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死の受容 『こころと体の対話』

2011-10-21 11:05:59 | 読書ログ
最近、こころと体のつながりをテーマに読書をしています。

というのもヨガというのはそのものズバリ、心と体をつなぐもの、と言われてるからです。

ずばり『こころと体の対話』という本に”死の受容”というキューブラー・ロス博士と言う人が名づけたプロセスが書いてあります。
Grief work

自分の死を受け入れるプロセスで、末期がん患者を例にしてあります。

1.自分がガンになったことへの怒りや抗議の気持ちを抱く。
2.死を先延ばしにすることならいかなることでもすると、心の中で取引を考える
3.すべてが不可能であると悟る
4.抑うつ状態になる
5.嘆き、悲しみ
6.死の受容

これはフロイトの悲哀(喪失を癒す喪の仕事)と同じだそうです。
つまり自分が何か大切なもの(愛情、愛する人の死、故郷を奪われるなど・・・)対象喪失反応と同じです。

1.不安
2.抗議
3.悲しみ
4.抑うつ
5.再構築

この本ではこうした心理が様々な心理的サポートによって高次の段階へ進むことによって人は前進できるということになっています。

心理的な介入は例えばガン患者の生活の質を高め、生存期間の延長をもたらすそうです。

生活の質というのは、受動的で無力感から絶望へ導かれやすい自分から、回復への望みを抱き、治療にも積極的にかかわり、ケアやサポートを効果的に受け入れられる、ということと書かれています。

■ 言葉を入れ替えてみる という思考の遊び

ふむ。考えてみると、人生の後半、老後というのはこのプロセスそのものかもしれません。というのも

”死”という言葉を”老い”と入れ替えても同じプロセスが成り立ちます。
 
老いに対する抗議の気持ちから、まずは老いと戦い始め、老いを先延ばしすることなら
なんでもすると、ものすごい頑張りをしている最中の人もたくさんお見かけします。
(若いときはそれが不思議な光景に見えたりします。)

しかし、老いというのは確実に進行します。老いを無視し、体を壊します。
そして抑うつ状態になる。ミドルエイジの危機ですね。自分の体が昔と
同じでないことを認めるのは少々時間が掛かります。

そして嘆きと悲しみ・・・私は祖母はこのプロセスから前に行かなかったように
思います。 ずっと嘆き悲しみ続けて自分の体を放置しました。

老いを受容するところまではいかなかったのです。 

おいを受容する…というのはどういうことかなぁ?と思っていたら
本屋で『前向き』という93歳の生活術の本を立ち読みしました。

例えば、昨日できたことが今日はできない、不思議ねぇと不思議がりながら暮らす。

一人でも料理はする。 などなど…

よく言われることですが、老いとは成長と同じなんですよね。

年を取ることは、子供の頃には素晴しいことで、いつからか(ホントにそれはいつでしょう?) 年を取るのはネガティブなことになります。 
現実に起きていることは一緒なのに。

素晴しい人生の時間はどうも5の再構築のプロセスにあるようです。
しかし、5つプロセスがあるとしてら、1~4までは苦しいわけですから、
割合的に言って8割はそうした時間を過ごすことになるわけですね。

1~4のプロセスにほとんどを費やしてしまうことがないようありたいものです。

そのために必要なのは、精神的な立ち直りのプロセスを自分自身でよく知る、
どういうケアやサポートが必要か、相手に上手に伝えることができるスキルが
重要ですね。

私のヨガのレッスンにも精神的支えが必要そうな人が来ますが(例えば鬱)
でも、ご自身でどんなサポートが必要かわかっていらっしゃらないような
感じです。 

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