東京出張の帰りに初訪。
品川駅の港南口は、今や、都内有数のビジネス街である。
その中に、迷路の様な異様な路地で刻まれたブロックがあって、
飲み屋などの店が、驚異的な密集度で詰め込まれている。
この店は、そんな中の一軒としてある。
創業30年というから、港南口再開発前からあるということだ。
建物は相当古びてるから、たぶん当時のままなのだろう。
高名な、『コショ-そば』 をデフォで。
胡椒でなくコショウでもなく、「コショー」っていうのがいい。
ラーではなくて、「そば」っていうのもいい。
コショーが、一寸身の危険を感じる程ぶちまけられている。
あんかけスタイルと聞いていたが、ンなハンパなもんじゃない。
スープ底層まで、ぜ~んぶ「餡」といっていい。
その味わい、驚くほど安定した、広がりある奥深さである。
件(くだん)のコショ-で、非人道的にむせ返るかと思いきや、
全く、さにあらず。このラーに明快な「方向」を与えるのみ。
麺は中太の縮れ。ゴワッとしたタイプの手応え、これはイイっ!
ラーというより「餡かけやきそば」と言った方が近い感じ。
パリッ!と熱々の白菜ともやし。火入れの技、絶妙。
このラー、その「無理矢理(むりやり)」な外見が楽しい。
でも実は、店主は一本スジの通った四川料理人だという。
そう、スパイスの扱いは、まさにエキスパートじゃぁないかッ。
このラー、もともとは厨房内の賄いメシだったというから、
料理人同士が、仲間内だけでよくやりそうな、
ちゃんとした根拠に基づく、アイデア競争のノリかもしれない。
フツーなら客には出さない「必殺裏技」のひとつ。
いや~、想像が膨らんで楽しいなー^^
(他のメニューも期待できそうだ)
久しぶりの東京。
思いがけず、新宿で時間が出来た。
しかも!人気店を攻めるに絶好の、ランチ前の時間帯。
こんなとき、私はいったい何をすればいいのだろう。
天を仰ぎ、全身でその啓示を感じ取る。
*****
「ナ・カ・モ・ト・ヲ・セ・メ・ヨ」 (天の声)
「はっ、了解しましたぁっ!」(私)
*****
『北極ラーメン』+定食+半熟煮玉子 を。
おお、久しぶりだ。かつて馴染んだ、なつかしいカオ。
ひとくち食せば、まずは、<熱いっ>
この熱さ、単に温度によるものにあらず。
猛り狂う唐辛子によるのみにもあらず。
間違いない、矢張りspiritualな第三要素がある。
鋭くノドに突き刺さる!激しく咳き込む!
結核に冒され原稿用紙に突っ伏す昭和の文豪の如く。
涙が出てきた。洟が出てきた。
汗が、面白いほどにしたたり落ちてくる。
ただ、こんなに身体が反応してるのに、
実はタマシーのキャパシティはまだまだヨユーなのだ。
わたしは、多分 「ビョーキ」 だろう。
身体に溜まった世俗の毒を、大量の汗で流し出して、
妙に、こざっぱりとしたカオになってたらしい。
なんか「風呂あがり」みたいなカオ、って言われた。^^
(いま、私が為すべきこと)
2011年、明けましておめでとうございます!
今年も、よろしくお願いします。
さて、今年初のラーは、北関東のこの店となった。
数年前に一度来て以来、2訪目である。このあたりは、ラーの後進地帯と思いきや、中には、こんなマトモな店もある。
オススメの、『塩そば(大)』 を麺固めで。
キラキラと輝く、美しい塩スープ。
スッキリ系だが、実に丁寧な滋味が嬉しい。
麺は中太、加水多めの縮れ麺。いまひとつ洗練されないのが惜しい感じだが、それでも、しっかりとした存在感だ。
特筆すべきは、ドサッと載った「ワカメ」の山。
このワカメ、よくある “お飾り”ではない。このラーでは、マコトに重要な要素である。爽やかな潮の香と厚み。
よく見れば、青紫蘇の葉が散らしてある。
このあいだ、近くのコンビニ に入ったとき、
ふと異界の声のようなものが聞こえた気がした。
高周波で幾何学波形の、ぶきみな声だ。
何だ何だ?ぐるりとあたりを見回すと、
いきなり堰を切ったように 「ワーッ!」 ときた。
無数の異界の声が、うようよと重なり蠢く。
規則チックなのに、全くの無統制な密集の様。
そこに積み上げられてたのは「コイツ」であった!
うーむ、「インベーダー」め。
ついに、こんな生活圏にまで侵入してきたか。軋むアタマを抱えながら、レジで「2個」購入。^^
家に帰って、さっそく、
軋むアタマを抱えながら 湯を沸かして開封。
背脂が、後入れの別パックになってるナ。
御湯を注いで3分間、きわめて安直に完成。
キューッと来たぁッ!
このスープ、確かに 「インベーダーの」である。
特有の、“きっつい” エッジのアタリ。
しかしながら、拍子抜けするほどに、「無個性」な麺。
あの、際立つ小麦感はどこにもない。
なんの変哲もない、つまらんカップ麺の麺だ。
あ~、それから、具材にも、まったく特筆すべきもの “なし”。
なるほど 「インベーダーだ」と納得出来るのは、
スープ・エッジの“一点”だけである。
野郎、コストを抑えるために手を抜いたナ。
でもまー、
こ~ゆ~ところも、いかにも “彼奴等” らしいといえるかもしれん。^^
(生活圏にまで入ってきたか)
3訪目。
信じがたいほどに、すがすがしくて美しい海と、
この地に産する稀少な“宝石翡翠”に魅せられて
糸魚川を訪れること、既に片手では足りない。
このラー屋、
数年前に、ケータイで初めてその存在を知って、
以来、毎回訪れるようになった店である。
ほとんど海の真横といって良いロケーション。
晴れの日なら、窓の外の海が一際美しく輝いて、
雨の日ならば、深い味わいの旅情に浸らせる。
今日は、快晴だ。
「おっちゃん」 というのは、おそらく先代であろう。
現在は、女性3人が勢い良く切り盛りする。
ちょうど昼どきということもあり、店内ほぼ満席。
今まで 「グラグラ(辛いラー)」 ばかりだったから、
今回は、“看板メニュー” をいってみよう。
店名を冠する、『おっちゃんラーメン』 を麺固めで。
極細刻み海苔の“精密な黒”が目に鮮やかだ。
色どりの良い、野菜炒めが載せられ、
中に、カマボコやホタテの燻製の姿が見える。
中央に、ドカッと乗せられている謎の塊は、
なんと、大きな “鱈の燻製” であった。
確かに、鱈はこのあたりの冬の<名物>である。
細かい白い粒の混じる、味噌系のスープ。
この粒は麹のような気がするが、定かではない。
味噌ならではの豊穣さと、ほどのよい甘みと、
溢れんばかりの、海の滋味。
キリッと締まってコシの強い、加水率高めの細麺。
キュッと強い縮れで、スープを良く持ち上げ、
その食感も、マコトに小気味良い。
いや~、ここまでの “オリジナル・ラー” には、
滅多に、お目にかかれるもんじゃない。
特に嬉しいのは、それが奇を衒ったものではなく、
この地では <必然の組み合わせ> による、
どっかりとした、土着の匂いプンプンの、
ホンモノの “地域ラー” であることである。
(ホンモノの “地域ラー” の店)
ひと山越えて、隣県の愛知へ。
愛知県豊橋市を中心に、
強烈な光を放っている ≪桃山グループ≫。
その本店がココである。
ずっと気になっていたが、ようやく初訪。
良い感じに古さびた、味のある外観。
“チェーン加盟店募集”の大きな垂幕が掛かる。
店内は、先客数名といった具合だが、
人気店特有の匂いが確かにする。
『桃山ラーメン+味玉』 を麺固めで。
現れたそれは、期待通り充実のビジュアル。
大きさ・深さ・重さ・緻密さ・照り 等々・・
ひと山越えて来た甲斐があった。
強力でワイルドな風味の、豚骨醤油スープ。
背脂の効かせ方も凄く良い。
パンチあり、厚みあり、クリーミーである。
透明なラード層が痛いほどの “熱々”を実現。
麺は、低加水・中細ストレート。
北海道産小麦を使用した自家製麺との由。
香ばしい小麦感が広がり、とてもGOOD。
スープとのマッチングも見事だ。
一瞬、目が?となる “薄削ぎ”のチャー。
でも食してみれば、これが面白く効果的な食感。
こういう手もあるのか-、思わず頷く。
ズシリ濃厚な味玉、煮しめ系メンマも◎。
丼の縁の、分厚い風味の三角海苔。
細切りネギは、わずかな量載せられるのみだが、
驚くほど効果的に、全体を引き締める。
あらゆるポイントが、
悉く的確に押さえられていることに感心。
そうか!この一杯はノウハウの “塊”であったか。
さすが、今後も更なる <チェーン展開>を、
狙っているだけの “ネタ”である。
(豊橋発の野望)
久しぶりに「新横浜」へ。
横浜出身の私。
子供の頃は新幹線が通ってるだけで
一面田圃だったのに。。と、
ここに来る度に周囲を見回さずにはおれぬ。
これまた久しぶりの 『新横浜ラーメン博物館』。
中に入ると相変わらず物凄いインパクト。
ココロ浮き立つ 『ドリーム・ランド!』 だ。
熟考の末、
熊本ラーでは 「桂花」 と並ぶ『2大巨頭』と聞く
この店をチョイス。
この店の標準と見た 『王様ラーメン』を麺固めで。
大きさ、質感、具材の充実感とバランス、等々
ビジュアルはバッチリ。
期待の初口。。
スープは随分 ”あっさり”と感じたが、
”あっさりとんこつ” がこの店の特徴らしい。
いかにも熊本ラーの低加水ストレート太麺。
まずまずのクオリティの具材一式。
こういう見本的店舗ゆえに、
店のエッセンスの”上澄み”を見ている感じで、
ネイティブの迫力に欠ける面は否めないものの、
ひと通りの満足は得ることが出来た。
(ラー博の中 : 昭和30年代の黄昏の下町)
【写真なし】
東京出張で、さて昼食は、というハナシになり
急遽、某携帯サイトで検索。
-と、ベストな位置にベストな店がジャスト・ミート!
実に嬉しい店がヒット!!
私的には味源系の店では必ず食すことにしている
『鉄火(激辛)』をデフォで。
期待通りの重厚な存在感。
重たいと感じるほどに充実した「ぶ厚い」スープ。
辛さは他店と比べてやや控えめかも。
弾力のある多かんすい麺は「強く強く」縮れ、
スープの持ち上げ充分で歯応えがキモチE。
チャーもグッド。
その他具材もグッド。
100パーセント
期待通りの満足を得ることが出来た。
【写真なし】
じつに久しぶりの佐野S.A
写真写真の佐野ラー猛烈アピールに、
たまには良いかな、
とその気になって『こってり佐野ラー』を。
試しに麺固めをリクエストしてみたら
応じてくれた。(驚き)
予想通りの 『デジタル・ラーメン』。
化学的安定感を感じさせるスープに、
インダストリアルな麺。
ちりばめられた背油は全て同形の結晶をなし、
小ぶりながらも”再現性”の良い具材各種。
とまーこう書くと身もフタもないが、
佐野ラーの特色は
的確に捉えられ表現されており、
ある意味で完成度高く見事ともいえる。