ユウトの達観、ケンタの楽観！？

外の遊びから帰って、手を洗いに行ったユウトとケンタロウ。
しばらくすると洗面所からボソボソと話し声が聞こえてきた

「人生って、そうゆうもんやで」とユウトの声
（ん？なんの話しなんだ？）

「・・・ジンセイってなに？」ケンタロウが尋ねる
（そらそうよな。ケンタロ相手に何をしたり顔で？ユウトめ）

「人の生きる道のことや」
（おお、確かにそうやけど・・・）

「・・・ふうん。。。。」
（ケンタロウには難しいよなあ？）



戻ってきたケンタロウに聞いてみた

「ケンタロ、何の話してたん？何がジンセイそうゆうもんなん？」

「えっと、人の生きるなんとか」

横からユウトが解説に入る。
どうやら、手を洗ってるときに石鹸の泡でシャボン玉遊びになったらしく。

「手の中で大きく膨らんで、いいところまでいくねんけど、なかなか飛んではいかへんねん。な、ケンタロ」

「うん。失敗してばっかりやった」

ああ、それで人生そうゆうもんやでって？

ある意味、言い得て妙。
ユウトの達観した見方（？）に感心するやらあきれるやら。

「人生って・・・」などとお兄ちゃんとオヤジが話してる横で
ケンタロウは、ニコっと笑うと

「じゃ、ボクもういっぺんやってみる！」

そういって、走っていった。


ずいぶんと長いこと経ったあと、ケンタロウの明るい声が響く

「あ、できた！　やったー！」
「こっち来てー！」

ひときわ大きな声でケンタロウの顔がパッと笑顔になる

「一回だけやけど、ちゃんとできた！」


それで満足してケンタロウは手洗いを終わらせて。


うーん。。
これが子供の持つ力かな。

教えたワケでもないのに、この子らには
ちゃんと生き抜くための知恵が授かっているみたい。

ムキにならず、でもあきらめず。
楽しむ心で、もういっぺん。


ケンタロ、えらかったね。