この土日は、南アルプスで登山道の整備のボランティアをしてきました。

一番驚いたのは・・・ 一般参加者が私一人だったこと(笑)!
私は図書館で拾ったチラシで応募したのでしたが、私しかいなかったとは~・・・(^^;)
うーん、以前アニマルトラッキングの勉強会でもほとんど参加者がいないのは驚きましたが、森林関係の勉強会、自然観察会というのは、マーケティングは課題みたいですね~。(というかあまり一般参加者は参加を期待されていないのではないのかな?)
参加者は主催者である芦安ファンクラブのメンバーと針葉樹会という山岳部OBで、基本的にみな知り合いのようでした・・・。あれぇ???初対面の相手というのは、実は私だけ・・・。
■ 登山道
一日目は、夜叉神峠西口登山道を整備する日でした。 夜叉神峠は年中いける気軽なハイキングコースです。
私は真冬に行って白根三山を仰ぎ、6月にはドイツ人旅行者を案内して来ました・・・しかし、西側の登山道は『危険のため入らないでください』。
この道があるのは知っていましたが、夜叉人峠山頂からマイカー規制のバス道に下りる道なのですがあまり通る人がいないのも納得の道です。通る必然性がないというか・・・うーん、どこへ行くために通る道(笑)??
夜叉神峠西口登山道
バス停がある登山口。 
この地図をみて分かるように最初が一番勾配がキツイ。夜叉神峠まで約1時間の道。
標高差は386m、1.4kmの道。 ほとんどが西尾根の南面をトラバースしており、
快適な道。多分北風の強い日も風下で風がそう当たらないような気がする。
緑色の○の箇所が特に整備した箇所。 東側の谷部分は沢でココが水場。上に人工物がないため沢の水は飲用可。

今回はほとんど通る人がいないため荒廃して危険箇所があるということで整備しよう!という運びになったそうですが以前行った八ヶ岳の別荘裏の藪漕ぎみたいな道ではなく、ところどころわだちが細くなっているものの、気持ちの良い唐松の森のゴキゲンな小道でした。
秘められたステキな道です。東口より静かで日も良く当たっており、私はとっても気に入りました♪ どこに行くに使う道でなくても、そこにいるだけで気分が良い場所でした。
いつも山に登っていて、どんな険しい場所にも登山道があり、一体登山道ってどうやって作っているんだろう?
どうやって資材を運び込んでいるのだろう?と素朴な疑問を持っていましたが、今回整備を身近に見る機会があり、本当に手づくり。そのことにむしろ驚きました。
今の時代、どんなに大変そうなことにも、カンタンにこなすための手段が揃っていることが普通になってしまっています。例えば昔は背負って運んだ山小屋の荷物も今では
ヘリコプターだったり、昔は近くの薪を切っていたのも、今では麓から薪を買うようになったり…。しかし、登山道の整備というのはそういう”手段の向上”あるいは”手段の変化”からは取り残されているようです。全部人力。想像通り、大変なのです。そのことにむしろ軽いカルチャーショック(笑)
例えば、重~い丸太。 高校生が古タイヤを引きずるように引っ張る?ソリ的なものに乗せてくる?
いやいや~。背負子を使って丸太は丸太のまま背負ってくるのです!! 丸太は一本5kgだそう。その丸太も上で使いやすいよう切ってから、とかいうのではなく、現場あわせです。大変~。
それを2~3本も背負って運んでいく人も!!大変です。あるいは、道標。道標は本当に重そうでした。
これも2人で持つ、とかなく、不安定な形のまま、背負子で背負ってくるのです。いや~重労働。
丸太の階段を1箇所、沢のそばに杭を打った歩道を1箇所、丸太を敷き並べた橋を1箇所作ったのですが、丸太の先をなたで打って尖らせ、それを杭にして、ハンマーで岩盤に当たるまで叩きます。垂直方向に杭を打ち込んだら、さらに水平方向に杭を打ちます。 そこに近くに落ちている太目の生木を拾ってきて横に渡し、土留めにします。さらに沢の岩や土砂をそこらの生木と一緒に埋め踏み固めてしっかりと踏める道ができました。
同じような形で丸太を並べればちょっとした木道ができます。いや~土木工事です。 私はハンマーを”かけや”というと言うことさえ知らないのでした(^^;) じょれん、というのも初めて知りました。
登山道、こうしてさらに安全になったのですが、南アルプスのように有名な山域はちゃんとファンがいて整備するから歩きやすい道になる。 一方で低山の個人が所有するような山は実は勾配をみるとけっこう険しい上に手入れもほとんどされないため藪漕ぎ状態や痩せ尾根続きの危険な道になる・・・ やはり山でも豊かさがさらなる豊かさを呼ぶという好循環、それが有名な山(高山帯)のほうが初心者だって歩きやすいということに結果としてつながっているのだなぁと分かりました。
■ 雨の山
この日はあいにくの雨でした。 雨の日は山登りしないので、私にとっては、カッパを着て歩くのはまだ2回目です。

けっこう雨の日の山もいいものですね♪ これはかなりの発見でした。雨だからと言って山を中止にしなくてもまぁいいわけですね。これからは雨の日用の山というのも考えておかなくては・・・(笑)
そして、長靴で歩くのも初めてでした(^^) 長靴と言えば、足の裏がやわやわで足首も固定されておらず、登山靴のセオリーとは反対を行く靴・・・でも実際、実は長靴のほうが歩きやすかった。
実は二日目の自然観察会では登山靴にしてみたのですが、登山靴より長靴のほうが歩きやすかったです。
(長時間歩くとどうか分かりません。何しろ、足裏にしっかり大地を・・・つまり石を感じます)
二日目は芦安に転勤になったばかりの国立公園のレンジャーも参加したり、東京からメンバーが増えたりでにぎやかでした。
■ 南アルプスの静かさ
芦安山岳館の館長さんなども参加されていたので、貴重な山事情も聞くことができました。
南アルプスは北アと比べて地味と言うか、少々敷居が高めというか、誰でもおいでとは言っておらず、山初心者にはちょっと行きづらい雰囲気があります。トイレも少々敷居高めですしね。
・・・というのは、この山域の歴史に理由があるのだそうです。
山梨県は国有林と言うのは少なく、ほとんどが県有林なのだそうです。国から県に下賜された恩賜林だそう。
というのも、そもそも林業で生計を立てる人が多かったため、今でも山という観光業で生計を立てる人は少なく、登山客の多寡があまり直接生計に絡まないのだそうです。 そこが登山ビジネス?人口が多い北アとの熱心さの差を産むのだそうです。
(でも、私は上高地は少し商業化されすぎているような気がしたのでした。静かな山が好きな人は南アルプスがオススメです)
その北アと比べるとそっけないくらいの南ア・・・でも芦安ファン倶楽部などの熱心な活動がこの山域の山小屋のサービスアップにつながっているのですね。
ハタから見ればもうちょっと名物ソフトくらい作れば売れるのに~などと考えてしまいますが、そうしたちょっと情熱がないくらいのさっぱりさ加減が静かな山につながっているのだということで、なんだか納得した経験になりました。
秘められた良い道が一杯ある山域みたいですがそれがあまり知られていないからこそ、
自然のそのままの姿も残ることができる…そういうバランス感覚という意味では
実は環境問題=人の入りすぎという面のある山域よりむしろ成功例と言えるのかも
しれないですね。


一番驚いたのは・・・ 一般参加者が私一人だったこと(笑)!
私は図書館で拾ったチラシで応募したのでしたが、私しかいなかったとは~・・・(^^;)
うーん、以前アニマルトラッキングの勉強会でもほとんど参加者がいないのは驚きましたが、森林関係の勉強会、自然観察会というのは、マーケティングは課題みたいですね~。(というかあまり一般参加者は参加を期待されていないのではないのかな?)
参加者は主催者である芦安ファンクラブのメンバーと針葉樹会という山岳部OBで、基本的にみな知り合いのようでした・・・。あれぇ???初対面の相手というのは、実は私だけ・・・。
■ 登山道
一日目は、夜叉神峠西口登山道を整備する日でした。 夜叉神峠は年中いける気軽なハイキングコースです。
私は真冬に行って白根三山を仰ぎ、6月にはドイツ人旅行者を案内して来ました・・・しかし、西側の登山道は『危険のため入らないでください』。
この道があるのは知っていましたが、夜叉人峠山頂からマイカー規制のバス道に下りる道なのですがあまり通る人がいないのも納得の道です。通る必然性がないというか・・・うーん、どこへ行くために通る道(笑)??
夜叉神峠西口登山道


この地図をみて分かるように最初が一番勾配がキツイ。夜叉神峠まで約1時間の道。
標高差は386m、1.4kmの道。 ほとんどが西尾根の南面をトラバースしており、
快適な道。多分北風の強い日も風下で風がそう当たらないような気がする。
緑色の○の箇所が特に整備した箇所。 東側の谷部分は沢でココが水場。上に人工物がないため沢の水は飲用可。

今回はほとんど通る人がいないため荒廃して危険箇所があるということで整備しよう!という運びになったそうですが以前行った八ヶ岳の別荘裏の藪漕ぎみたいな道ではなく、ところどころわだちが細くなっているものの、気持ちの良い唐松の森のゴキゲンな小道でした。
秘められたステキな道です。東口より静かで日も良く当たっており、私はとっても気に入りました♪ どこに行くに使う道でなくても、そこにいるだけで気分が良い場所でした。
いつも山に登っていて、どんな険しい場所にも登山道があり、一体登山道ってどうやって作っているんだろう?
どうやって資材を運び込んでいるのだろう?と素朴な疑問を持っていましたが、今回整備を身近に見る機会があり、本当に手づくり。そのことにむしろ驚きました。
今の時代、どんなに大変そうなことにも、カンタンにこなすための手段が揃っていることが普通になってしまっています。例えば昔は背負って運んだ山小屋の荷物も今では
ヘリコプターだったり、昔は近くの薪を切っていたのも、今では麓から薪を買うようになったり…。しかし、登山道の整備というのはそういう”手段の向上”あるいは”手段の変化”からは取り残されているようです。全部人力。想像通り、大変なのです。そのことにむしろ軽いカルチャーショック(笑)
例えば、重~い丸太。 高校生が古タイヤを引きずるように引っ張る?ソリ的なものに乗せてくる?
いやいや~。背負子を使って丸太は丸太のまま背負ってくるのです!! 丸太は一本5kgだそう。その丸太も上で使いやすいよう切ってから、とかいうのではなく、現場あわせです。大変~。
それを2~3本も背負って運んでいく人も!!大変です。あるいは、道標。道標は本当に重そうでした。
これも2人で持つ、とかなく、不安定な形のまま、背負子で背負ってくるのです。いや~重労働。
丸太の階段を1箇所、沢のそばに杭を打った歩道を1箇所、丸太を敷き並べた橋を1箇所作ったのですが、丸太の先をなたで打って尖らせ、それを杭にして、ハンマーで岩盤に当たるまで叩きます。垂直方向に杭を打ち込んだら、さらに水平方向に杭を打ちます。 そこに近くに落ちている太目の生木を拾ってきて横に渡し、土留めにします。さらに沢の岩や土砂をそこらの生木と一緒に埋め踏み固めてしっかりと踏める道ができました。
同じような形で丸太を並べればちょっとした木道ができます。いや~土木工事です。 私はハンマーを”かけや”というと言うことさえ知らないのでした(^^;) じょれん、というのも初めて知りました。
登山道、こうしてさらに安全になったのですが、南アルプスのように有名な山域はちゃんとファンがいて整備するから歩きやすい道になる。 一方で低山の個人が所有するような山は実は勾配をみるとけっこう険しい上に手入れもほとんどされないため藪漕ぎ状態や痩せ尾根続きの危険な道になる・・・ やはり山でも豊かさがさらなる豊かさを呼ぶという好循環、それが有名な山(高山帯)のほうが初心者だって歩きやすいということに結果としてつながっているのだなぁと分かりました。
■ 雨の山
この日はあいにくの雨でした。 雨の日は山登りしないので、私にとっては、カッパを着て歩くのはまだ2回目です。

けっこう雨の日の山もいいものですね♪ これはかなりの発見でした。雨だからと言って山を中止にしなくてもまぁいいわけですね。これからは雨の日用の山というのも考えておかなくては・・・(笑)
そして、長靴で歩くのも初めてでした(^^) 長靴と言えば、足の裏がやわやわで足首も固定されておらず、登山靴のセオリーとは反対を行く靴・・・でも実際、実は長靴のほうが歩きやすかった。
実は二日目の自然観察会では登山靴にしてみたのですが、登山靴より長靴のほうが歩きやすかったです。
(長時間歩くとどうか分かりません。何しろ、足裏にしっかり大地を・・・つまり石を感じます)
二日目は芦安に転勤になったばかりの国立公園のレンジャーも参加したり、東京からメンバーが増えたりでにぎやかでした。
■ 南アルプスの静かさ
芦安山岳館の館長さんなども参加されていたので、貴重な山事情も聞くことができました。
南アルプスは北アと比べて地味と言うか、少々敷居が高めというか、誰でもおいでとは言っておらず、山初心者にはちょっと行きづらい雰囲気があります。トイレも少々敷居高めですしね。
・・・というのは、この山域の歴史に理由があるのだそうです。
山梨県は国有林と言うのは少なく、ほとんどが県有林なのだそうです。国から県に下賜された恩賜林だそう。
というのも、そもそも林業で生計を立てる人が多かったため、今でも山という観光業で生計を立てる人は少なく、登山客の多寡があまり直接生計に絡まないのだそうです。 そこが登山ビジネス?人口が多い北アとの熱心さの差を産むのだそうです。
(でも、私は上高地は少し商業化されすぎているような気がしたのでした。静かな山が好きな人は南アルプスがオススメです)
その北アと比べるとそっけないくらいの南ア・・・でも芦安ファン倶楽部などの熱心な活動がこの山域の山小屋のサービスアップにつながっているのですね。
ハタから見ればもうちょっと名物ソフトくらい作れば売れるのに~などと考えてしまいますが、そうしたちょっと情熱がないくらいのさっぱりさ加減が静かな山につながっているのだということで、なんだか納得した経験になりました。
秘められた良い道が一杯ある山域みたいですがそれがあまり知られていないからこそ、
自然のそのままの姿も残ることができる…そういうバランス感覚という意味では
実は環境問題=人の入りすぎという面のある山域よりむしろ成功例と言えるのかも
しれないですね。
