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UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十一話Part3

2025-01-20 19:20:38 | 日記
 鬼たちはアホみたいに強い。それを小頭も、そしておばあちゃんである育代も再確認した。いや、小頭は再確認だけど、おばあちゃんはそれを初めて目の当たりにした。
 
 そして冷や汗を流す。きっと危機感を持ったんだろう。だってさっきは鬼たちから小頭を守ろうとしてたわけだけど、育代の力は若返り……だ。その力は自身の中で完結してて、それを外に発露する……という事をしたことはない。それこそ、足軽がしてたような、対象を縛ったり、空を飛んだり……である。
 
 確かに育代には「超能力」がある。けど、その力の種類は千差万別。どう考えても育代は自分の力が戦闘向きじゃないとわかってる。つまりは……育代には小頭を守るような力があるわけじゃない。それが今の鬼たちの強さを見てわかってしまった。
 
 ごくり……おもわずそんな生唾を育代は飲み込んだ。そして心でおもった。
 
(なによあれえええええええええええええ!?)
 
 ――とね。なにせ村を包み込むように鎮座してた巨大な妖怪みたいなやつ……それを二人の鬼は一撃で倒したのだ。いや、二人で一撃ずつうったから、二撃なのか? とりあえず腹に大きな風穴をあけられたブヨブヨはそのまま形を保てなくなってドロドロになって周囲に拡散していった。
 
「あれで終わりなんだ……」
 
 ちょっと拍子抜けな小頭である。だってあれだけぶよぶよだったのだ。今までのサブカルの知識ではああいう敵には物理的な攻撃は通用しづらいもので、穴もすぐにふさがって――効いてない!? ――とかいう展開が来るものだと、小頭は思ってたんだ。けど……素直にどうやら倒されたみたいだ。楽ではある。でもなんか拍子抜けみたいな? 
 とりあえず鬼たちに続いて、小頭もチャリを村へと向ける。そして以前は村に入る前に自転車から降りてたけど、村の中心付近にそのまま乗り付けた。
 
「うっ……」
「おばあちゃん?」
「大丈夫よ小頭ちゃん」
 
 何やらこの地に降りた瞬間、育代がふらついた。なので心配する小頭。すると鼻をクンクンとする鬼男と、鼻をつまむようにしてる鬼女がこんな事をいってくる。
 
「ここは……」」
「にゅおうね」
 
 うん? 匂い? さっきのでっかい奴の匂いだろうか? と小頭は思った。けど小頭には何も匂わない。けど鬼たちは五感も普通の人間よりも優れてそうだ。そのせいかも? そんな風に思ってると、何やら二人ともいきなり背中を向けてくる。そして鬼男と鬼女で小頭と育代を包むように位置を変えた。
 
「え? なに? あっ」
 
 小頭の目にはあるものが映った。それは黒いこけしのような……以前村にきたときも出て来たあの黒いこけしのような影たちが再び現れてた。
 
 
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 160

2025-01-20 19:08:47 | 日記
『凄い! 凄いですよこれ! なるほど、これが生命の発想!? こんな組み方。なるほど……ここがこう……これは罠? ふふ、私には通じませんよ!」
 
 うるさい。まさかアイがここまで饒舌になるとは。私にはアイが何をいってるのかよくわかんない。実際システムに単独で潜ったら、何が何やら……だったからね。いや、表層……この船の普通のシステム部分は別にそこまで複雑じゃなかった。
 まあそれはそうだろう。だって表層のシステムはシンプルな方がきっといい。なにせこの船を運営するのに必要なシステムだからね。これが複雑なら、それこそ専門家……というか、それを作った一人にしたかメンテとかできないことになる。
 流石に毎回毎回、そんな……ね。個人だけがメンテできないとか共通型番的な規格ではありえないだろう。外側は実際、そこまで改造されてる訳じゃないし。
 付け加えられたのはどうやらあの目玉。あの目玉はどうやらここの主だったあの男が開発したみたいだ。私が一人で潜れるのは表層からちょっと行くのが限界だった。けどアイがいれば――もっといける……いや、深遠までいくのだ。そこにはきっと……
 
 ゴゴゴゴゴゴゴゴ――
 
「なんだ?」
「勇者様……」
 
 ミレナパウスさんが勇者の腕に手を添えた。ミレナパウスさんは自然と……というかきっと意識なんてせずにそんな事をやってる。今、全ての目玉は機能を停止してる。でも工場自体は動いてる。
 そんな中、私や輪っかが出て来た、場所から、何かが出てくる。それは金属質な新たなタワー。根元がまずは出てきて、それから更に一段回ほくなってる分が伸びて、それがガチャンと止まると、更に細い部分がまた伸びる。そんな感じで、最終的には先端が鋭利な感じになってる塔が出てくる。
 まるでタケノコみたいな? 竹にならずに、タケノコのままおおきくなった塔である。
 
「これは……」
 
 驚いてる二人。でも説明してる余裕はない。塔に光がはしる。地面についてる部分から、塔の表面へと昇る様に光が集っていく。そしてぱかっと鋭利な先端が開いた。
 そしてそれがクルクルと回りだすと、周囲の目玉たちが変な音を出し始める。頭が割れるような音。勇者とミレナパウスさんには悪いことをやってる。けどちょっと我慢。もう少しで、開くから。