のせいかもしれないと担当医の所まで内緒で話をしに行ったくらいだ。
涙ながらに打ち明けたら、医師はそんな事は関係無いと請け負ってくPretty Renew 黑店れて、隼人は心底ほっとしたのだった。

「それを聞いて、安心したよ。」

「尊兄ちゃ~ん!お帰りなさい。」
「ただいま、琉生。」
「兄貴。学校、決まったのか?」
「ああ。センター利用で推薦通ったんだ。大学は家を出て下宿する。親父話す前に、隼人と琉生に言っておこうと思ってね。」
「もう決めたのか?」
「決めたよ。少しでも早く決めて安心させてあげたかったからね。うまく第一志望に引っかかって、良かった。」
「俺、ちょっと居間に行って、お母さんの様子見收緊眼皮て来る。親父たちに、すぐ話すんだろ?」
「そうだな。下宿を探したり、準備もあるから、少しでも早い方が良いと思うんだ。」
「尊兄ちゃん……やっぱり、おうち出て行くの?」
「そんな顔するな。時々は、琉生の顔を見に帰って来るよ。外国に行くわけじゃない。」
「でも……毎日会えなくなるよ……?」

っており悲しげに

2016-12-06 10:39:36 | 日記

「義姉上さま。それでも直さまのお気持ち、わたくしはとてもうれしく思います。濱田の家に男児が生まれてくれれば、お舅さまもどれほどお喜びになるでしょう。直さま。ややが生まれたら、仲良くしてやってくださいね。」
「はい。叔母上。」

直正は明るい顔を向けた。

「直正は、きっと仲よく致します。ですから、どうぞお体に気を付け植物營養素て元気なややを産んでください。」

直正は、叔母に向かって丁寧にお辞儀をした。

「ありがとう、直さま。わたくしは体が丈夫ではないので、子を産むのが怖いと思ましたが、この子を直さまが待っていてくださると思うと、力が湧きます。」
「大丈夫です。叔母上。無事にややが生まれるように、直正が毎日、神仏にお願いに参りますから。」
「まあ……うれしい。」


「ほら、できた。」
「わぁ!父上、ありがとうございます。」
「飛ばしてみろ。」
「はいっ。」

直正の小さな手では、まだ竹とんぼは高く飛ばなかった。ぽとりと足元に落ちた竹安利呃人と拾う直正に、力が足りないのだと父は笑った。

「まあ。直正は遊び疲れて、旦那さまの背中で眠ってしまったのですか?」
「うん。歩きながら舟をこぐのでおぶってやったんだ。布団を敷いてやってくれ。手慰みに作った竹とんぼを、ずいぶん気に入ったようでな。何度も飛ばしてくれとねだられたよ。」
「そんな風にお優しいから、直正は父上が一番好きなので安利傳銷すね。ほら、直正。いらっしゃい。」

はすでにな空が

2016-11-24 10:38:59 | 日記

「大丈夫の前には、たぶんじゃなくて「必ず」が付かなきゃだめだ。正樹はいつだって楽天的すぎる。誰かを好きになるのは簡単な事じゃないんだよ。大人になれば尚更そうだ。もっと周囲をちゃんと見ないと」

正論を言われて正樹はしょんぼりとしてしまった。

「今が良ければいいと思ったんだけど……それじゃ駄目なのかなぁ」
「俺は構わないけど、正樹は泣くだろ?相手が自分を負担に思ってるって鑽石能量水濾心わかったら、身を引いてしまうだろ?もしも、相手に誰か良い人ができたら、正樹は見知らぬ土地でどうやって生きてゆくの?俺はドイツにはいないんだよ」
「田神……」
「そんな顔をしてもだめだ」

正樹の手の中で、フリッツの拵えたミルクピッチャーが揺れた。
カーテンの隙間から、細く日が差して来て、正樹は眩しさに目覚めた。
傍らに眠るフリッツの顔は、幼く見えて、正樹はふっと微笑んだ。西洋人らしい高い鼻梁が、頬に影を落とし、少し疲れているようにも見える
昨夜の大胆な自分を思い出して、正樹は一人頬を染めた。

薄紫から橙に色を変える空のどこかで、目覚めた小鳥が朝を告げた。

「食べるもの、何かあったかな」

小さくごちると、フリッツの金色の鑽石能量水濾心睫毛が瞬いて陽を弾いた。
ゆっくりと瞼が開いて、小さ正樹を見つめる。

「正樹……」
「おはようございます」

フリッツも夕べの甘い余韻に目を細めた。

「夢ではなかった?」
「ええ」

お互い手を伸ばし、存在を確かめた。
知っているのは名前だけ。
ほかには何も知らない事実は、互いの枷にはならなかった。
ただ時間だけが限られていた。

あちこちの美術館などを回っているフリッツの、観光ビザ60日を過ぎている。
美術館へ向かう道、言いにくそうにフリッツは切り出した。

「実は……正樹と一緒に居られる時間は、30日しかないんだ」

その事実を告げられた時、正樹は足を止めて、ほんの少し表情鑽石能量水系統を翳らせたのち薄く笑った。

「後、30日もフリッツと一緒にいられるんですね」
「え……?正樹はそういう風に思うの?」
「29日よりも一日多いです。良かった」

にはってくれい」

2016-11-01 10:46:46 | 日記

結局、旅館がなくなり住む所がなくなり、急きょトラック車庫を改造して住居にしたのが今の家。だから母には愛着がないわけです。
しかし、もし売れたとなると、大量の荷物を片付けねばならぬ。売れても大変、売れなくても大変という頭の痛い状態。

ところが!
まさに降って湧いたようなラッキーな話が舞い込んできました!!

行政の「あすの村人」という事業で、過疎脱却で若者を増やすために「仕事と家避孕方法を用意するから住民になろうよ」というものに、我が田舎家に白羽の矢が。振興会の人が言うには「空き家は多いが、みんな、いつか息子が戻ってくるかもしれないから、と貸す話らしい。
私「でも、家傾いて窓開かないし、五衛門風呂は錆びてるし、すきまビュンビュンで、手を入れないと住めませんよ」
振興「改装費用補助があるから大丈夫、直しますよ」
私「山ほど荷物残ってるし、小屋もがらくただらけなんですが」
振興「残しておきたいものだけ言ってくだされば、それだけ残してあとは僕らで捨てますわ。処分費用も補助ありますし」
と、なんとも有り難い話。

そこからトントン拍子で話が進み、ついに工事が始まり、脱衣所や水洗トイレができ、家の傾きは直され窓もスイスイ開くようになり、なんとネットまで引かれました。
トイレなんてシャワートイレですよ、私の家にもないのに!

なんとスゲーっ!!
なんか狐につままれたようなオイシイ話です。家を貸すのに修理費も行dermes 價錢政持ち、片付けも無料でやってくれる!!
新たな住民の荷物が運ばれてくる中、私は「残すべきもの」の選別に行きました。
祖母の着物、写真、餅つきの石臼、火鉢、祖母と一緒に栗拾いをした籠を残すことに。
そしてさらに、悩んだ末に、長い間小屋に貼られてた金鳥蚊取り線香(水原弘の)看板とボンカレー(名前わからんが、「私にも作れます」と昔テレビで京都弁で言うてた着物のおばちゃんの)看板も残しました。
ボロ錆び状態でしたが、私が小さい時、川から泳いで疲れて歩いて帰る道で、この看板が遠くから見えると「もう少し」と頑張り、だんだん看板が大きくなると安心したものです。
子どもの頃は大きな看板だと思ってたのに、こうして見ると小さいものだったんだなぁ…。
結局、価値のあるものはなく、思い出のものを残しただけって感避孕 藥 副作用じで新しい住人に後を託した形となりました。
売る訳じゃなく貸すだけだし、それならお婆ちゃんへの罪悪感もないし、人が住んでくれることで家も傷まないし、言うことなしの結果。

に出た燃料本な

2016-09-23 11:52:19 | 日記

「照葉樹林帯の森林が再三の伐採など、強く人為的攪乱を受けた場合、コナラやアベマキクヌギなどの落葉樹を中心とする森林に変化する。関東地方の里山の落葉広葉樹林はこの例である」(wikipedia「広葉樹林帯」より)と云う。

 私が見た赤松の枯れは病虫害に因るものであるが、カミキリムシが介在する線虫による松枯れだと同乗のSさんが説明してくれた。松は、常に林床が貧栄養状態で開けた条件で生育してきた。松の木は大量の松ぼっくりや松葉を落とし、里人にを補給し、秋には松茸をdermes 激光脫毛生育させ美味な食糧を提供した。松は先駆的樹木で人里周辺で人間と共存する環境下にあって、雑木が生えれば農民が刈り取り、松の生息環境を維持してくれた。

 それが戦後、燃料革命により、炭や薪がガスや電気に代わり、炭焼きによるコナラやアベマキクヌギなどの伐採が行われなくなり、入会地の利用もなくなることで、里山は森林化し、樹木の密集化が起こり、林内が暗く富栄養になると松は次世代への更新ができなくなってしまった。 凡そ40年前、江戸川乱歩がアーサーマッケンについてその魅力を紹介しながら、日本では翻訳の見込みはなさそうだと中島河太郎氏に云っていたそうだ。それが平井呈一氏によって実現したわけだが、アーサーマッケンは当時のイギリス文学界で、彼の作品が極めて不道徳的と激しく批判され、その批判者から「汚物文学」とまで呼ばれていたが、1930年代に見直され、「近代英国怪奇文学の三巨匠」の一人と云われようになったそうだ。

私は、マッケンの作品を読んだのは初めてだが、「秘めたる栄光」には怪奇小説らしさが感じられなかった。作品に中で、ラプトン中学校の教頭ホーベリが生徒で甥のアンブローズが度重なる学寮帰還時間違反に対して手ぐすね引いて待っている部屋の様子は壁全体に書物がギッシリ飾られ、真っ赤な皮表装に三方装のサッカレー、ディッケンズ、リットン卿の全集、何冊ものケンブリッジ版の学生用聖書…、コップルストンの学問德善健康管理的解説解説集、その他注釈書類、辞書類、テニソンの初版本、大判の高校受賞文集、ラテン語ギリシャ語の古典類…。ピラネージの見事な三枚続きの凄い絵もかかっていたと描き、「何か病的な、不健全にちかいような絵であった」と描いている。作者が事細く本の種類を上げているのは、その後描かれるホーベリ教頭の人物像を暗示しているのだろう。いかにも中学校の教頭の部屋の雰囲気である。特に目を引くところは「ピラネージの見事な三枚続きの凄い絵もかかっていた」と云う部分だ。マッケンが敢えて「凄い絵」と云うのはどんな絵なのだろう…、

想像するに「幻想の牢獄」ではないかと思う。細谷博著「所与と自由」-近現代文学の名作を読む-と云う本で「妊娠小説」というジャンルがあることを知った。斎藤美奈子という評論家が「妊娠小説」と題する本をちくま文庫(1997/06)から出して評判?になったようだ。18年も前のに、人付き合いが少ない私の耳には今迄入って来なかった。ネットで検索した中の「批評コンビニ幕の内(4) 斎藤美奈子『妊娠小説』」を読み、買って読むかどうか躊躇いながら、取り敢えず細谷博氏の「舞姫の<近しさ-斎藤美奈子田中実の批判を手がかりに>」から高校での「舞姫」の授業を思い出しながら、細谷氏が作dermes 激光脫毛者の作品の仕立てに対して「所与と自由」という「読み」「受取」の関わり合いの展開を考えてみた。