夕飯時、この寒さはどうだ?と近頃の気候を話題にカミさんに話かけたところに、 玄関の呼び鈴がなる。
カミさんが出て訝(イブカ)しげな顔をして、なにやら大きな小包を手にして居間に入って来た。
「あんた、この差出に覚えがある?」と私に聞く。
「何だ?」見れば差出人が私の名になっている。
無論、私に覚えはない。
「俺に覚えはないよ」
「でも、この差出人は貴方の名だよ」
「おい、よく見せろ」と改めて手に取り送り状をみると間違いなく我輩の名前になっている。
「この電話番号に覚えはないの?」
「ないな・・・・」
「08・・・は岩国だな?弟かも?」
「あんた、ホントに覚えはないの?」まだ、不審な思いにカミさんは駆られているようだ。
「弟の携帯かも?」
「○○チャンが贈り物に携帯の電話番号を使う?」カミさんの不審な疑いは益々深くなったようだ。
「この送り先のお店は広島だよ」
「近頃あんた広島には帰っていないしね」と不審げな顔をしている。
「中身が何かを見てみろよ」カミさんは贈り物など包装したものを開くのが好きだ。
我輩の言葉に不審を抱きつつも、かみさんは贈り物の包みを開く。
中身はお菓子だ。
「ほう~美味そうだな?」
「一つ呉れよ」
出された菓子を一口食べる。
「おい、これは美味いぞ、お前も食べてみな?」
「嫌だよ・・・」
「送り主が分からないものは食べる気がしないよ。毒かもしれないよ」まさか、この我輩を今更 殺して、なんになる。
大昔の恋人?まるで幽霊だな。
まァ 考えれば、その昔、随分と遊んだことの否定はしないがな。
それにしても思いつかない。
「おい、もう少し、して弟に電話して確かめてみるよ」
「変だよ~あんたの、その顔は送った人を知ってる顔だよ!」寅さんのような我輩の顔は寅さんに似て嘘はつけない顔のようだ。
「分からないと言ったら分からないのだ!」
「電話をしてみるがいい?」と聞く。
「いいよ」カミさんの様子が何時もと違う?
こんなにいきり立つのも珍しい。
見ると、もう電話機に向かってプッシュを押している。
すると我輩のテーブルの後ろにぶら下げている我輩の携帯電話が鳴り始めた。
うしろを振り向き携帯を外して発信番号を見ると我家の番号である。
「あれッ?こりゃなんだ?」
「あんた、あんたの携帯の番号を知っている人は少ないのでは?」
「うん 少ないね」
「それでも分からないの?」随分と追求が厳しい!
「困ったな~」つい、そんな言葉が口に出た。
「何をそんなに困るの?」
「分からないものは分からない!」然し な~ァと考え込む。
それを不審げに見ているカミさん・・・。
えい!めしを済まそう!兎に角夕食を済ませる。
お茶を飲みながら、また、考える。
こんなに考えたことは囲碁以外に近頃ないのでは?
お茶の菓子に先ほどの、お菓子に手を出した。
カミさんがそれを見ていながら一言も、ものを言わない。カミさんが一言も言わないのも気になる。
カミさんは何時もは真っ先に食べ始めるのに何故か手を出さない。
その送られたお菓子を口にしてお茶をすする。
Aさんかな~?Bさんかな~Cさんかな~と遂にZさんまで行く。
何れも10年以上も前のことだ。
中には半世紀も前の方もいらっしゃる。
あの頃は忙しかったな~。と思うと頬が緩む。
「何をニヤ・ニヤしているの?」と突然、隣に座っているカミさんから、どやしつけられた。
その声にビックリして我に返る。
「そうだ、薬を飲まなくては・・・」
「また、誤魔化している・・・」何故か今日は中々引き下がらない。
「困ったな~」また、思わず呟いた爺である。
その顔は不思議と困っていない。
「なによ、一つも困ってる顔でないよ!」
「なに!」
「俺の顔の困った時の顔はこんな顔だ!」四角い顔を怒らせた。
呆れたカミさんが急に娘のところに行くからと出かけた。
手にカミさんの特注の大きなチョコレートがある。
それに、何か他の品物も持っている。
怒って出かけたわけでもなさそうだ。何か娘のところに届けるようだ。
このお菓子は食べ終わったころに差出人を思い出すかも?
或いは食べても思い出さないかも?
多分、このお菓子は我輩が一人で戴くことになるかも・・・。
そのような無責任なことを考えている我輩である。
そこに、早くもカミさんが帰って来た。随分と早い!
我輩の目の前に送られたお菓子の箱がある。
3月半ばの寒い夜のミステリアスな現実の出来事であった。
カミさんは既に我輩の傍で「漢字クイズ」に夢中になっている。
カミさんが出て訝(イブカ)しげな顔をして、なにやら大きな小包を手にして居間に入って来た。
「あんた、この差出に覚えがある?」と私に聞く。
「何だ?」見れば差出人が私の名になっている。
無論、私に覚えはない。
「俺に覚えはないよ」
「でも、この差出人は貴方の名だよ」
「おい、よく見せろ」と改めて手に取り送り状をみると間違いなく我輩の名前になっている。
「この電話番号に覚えはないの?」
「ないな・・・・」
「08・・・は岩国だな?弟かも?」
「あんた、ホントに覚えはないの?」まだ、不審な思いにカミさんは駆られているようだ。
「弟の携帯かも?」
「○○チャンが贈り物に携帯の電話番号を使う?」カミさんの不審な疑いは益々深くなったようだ。
「この送り先のお店は広島だよ」
「近頃あんた広島には帰っていないしね」と不審げな顔をしている。
「中身が何かを見てみろよ」カミさんは贈り物など包装したものを開くのが好きだ。
我輩の言葉に不審を抱きつつも、かみさんは贈り物の包みを開く。
中身はお菓子だ。
「ほう~美味そうだな?」
「一つ呉れよ」
出された菓子を一口食べる。
「おい、これは美味いぞ、お前も食べてみな?」
「嫌だよ・・・」
「送り主が分からないものは食べる気がしないよ。毒かもしれないよ」まさか、この我輩を今更 殺して、なんになる。
大昔の恋人?まるで幽霊だな。
まァ 考えれば、その昔、随分と遊んだことの否定はしないがな。
それにしても思いつかない。
「おい、もう少し、して弟に電話して確かめてみるよ」
「変だよ~あんたの、その顔は送った人を知ってる顔だよ!」寅さんのような我輩の顔は寅さんに似て嘘はつけない顔のようだ。
「分からないと言ったら分からないのだ!」
「電話をしてみるがいい?」と聞く。
「いいよ」カミさんの様子が何時もと違う?
こんなにいきり立つのも珍しい。
見ると、もう電話機に向かってプッシュを押している。
すると我輩のテーブルの後ろにぶら下げている我輩の携帯電話が鳴り始めた。
うしろを振り向き携帯を外して発信番号を見ると我家の番号である。
「あれッ?こりゃなんだ?」
「あんた、あんたの携帯の番号を知っている人は少ないのでは?」
「うん 少ないね」
「それでも分からないの?」随分と追求が厳しい!
「困ったな~」つい、そんな言葉が口に出た。
「何をそんなに困るの?」
「分からないものは分からない!」然し な~ァと考え込む。
それを不審げに見ているカミさん・・・。
えい!めしを済まそう!兎に角夕食を済ませる。
お茶を飲みながら、また、考える。
こんなに考えたことは囲碁以外に近頃ないのでは?
お茶の菓子に先ほどの、お菓子に手を出した。
カミさんがそれを見ていながら一言も、ものを言わない。カミさんが一言も言わないのも気になる。
カミさんは何時もは真っ先に食べ始めるのに何故か手を出さない。
その送られたお菓子を口にしてお茶をすする。
Aさんかな~?Bさんかな~Cさんかな~と遂にZさんまで行く。
何れも10年以上も前のことだ。
中には半世紀も前の方もいらっしゃる。
あの頃は忙しかったな~。と思うと頬が緩む。
「何をニヤ・ニヤしているの?」と突然、隣に座っているカミさんから、どやしつけられた。
その声にビックリして我に返る。
「そうだ、薬を飲まなくては・・・」
「また、誤魔化している・・・」何故か今日は中々引き下がらない。
「困ったな~」また、思わず呟いた爺である。
その顔は不思議と困っていない。
「なによ、一つも困ってる顔でないよ!」
「なに!」
「俺の顔の困った時の顔はこんな顔だ!」四角い顔を怒らせた。
呆れたカミさんが急に娘のところに行くからと出かけた。
手にカミさんの特注の大きなチョコレートがある。
それに、何か他の品物も持っている。
怒って出かけたわけでもなさそうだ。何か娘のところに届けるようだ。
このお菓子は食べ終わったころに差出人を思い出すかも?
或いは食べても思い出さないかも?
多分、このお菓子は我輩が一人で戴くことになるかも・・・。
そのような無責任なことを考えている我輩である。
そこに、早くもカミさんが帰って来た。随分と早い!
我輩の目の前に送られたお菓子の箱がある。
3月半ばの寒い夜のミステリアスな現実の出来事であった。
カミさんは既に我輩の傍で「漢字クイズ」に夢中になっている。
昨夜ブログを読ませて貰ってコメントもしませんでした。
事実は小説より奇なりですね。
また 楽しみにしています。
何時もコメントありがとう ございます。
昨日はカミさんも、この菓子に手を出して
「うち このような菓子好きよ」と言って食べ始めました。
「おい、毒が入っているぞ!」と言うと、
「あんたが毒見しているから大丈夫・・・」お菓子の箱はテーブルから何処かに片付けられました。
(苦笑)