カソリックとプロテスタント、そしてジュウ

2009-11-23 13:52:21 | Diary
■ 一般的日本人にとって遠い中東問題

こないだから実は中東問題について、友人とディスカッション中・・・
なんで急にこんな問題について日本人の意見を聞きたいなどと言っているのか
怪訝な気もしますが・・・

・・・皆さん、中東問題、どうですか?

実際中東問題っていうのは、日本人の関心から一番とまでは言わなくても、かなり
遠い部類に入っているのではないかと思うのですが、どうでしょうか?

その旨伝えると、かなりガッカリさせてしまった・・・でもホント日本にとって中東って
できれば、蚊帳の外にいたい問題であって、問題の当事者ではない。

■ ワスプとイスラエル

国のないユダヤ人(ジュウ)がアラブ人の領土であったイスラエルを分捕った、というのは
一応世界史の常識としてみんな知っていると思います。 このとき分捕る支援をしたのは
イギリスでした。今はイスラエルのバックはアメリカですよね。アメリカでもNYはジューイッシュ
人口の多い世界で、とくにWallStreetに多いとされています。

基本、ユダヤ人って言っても実は人種も混血が進んでいるし、一体誰?って世界なのですが
ユダヤ教を信じる人たち、となります。 そのユダヤ教・・・これがキリスト世界ではまったく
異端も異端。

一般的にはプロテスタントからもカソリックからもかけ離れた世界です。 でも私はジューイッシュの
家庭に住んでいたのですが、宗教そのものの存在意義が現在では少なくなっているので
たまにある祝祭日は日本では端午の節句にちまきを食べます、と同じくらいの印象しかなかったです。

世界のキリスト教人口で一番多いのはカソリックです。洗礼があったり、教会で告解が
あったり、マリア像を見つめて十字架持ってるのはカソリックです。 日本でもおなじみの
チャペルがある私立の学校のイメージですね。ラファエロの絵画や、偉大な作曲家など
西洋の傑作のほとんどは神のためにつくられており、キリスト教芸術はすなわちカソリックです。

ところが、アメリカはプロテスタントの国です。プロテスタントはそもそも異端だからアメリカへ
ピルグリム・ファーザーズとしてやってきたわけですが、簡単にいうと、カソリックから
美しいものや楽しみを取り去ったらプロテスタントです(笑) まぁ要するに勤勉が一番です。
禁欲、勤勉。 ワスプといえば、ホワイトでアングロサクソンでストレートのプロテスタントです。

この人たちが基本的にはアメリカでは支配階級とされているわけで、それがウォールストリートの
金融界やボストンのホワイトハウスあたりに集結している感じですが、アメリカ文化は
世界に花開き、フィリピン人と日本人でさえ、共通の80’s洋楽で盛り上がれるほど。

アメリカが世界規模で浸透すると、影に日向にワスプの価値観が背後には見えるわけです。

その噴出先・・・それがイスラエル問題なわけです・・・ いろんな議論が錯綜しています。

そもそも国を持たぬ民に国がいるのか?
イスラエルっていったい何国?
ジューイッシュっていったい誰?
なぜアラブ人と平和に共存できない?
オイルなど国家防衛ビジネスの権力が背景にあるのか?
なぜアメリカが口を出す?
なぜ戦争を始めた人がノーベル賞?

はっきり言って日本人には手に負えません・・・

■ジューイッシュとカソリック

この二つ、とても乖離しています。 海外では用心したほうがいいですね。

カソリックはどちらかというと、古典的な日本人の価値観にマッチする感じです。
家父長制といい、家族主義といい、義理と人情の世界で昔風の日本の頼りになる
お父さんと肝っ玉母さん、無邪気な子供たち・・・です。

プロテスタントは、戦後日本的です。仕事至上主義。父親と母親の役割が乖離し
父親は亭主関白で家庭のことを顧みず、母親は母親で女の世界に縛り付けられ
女性の地位は低いです。家庭の実験を実は握っている昔風の日本の家庭、とは
別のコンテキストがあり、女性は美しく夫の帰りを待ち、家庭を守ることを期待されて
います。 ついでにいうと、夫が外で会う女性と妻に求める女性像は違うようです。

ジューイッシュは分かりやすいのはディズニーの『クリスマスキャロル』 要するに
守銭奴のイメージで人々から見られています。いつだったか、日本の要人は
『日本はユダヤ人みたいになればよい』と発言して顰蹙を買っていましたが、
まぁ無知のなせる業でしょうね。世界からジューイッシュのイメージがいかなるようで
あるかということを知ると、この発言はカネの亡者説です(笑)

■ 日本人としての対策

アメリカの場合、私は無宗教です、と宣言するのも微妙によろしくないです。
日本人の場合、神道も仏教もクリスマスも色々あって節操無いので、このあたりを
説明するには長時間を要します・・・(笑)というわけで無難に仏教徒だと言っておきましょう。

アメリカでは宗教がない=良心がない、と勘違いする人が多いのです。それだけ
単細胞なわけで、単細胞は結論が早いのでかなり怖いです。 

ヨーロッパでは宗教の歴史が長いため、キリスト教下にいるといっても教会へ
行くわけでなく、宗教の扱いは日本の場合とほぼ同じ感じです。常識として
バイブルはある程度知っているけれど、信心深いのとは逆です。
なので日本人としてはヨーロッパ人のほうが宗教の点では安心できますが、
アジア人蔑視はヨーロッパのほうが根強いようで、その点はアメリカに譲ります。

アメリカはなんてったってとっても人種的には多様なのです。ヨーロッパは
なんだかんだといっても旧宗主国ですから、日本人にとって中国や他のアジア
の民族が下に感じられるのと同じような感じを、有色人種全体に持っているようです。

■ 無邪気な人道主義では許してもらえない日本

ちょっと中東問題から離れてしまいましたが・・・聞かれたくないですねぇ・・この問題への
意見・・・。

というのは、宗教と人種問題、政治、領土の問題が複雑に絡み合いすぎて、
日本人としては無知が露呈するからです(笑)

ともかく基本に戻って、非人道的なことは反対!となると、アラブ人勢力に組することになります。
じゃアメリカとの同盟関係はどうなるのだ、と突っ込まれます。

実は日系企業はビジネスで中東との関わりが結構あるのでその辺もなぜそうなのか
抑えておかないとさらに不勉強を露呈することになります・・・
えーんって感じですね。

海外へ行く、というのは常にこうした世界的にメジャーな話題について
意見を求められる、ということです。これはかなりのプレッシャーです。

どれだけの日本人が”世界の関心”に同じ程度の関心を払っているでしょうか?
この辺はメンタルにも鎖国状態が以前続くのが日本の現状ではないかと…

■ ユーロと紛争

ユーロができたことでヨーロッパは小さな地域紛争を乗り越えましたから、
そのような経済的互恵の仕組みがあれば、中東もひとつの地域として
紛争を乗り越えられるのかも知れません・・・ 

ヨーロッパが素晴らしいのはやはり何か新しい仕組みを作るとき
相当な先まで見ていることです。一方日本は他国と連携するという
ことは歴史的経験上皆無ですし、どちからというと”ほっといて~
うちはうちでちゃんとするから”という自国民の内部の利害調整で
いっぱいいっぱいです。 またそうした人たちがエリートとされてきた
歴史があります。エリートでさえ、短史眼なのは、要するに”現金”なためで、
そのときそのときの主君、権力に自分を合わせて生きていくべし、という
処世術はもう日本人のDNAに刻まれているかのごとくです。他に
行くところはないのですからそうせざるを得なかったのです。

こうなると精神的土壌としては、国際的リーダーシップとはまるで無縁ですから、日本という国ができることはやっぱり”困ったら言ってね”と財布の口をあけて
あげるくらいですよね…。

ということで起きていることはすべて正しいのでした… 



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