『音惚花活気好@kakky』=垣内政治的《霊界物語学》の日記的な雑記の様なレポート状の諸々?

出口王仁三郎聖師による弥勒胎蔵経『霊界物語』を『音惚花活気好@kakky』的に学問してみるランダムレポート?

第7章 旭光照波(キヨククワウセウハ) (257)

2010年11月29日 14時59分01秒 | Weblog
霊界物語 第六巻 霊主体従 巳の巻 第一篇 山陰の雪

 鬼大蛇(オニヲロチ)虎狼(トラオホカミ)や曲霊(マガツヒ)の
 醜女探女(シコメサグメ)の訪(オトナ)ひは
 峰(ミネ)の嵐(アラシ)か鬼城山(キジヤウザン)
 落ちゆく滝のナイヤガラ
 水音(ミナオト)高き雄健(ヲタケ)びの
 中(ナカ)に落(オ)ちあふ四柱(ヨハシラ)は
 神の御国(ミクニ)を立てむとて
 鬼(オニ)の棲家(スミカ)を竜館(タツヤカタ)
 荒(アラ)ぶる神の訪(オトナ)ひも
 松吹(マツフ)く風(カゼ)と変(カハ)る世(ヨ)の
 汚れを流す河水(カハミヅ)に
 禊(ミソ)ぐ身魂(ミタマ)ぞうるはしき
 花の顔(カンバセ)月の眉(マユ)
 焦眉(セウビ)の急を救はむと
 神の教(ヲシ)へのいや深き
 谷に落(オ)ちあふ宣伝使(センデンシ)
 右に左に名残(ナゴリ)を惜(ヲ)しみ
 別れの涙拭(ナミダヌグ)ひつつ
 東と西に立雲(タツクモ)の
 雲路(クモヂ)を分けて月照彦(ツキテルヒコ)の
 神の司(ツカサ)や足真彦(ダルマヒコ)
 春立(ハルタ)ち初(ソ)めし春日姫(カスガヒメ)
 木々の梢(コズエ)は青々(アヲアヲ)と
 綻(ホコロ)び初(ソ)めし春姫(ハルヒメ)の
 長閑(ノド)けき胸も夢の間の
 儚(ハカ)なき別れ暁(アカツキ)の
 鐘(カネ)の響(ヒビ)きに撞(ツ)き出され
 歩(アユ)みも慣(ナ)れぬ旅(タビ)の空(ソラ)
 岩根(イハネ)に躓(ツマヅ)き転(マロ)びつつ
 何処(ドコ)をあてとも長(ナガ)の旅(タビ)
 常世(トコヨ)の国(クニ)の常闇(トコヤミ)の
 荒野(アレノ)さまよふ痛(イタ)ましさ
 ここに四人の宣伝使(センデンシ)
 神(カミ)の御言(ミコト)を畏(カシコ)みて
 各(オノ)も各(オノ)もが独(ヒト)り旅(タビ)
 折角遇(セツカクア)ひし四柱(ヨハシラ)の
 厳(イヅ)の司(ツカサ)の生(イ)き別(ワカ)れ
 くつろぐ暇(ヒマ)もナイヤガラ
 滝のごとくに流れ行く
 淋(サビ)しき山野(サンヤ)を辿(タド)りつつ
 心の駒(コマ)ははやれども
 疲(ツカ)れはてたる膝栗毛(ヒザクリゲ)
 歩(アユ)みになやむ姫御前(ヒメゴゼ)の
 心の空(ソラ)はかき曇(クモ)り
 浪風荒(ナミカゼアラ)き現世(ウツシヨ)の
 救(スク)ひの船(フネ)と現(アラ)はれて
 雲(クモ)か霞(カスミ)か春日姫(カスガヒメ)
 花(ハナ)の姿(スガタ)をさらしつつ
 春とはいへどまだ寒き
 霜の晨(アシタ)や雪の空(ソラ)
 月(ツキ)をいただき星(ホシ)を踏(フ)み
 天涯万里(テンガイバンリ)の果(ハテ)しなき
 心淋(ココロサビ)しき独(ヒト)り旅(タビ)
 草(クサ)を褥(シトネ)に木葉(コノハ)を屋根(ヤネ)に
 やうやう浜辺(ハマベ)に着(ツ)きにけり。

 ここに四人の宣伝使がゆくりなくも、
鬼城山(キジヤウザン)の虎穴に入りて目出度く対面を遂げたるは、
全く大神(オホカミ)の経綸(シグミ)の糸に操(アヤツ)られたるなるべし。

四人の神司(カミガミ)は仁慈の鞭をふるひ、
美山彦一派の邪悪を言向(コトム)け和(ヤハ)し、
意気揚々として谷間を下り、
音に名高きナイヤガラの大瀑布(ダイバクフ)に禊(ミソギ)を修し、
ホツと一息つく間もなくなく涙の袖(ソデ)の生別れ、
吾が天職を重んじて、
東西南北に袂(タモト)を別ちたるなり。

すべて大神の宣伝に従事するものはあくまでも同行者あるべからず。
他人を杖(ツエ)につくごときことは、
到底宣伝使の資格無きものなり。

山野河海を跋渉し、
寒さと戦ひ、
飢を忍び、
あらゆる艱難辛苦を嘗(ナ)め、
吾が身魂(ミタマ)を錬磨し、
浮世の困苦を自ら嘗め、
あるひは蛇の室屋(ムロヤ)に、
あるひは蜂の室屋に出入して、
神明の依さしたまへる天職を喜びて尽すべきものなり。

宣伝使に下したまへる裏(ウラ)の神諭(シンユ)にいふ。

『汝(ナンジ)ら神の福音(フクイン)を宣(ノ)べ伝ふ時、
 前途に当つて深き谷間あり。
 後(アト)より、
 虎、
 狼、
 獅子などの猛獣襲ひ来り、
 汝を呑(ノ)まむとすることあるも、
 少しも恐るることなかれ。
 神を力に誠を杖(ツエ)に、
 寄せくる悪魔を言向けやはせ。
 一人の旅とて恐るる勿(ナカ)れ。
 誠の神は誠ある汝を守り、
 汝の背後に付き添ひて太(フト)き功(イサヲ)を立てさせむ。
 厳霊(イヅノミタマ)を元帥に、
 瑞霊(ミヅノミタマ)を指揮官に、
 直日(ナホヒ)の御魂(ミタマ)を楯となし、
 荒魂(アラミタマ)の勇みを揮ひ、
 和魂(ニギミタマ)の親みをもつて、
 大砲小砲(オホヅツコヅツ)となし、
 奇魂(クシミタマ)の覚りと、
 幸魂(サチミタマ)の愛を、
 砲弾または銃丸(ジユウグワン)となし、
 よく忍びよく戦へ。
 神は汝と共にあり』

 神人ここに合一して、
神と人との真釣合(マツリアヒ)、
神の勅(ミコト)を身に受けて、
いよいよ高天原(タカアマハラ)を伊都能売魂(イヅノメミタマ)の神(カミ)の命(ミコト)、
荒磯の浪も鎮まる長閑(ノドカ)さよ。

春日姫(カスガヒメ)は尊き神の守護の下に、
夜に日をつぎて北東へ北東へと進みつつ、
常世国(トコヨノクニ)の東岸に現はれける。

 天青く山清く、
浪静かに紺碧の海面は大小無数の島嶼(タウシヨ)を浮べ、
眼界遠く見わたす東(アヅマ)の海面に、
金色(コンジキ)の一字形(イチジガタ)の光は横に長く靉(タナビ)き、
雲か浪かと疑ふばかり、
その麗しきこと言語の尽す限りにあらず。

ややありて浮び出でたるごとく、
金色の太陽は浪を破り、
雲を排し分け悠々と清き姿を現はしたまひ、
その光は静かなる海面をサーチライトのごとく照破して、
金色の漣(サザナミ)は広き海面に漂(タダヨ)ふ。

こなたを目がけて純白の真帆(マホ)を揚げ、
静かに寄せくる一艘の船あり。

見れば紫の被面布(ヒメンプ)をかけたる宣伝使は、
船の舳(ヘサキ)に直立し、
白扇(ハクセン)を高くさしあげて、
何事か謡(ウタ)ひつつ船は岸辺に刻々と近寄り来たりぬ。

 (大正十一年一月十七日、旧大正十年十二月二十日、加藤明子録)

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