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ある日、超能力に目覚めた件 466P

2024-06-09 20:03:07 | 日記
「やっぱり、あの時に捕えないといけなかった。ここまでの事件を起こすなんて……そんな事を君は望んでたのか?」
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅるぅぅさぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
 
 目から大粒の涙を垂れ流しながら、悪魔の様になってしまった彼女が迫る。そしてそれを迎え撃とうとする大男である桶狭間忠国。まさに正面からぶつかろうとしてる桶狭間忠国に草陰草案はいう。
 
「ダメです!! 彼女に触れたらおかしくな――」
「はあ!!」
 
 それは起こった。桶狭間忠国はその拳に力をためて、前に正拳突きを放った。それだけだったはずだ。いや、実際背後から見てた草陰草案や野々野小頭からは彼の体が一歩分、遠ざかったくらいにしか見えなかった。でも次の瞬間、まるで不発弾でも爆発したかのような激しい音と衝撃。
 
 ゴッ!! ――バッ!!
 
 と二段構えで走ったその音と衝撃に草陰草案も野々野小頭もひっくり返った。そしてそれば悪魔のような女性も同じだった。さらには一体何が起こったんだ? とネットの向こうの視聴者たちもわかってない。行き成り激しい音がしたと思ったら、カメラが再びひっくり返ったんだ。
 
「は?」
 
 そんな風に声を出すしかできなかった草陰草案。すると桶狭間忠国が後ろの彼女たちを見てさっきまでの厳しさを引っ込めて人のよさそうな顔でこういった。
 
「離れていてください。本気で行きます」
「あっはい」
 
 なんかもう、この人なら大丈夫なんじゃないか? と感じて思わずそんな言葉が出た草陰草案だ。本当なら大丈夫なはずはない。でもその筋肉は実際とても頼もしく見えた。
 
「行くよ小頭ちゃん。それに……」
 
 野々野小頭は同じ年代の女の子だから草陰草案だけでもどうにかできる。けど、泣き続けてる大人たちを移動するのは流石に……とか思ってると、彼らはいつの間にか泣き止んでた。
 
「皆さんどうやって……」
「さっきの衝撃で頭が晴れた」
「ああ、なんか異様に湧き上がってた悲しい気持ちが吹っ飛んでいったよ」
「ごめん、中学生の君だけにして……」
 
 そんな風に皆さんそれぞれが草陰草案に謝った。それを簡単に受け取って、草陰草案は急いで距離を置こうという。
 
「行きましょう。きっと私たちは邪魔になる」
「そうだな……てか野々野さんはいつの間に? いや、きっと心配させたんだよな。行こう。カメラは無事か馬脚?」
「ああ、まだ生きてる」
 
 大川左之助がそういって東海道馬脚はカメラを確認した。少なくとも3回はひっくり返ってたはずだが、どうやらあのカメラはかなり頑丈みたいだ。
 
「よし、皆離れるぞ! 野々野嬢は拙僧が抱えよう」
 
 そんな風に猩々坊主がいう。それに甘える草陰草案。彼は野々野小頭を背中におんぶした。そして皆で離れようとしたところで、アンゴラ氏だけが逆にいく。
 
「皆は離れていてくれ。俺は彼と共に戦う」
 
 そうアンゴラ氏は宣言した。


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