オーストラリアの有望市場?

2010-08-19 13:34:07 | 福岡&中野&メルボルン時代
面白いサイトを発見したので、ちょちょっと情報を拾って見ました。
http://www.buyusa.gov/australia/en/

私が見たメルボルンは、

・生活必需品が高い (消費意欲はあっても誰も買わない?買えない)
・公共建設主導の景気誘導 (なんか日本で見た景色に似てる・・・)
・ボッタクリ横行 (消費者保護の未熟さを感じる・・・)
・キー産業がない (資源産業って・・・何も作ってないし、人間で言ったら売血のようなものじゃ・・・)
・スキル労働者不足 (医師、看護婦、会計士、建設エンジニア)

となんとなく、実力より評判が勝っているような気がしてしまうポイントが多かったのです。 
だって資源産業って産業?何も生み出して作ってないし・・・。確かに
プロフィットを出しているのは確かですが、雇用は生み出していないのよね。

逆に医療やインフラなどは人が生きるために必要なもの、ということで
どちらかというとコストセンターのような?

そして残るはサービス業で国の7割がサービス業による収支ということはお互いの面倒を見合っているだけの話なのです・・・
サービス業ってのは見えないGDPの「見える化」のような面がありますよね?例えば自分の家を掃除してもGDPにならないが、他所の家に掃除に
言って賃金をもらうとGDPに加算される。 そういう意味でサービス業
ってタコ足食いみたいな感じです。

このアメリカ政府系サイトのオーストラリア市場概観によると・・・
http://www.buyusa.gov/australia/en/

Australia is the world's 15th largest economy with a GDP of over US$1 trillion and is forecast to grow more than 2 percent in 2010. Australia’s per-capita GDP is among the highest in the world (US$41,982 in purchasing power parity terms)

とあり、オーストラリアは世界15位の市場で、GDPはUS1兆ドル(って100兆円。日本は大体500兆円なので5分の1) 成長率は2%。

一人当たりGDPはUS$41,982。って日本はというと、
ここに凄いサイトを見つけたので、グラフを拝借。

[世] [画像] - 一人当たりの名目GDP(USドル)の推移(1980~2010年)の比較(日本、オーストラリア)

とまぁこのような状況になっています。一人当たりGDPでは完全負け。

でもやっぱり規模では5倍。日本は著しく自信を失っていますが・・・・。最近、中国に世界第2位の座を明け渡しましたことだし・・・
でも実感としてはオーストラリアより、日本のほうが豊かなような…?これは2004年ごろに出張に行ったときの感覚とは間逆なんです…
当時はかなりバランスの取れた良い国に感じたのですが、ここ数年状況が逆転していたのでしょう…。オーストラリアは生活でアップアップ感漂っていました。

しかし、日本のGDP、日本の国土サイズを考えるとなんとも
凄いことですよね・・・まぁアメリカと比べてもいいのですが・・・。

オーストラリアは国土的には広いので”大国”への野望 BigAustralia)も捨てきれずにいるようでそれが大量移民政策への推進力となっているようでしたが・・・

中国、アメリカと違い、オーストラリアにないのは水!! そして製造業!(笑)
GDPの7割はサービス業です。これは日本の地方都市の様相と同じです。
ただしサービス業でも賃金は高く維持されています。

[世] [画像] - 名目GDP(USドル)の推移(1980~2010年)の比較(日本、オーストラリア、中国、アメリカ)

■ オーストラリアで売れるもの?

結局、生産拠点としてはあまり有望でないので、消費地としてどうか?ということで、どんな市場が有望なのか・・・とチェックしてみました
このサイトによると
1)自動車
2)建設機器
3)医療機器
4)掘削機器

なーんだか、一般消費市場としてはあまり魅力がないような・・・だからGAPもZaraもHSMもオーストラリアにはないのかしら・・・?9月にGap1号店が開店しますが オーストラリアの一般消費財市場は、どーも魅力に欠けました(^^;) 

あ、いい!と思って手に取ると、カナダの品だったり・・・どうも物欲天国ではないのです。まぁそれは良いことだと思いますが、じゃあ一体高い一人当たりGDPを何に使っているのか?という疑問がわきますよね?
消費していないなら…。で何に使っているかというと家賃です!断言!
住宅ローン金利が8%の国ですから一般家庭のカネはほとんどが
家賃に消えて行くのです。

平たくいうと”着たきりすずめで1億円の家に住む”のがオージーの姿なのです。

さてと、唯一個人に関係がありそうな、その自動車市場ですが、オーストラリアでは車は大変高い買い物です。

<2009年10月の市場シェア>
Toyota (21.1 percent)
GM Holden (12.6 percent),
Ford (10.3 percent)
Mazda (8.3 percent)
Hyundai (7.1 percent).

お、トヨタ、マツダと2社も!ぜひ健闘していただきたいものです。規模は小さくても価格が高いので一台あたり利益が大きいのではないかと思いますが、どうなのでしょうか・・・。オーストラリア仕様なるものがあるのかどうか分かりませんが基本オージーは水不足なので車を洗いません。新車でピカっとしたのに乗っている人は少ないです。まるで靴、といわんばかりに汚れたまま使っています。

オージーにとって車は生活必需品。
何しろ、オージーが1000人あたり600台も車を所有しているのです。車は
平均10.3年式。 日本では10年式の車なんて50万円くらいで買えますがオーストラリアでは全然古くありません。

エコ意識が高いのですが、あまりハイブリッドは見かけなかったような?
あ、ガソリンも日本と同じで高いです。広大な土地なので500Kmとかを日本と同水準のガソリン代で走る・・・それがオージー。可処分所得はガソリンにも消えていますね。

GM Holden, Ford, and Toyota have manufacturing facilities in Australia.

そして、GM、Ford、トヨタは現地に工場があるそうです。

The aftermarket for replacement parts and accessories is a significant element of Australian component producers' total sales.

友人も部品が高いとこぼしていましたが、新車市場よりも有望なのは、部品市場です。
何しろ新車が高いので、みんな長く乗る。と修理コスト、ランニングコストに敏感になります。まずは壊れない車。壊れても部品が安くつく車がいい車。

This part of the market is estimated to be worth approximately USD 5 billion for replacement parts and USD 6 billion for accessories

部品は50億ドル、アクセサリーは60億ドル市場。(大体5000億円、6000億円、明石海峡大橋一個分)だそうです。

自動車部品といえば、日本では新車製造向けですが、中古部品、
修理部品という分野は進出の余地が一杯あるのかもしれませんね。

■ 建設機器市場

そして建設機器は、輸入品の独占市場だそうです。
Imported construction machinery dominates the Australian market.

日本ではコマツさんの活躍が有名ですよね。たしかに日本企業名のついた建設機器をたくさん見ました。こちらでは土木建設業は盛況です。
ガテン系職種は日本の日雇いのようなものではなく、非常に手厚く
遇されています。ねらい目職種?(笑)

<主な建設機器用途>
公共交通インフラ
資源鉱業
電力設備
携帯基地設備
上下水施設
その他 公共プロジェクト(港湾など)

この市場の規模は1兆USドルだそうです。

<この市場に参入している米国企業>
Caterpillar
Case New Holland
John Deere
Ingersoll-Rand
Bobcat
Vermeer
Manitowoc
Terex,
Ditch Witch.

うーん、キャタピラー社くらいしか聞いたことありませんねぇ。しかし、オーストラリアは公共系のインフラが未整備なのは伺えますね。
まだ国を作ってる途中。

この未整備さの目視確認してきました(笑)。メルボルンは通勤ラッシュが凄いです。日本並みに混んでいます。おまけに地価が上がったので長時間通勤は避けられない・・・と日本的苦悩がまんまメルボルンに。オマケに日本ほど電車システムが優秀でないので(日本の私鉄がメルボルンに進出してくれたらいいな・・・)待ち時間の長さ、も深刻です。
結果、ストレス社会になっています。

この建設機器市場では、日本勢、ドイツ勢も優秀なそうです。
Japan and Germany are key, third-country suppliers.

<日・独の競合企業>
Komatsu
Hitachi
Kobelco
Kawasaki
Kubota
Sumitomo
Kato

Lieberr
Demag
Bomag

日本7社、ドイツ3社。 日本、頑張れ!でも、米国企業以外に不利なルールなのです・・・(汗)

The 2005 Free Trade Agreement between the U.S. and Australia (AUSFTA) has eliminated import duty on construction machinery from the U.S. The import duty rate from other countries is five percent.

2005年に、アメリカからの輸入税は撤廃。日本、ドイツは以前5%課税。

ひどくない?

■ 医療機器市場

もうひとつ個人に関係ありそうな市場が医療関連。基本はサービス業
かと思いますが、そこで使われる医療機器がモノを消費する場として
有望です。95%が輸入品市場。市場は成熟しているそうです。
アメリカ、EU、日本が3大プレーヤー。 GDPの9%を医療関係に消費、とありますがこれは大半が人件費に消えていることでしょう・・・。

<オーストラリア医療機器市場の米国企業>
Bard, Baxter Healthcare, Boston Scientific, Cook Medical, Johnson & Johnson Medical, Medtronic, St. Jude Medical, Stryker.

うーん、日本企業の名前は上がっていませんね。

日本の医療機器メーカーはパッとしないのですよね。日本でも
医療機器は米国製が多いので・・・。私は一時期、医学文献の
翻訳などの仕事をしていたのですが、日本はアメリカ企業の
大お得意さまと認識されていました。 国内で製造して国内で
消費できれば問題なさそうな分野ですが、日本のメカ好きたちは
あまり医療系には関心がなかったのでしょうか…?

医療に関しては、日本とオーストラリアは大変似た立場。
というか、アメリカも同じでしょう。基本が人材不足・予算不足、
供給が需要に追いつかない状態です。早急な改善にあまり
前向きそうでないのも共通…

なんだかねぇ…似なくていいところは似てるんですけどね。





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