扉は作ったけど、私は気づいてリファーちゃんのエネルギー問題をどうにかしようと思った。この空間の座標化も同時並行で進めたいが、ちょっとそれはタンマ状態である。なぜかというと、やっぱり空間をどうにかするとなったらまずはリファーちゃんと相談したい。
彼女は感覚でしか時空間を使ってないが、でもその感覚が大切なことだってある。なにせ彼女はメタリファーだった。その本能は無視できるものじゃない。
「あれ? 待ってよ。ここのエネルギーの情報って……もしかして……」
私はピキーンと直感がその時働いた。どうにかしてこの空間……この場所の新たな元素……それをどうやってユグドラシルドライブに生み出せるようにするか? それをできるようにするためのたくさんの手順。それにデータの収集……それはとても膨大だった。私の目が滑る滑る。
実際元素……どんな世界にもある根底の力……それを生み出すとなると大変なのはわかる。だってだからこそ、G-01は世界を渡れるのだ。この機能がなかったら、世界を無差別にわたる……なんて出来ない。
危険すぎるし、いくら膨大なエネルギーを最初に蓄えてたとしても、いつか無くなるんじゃないか? という気持ちのまま旅はしたくないよね。でも、G-01はユグドラシルドライブで全ての元素に対応してる。だからこそ安心してどの世界にも行ける。どの世界に行っても大丈夫という安心感があるからだ。
(そこに新たな元素をぶち込む……それがどれだけ大変か……)
それを私は実感してた。でも私はある希望を思いついたのだ。それを確認する。それはソードコアであるもう一つのユグドラシルドライブ。そして自分の頭の中に残ってる彼の記憶。
「うん、うん、やっぱり。研究してないわけないよね」
私はソードコアとなったもう一つのユグドラシルドライブの情報と彼の記憶を照らし合わせる。そして見つけた。それは彼のこの空間……この場所の元素の研究記録だ。だって彼はここに長い事いたんだよ? ここが新たな元素によって成り立ってると気づかないわけはない。だって彼は私と違って天才なんだ。
それに世界にある元素に気づいて数を紐解いて今のように解明したのは彼の世界だ。きっと元素だって彼は私以上によく知ってるだろう。そんな彼が全く新しい元素を発見した……となったら研究者肌の彼はどうするか?
「研究しないわけないよね」
そういうことである。