生前の むのたけじ氏
むのたけじ 氏が先日亡くなられました。
朝日新聞天声人語に「人類史を1日にたとえれば戦争が始まったのは23時58分58秒から。それ以前はずっと戦争などなかった。全人類が本気になりさえすれば、戦争は必ず絶滅できる」
という彼の言葉が紹介されていました。
そして、これをブログにそのまま拝借し、有り難がっている代議士も見受けられました。
しかし小生はこと数字に関しては少々正確性を期待する性格なため、58分58秒の根拠を確かめることにしました。
推測ですが、農耕牧畜が始まるのが約1万年前で、58分52秒とのことです。
国の形ができてきて、そして戦争が始まったのが認識できる範囲で、6000年前とのことなので、58分58秒になるのでしょう。
ということで数字そのものは合っていることが確認できましたが、「むの」氏の「それ以前はずっと戦争などなかった。全人類が本気になりさえすれば、戦争は必ず絶滅できる」という言葉に疑問が残っています。
確かに戦争の定義は国の争いなので、国ができる前は戦争といわず、従って6000年前は戦争はなかったでしょう。
それでは平和だったか、争いは無かったかというととんでもない間違いです。
約700万年前(午前10時40分)猿人の頃からグループ同士の争いは有り、勝ったものは敗者の肉を喰らうという慣習は存在し、人間に変わってもごく最近までそれは一部に残っていました。
支那では 生きんがためには 両脚羊、 易子而食 易妻而食 も流行っていたそうです。
生き物であれば存在するがために必ず争いは起きる。人間もまたしかりです。
「全人類が、本気になれば」と簡単に言いますが、近隣の国ともうまくいかない世の中で、「全人類」は戯言に聞こえます。
こんな状況で「本気」になれないのも人間の性です。
むの氏のお言葉は全く実現性のない絵空事に思えてなりません。
超百歳の御仁に対し無礼申し上げたことを謝します。
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