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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十九話part3

2025-06-22 17:55:06 | 日記
「小頭! よかった無事だったのね」
「うん!」
 
 ようやくいいかな? というタイミングで小頭達はおばあちゃん達と合流した。おばあちゃんは優しく迎えてくれて、おじいちゃんは……
 
「なんじゃお前は!?」
 
 あれ? である。食卓を囲んでた時は、おじいちゃんはそんなことを言わなかった。いや、おじいちゃんだけじゃなく、お母さんもお父さんもだ。けど、どうやら今はおじいちゃんは鬼男を足軽……ではなく、鬼男として認識してるらしい。
 
 足軽と鬼男が入れ変わって、その結果として世界の認識そのものがそのまま鬼男には適応されてる筈なのに……おじいちゃんが鬼男を鬼男と認識した? どういうこと? と小頭は思った。
 
「くっ! 二人ともわしゃの背後へ行くんじゃ!!」
 
 おじいちゃんはそんな事をいって急いで台所から包丁を持って鬼男に向けた。実際鬼男は身長が2メートル越えてそうな巨体である。それに筋肉だってモリモリとある。そんな鬼男とまともにやりあうとなったら武器が必要だろう――と判断したおじいちゃんは何も間違ってないだろう。
 
「何をやっとるんじゃ!? 早くそいつから離れろ!!」
 
 焦ってるおじいちゃん。さて……どういったらいいのだろうか? と小頭もそしておばあちゃんも考える。
 
「おじいさん、落ち着いてください。その方は危険ではないですよ」
「何をいっちょる! ああああ、頭に角があるし、なんか黒いぞ!」
 
 困る小頭におばあちゃん。だって何もおじいちゃんの言ってる事は間違ってない。せめて角は隠しておくべきだったか……と小頭は思った。けど、まさかおじいちゃんが鬼男をそのまま認識するなんて誰も思ってなかっただろう。だからこれは誰も悪くない。予想外のさらに外の事が起きたのだ。
 
「ええとですね。……そうあれは仮想です。コスプレなんですよ」
「コスプ……なんじゃと?」
 
 おじいちゃんはおじいちゃんだから横文字に弱かった。おばあちゃんは丁寧にあれはつけ物だと諭す。けど……
 
「なんであんな奴が、こすぷれ? して家におるんじゃ!? どこから出てきた!?」
 
 まあそうなるよね。コスプレを受け入れたとしても、いきなり自分の家に見知らぬ存在がいたら警戒するなという方がおかしい。それにこんな田舎なら、大体は顔見知りである。なのに鬼男の事をおじいちゃんは全く持ってしらない。鬼男がもしも近所にいたら知らない訳はない……忘れる訳はない容姿なのに……だ。
 どこの誰だ? となるのは当たり前だ。
 
(ああもう、こうなったら全てを話す? いや、でもそれでも信じてもらえるかどうか……)
 
 全ての真実と実情を話す選択肢を小頭は考える。けど、それをしたとして……だ。簡単に信じてくれるだろうか? それにおじいちゃんなら大切な孫の足軽がこの世界にいない……となったら自分からあの門の向こうに飛び込んでいきそうである。
 そんなことになったらさらに厄介だ。どうしたらいいのかとても悩む小頭だった。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)祖にありける新の形 7

2025-06-22 17:46:49 | 日記
「位置はわかるのに……なんとも厄介な性質を持ってるわね」
 
 私はG-01の中でセンサー見ながらそういった。私は空中に飛んでそこから動いてない。けどかなりの範囲にレーダーを飛ばして、この森のかなりの部分を把握できるようにした。既にこの世界のサンクチュアリ。つまりはさっきのまん丸い生物の波長は記憶してる。
 ならばどれだけ小さく分裂したとしても、G-01のレーダーの範囲内にいれば、見失うって事はあり得ない。けど範囲外に出られると困る。というわけで私はせっせと新しい子機を追加してるのだ。はっきり言ってこの世界の生物であるあのまん丸い奴がどれだけ分裂してこの森に広がったとしても、既に十分な領域をカバーしてるとは思う。
 物理的な移動では既にG-01のレーダーの範囲から逃れるなんて時速を超えて音速を超えて移動しないと無理だろう。それだけの範囲を既にカバーしてるから不安に思う事はないと思うんだけど、相手はサンクチュアリだからね。何をこの世界がしかけて来るか……そこら辺がちょっと心配なだけだ。
 
 どうやらこの世界は別に何か切羽詰まった事態になってる……とかはなさそう。それなら私達は完全に外からやってきた侵略者的な位置になると思うんだ。勿論、私達はそんな野蛮的なやらないよ。別にこの世界を滅ぼしてやるぜ! ガハハハ!! ――とか思ってるわけじゃないし?
 そもそもそんな面倒なことをしたいとも私は思わない。
 
『勇者そのまままっすぐに進んでください。ミレナパウスさん北北西、300メートル先に。アイは……共有してるからわかるでしょ。上手くやってください。リファーはとにかく目についた個体を追いかけてください。空間移動はいくらでも無理ない範囲で使いなさい』
 
 私はそんな風に支持をだす。実際細かく支持を出すのは勇者とミレナパウスさんだけだ。アイは私とレーダーを共有してるから、別になにかいう必要ないし? てか私が言うとなんか反論してくるからね。私の指示はアイから見たら穴だらけみたいだ。そんなの仕方ないじゃん。私はそういうのよくわかんないんだよ。
 
 とりあえずG-01にレーダーで把握してるまん丸い奴らの位置を把握させてるから、あとは更にどう逃げるか予想をしてもらって、捕まえられそうな奴らを見繕ってもらってるのを伝えるっていうね。
 
「あれ? これ私何もやってないな」
 
 とんでもない事実に気づいてしまった。この中で一番の無能私かもしれない。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十九話Part2

2025-06-21 19:53:48 | 日記
「あの夢ってすごく願ってる事を叶えて……ううん、叶えてるように見せて捕えるものじゃないの? おばあちゃんもおじいちゃんも互いに互いと離れたくないとか思ってたのかな? それが叶ったはずだよね?」
 
 小頭は後ろの鬼男にそう尋ねる。叶ったのなら、それで満足できる筈である。そうして『この夢がいい』――と思わせて夢に捕える。そういうものだと小頭は理解してた。でもおじいちゃんもおばあちゃんも戻ってきた。
 
「あの二人は恐ろしいと思ってる事も、そして願いも一緒だったんだろう」
 
 端的に、鬼男はそういった。それはつまりはおじいちゃんもおばあちゃんも離れることが何よりも怖いと思ってることで、だから一緒にいる願いの夢を見てた。
 
「でも……二人は現実でも結ばれてるよ?」
「だから戻ってきた。満足する夢だったから、現実と同じだから、普通に満足して出てこれたんじゃないか」
 
 そんな事って……と小頭は言いたい気もするが……けど確かにそれしか考えられない。鬼男の願いとか夢とかはちょっとのぞき見した程度だからあんまり参考にはできないかもしれないが、小頭は自分自身で夢を見たんだからよくわかる。
 初恋での失恋……その失恋をひっくり返すような夢だった。それはそれは小頭にとってはつらい思い出……いや、思い出にも出来てないような出来事だ。だからこそダイレクトに心を直撃したといっていい。けど、初恋といってもそれは一つの恋。さっきのおじいちゃんとおばあちゃんの夢とか、それこそ鬼男の夢……それと比べたらなんか一つの恋って全然しょぼいな……とちょっと思う。
 もちろん小頭くらいの年代だと惚れた張れたは十分に大きな事だ。関係性が狭い学生の期間ではそれは大きな出来事として記憶に残るのは誰もがそうだろう。けどだ。けど、さっきの夢も鬼男の夢もなかなかに激しかった。叶わなかった後悔、もう取り戻せない時間……自身の生まれによる制約……そんなものを破ったりさ……なのに小頭は一つの恋。それも長年想ってた……とかじゃない。一目惚れである。
 
(私って浅いのかな?)
 
 そんな不安が胸に渦巻いてしまう。初恋で夢に引きこもるなんて……なんか浅くない? と小頭は思ってしまうんだ。だって鬼男はもうなんか取り返せない命とかありそうだったし? おじいちゃんとおばあちゃんは二人の未来を勝ち取ったようなものだ。
 なのに……である。なのに小頭は初恋って……初恋が叶ったから夢にいる? あっさ……である。
 
「どうした?」
 
 鬼男が両手で顔を覆ってる小頭に不思議そうにそう声をかけた。それに対して小頭は――「うっさいばか」――と理不尽な言葉を投げつけてた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)祖にありける新の形 6

2025-06-21 19:40:03 | 日記
「そっちに行きました!」
「ええーい!!」
 
 私達はサンクチュアリを追ってた。それは白くてもふもふで団子のように丸い……そんな生き物。それが森をポテポテといどうしてる。腕とか足は見えない。体全体でジャップして……それが地面に落ちるとポテっという音がする不思議な生き物だ。女子なら見た瞬間「カワイイイイ!!」 と言ってしまうような、そんな見た目の生物。
 
 あれに……そうあの全てにサンクチュアリが宿ってる。どういうことなのかというと、ときは少し遡る。
 
――――
 
 『あれ、ですね』
 
 私はG-01に光学迷彩をかけてそういった。他の皆は森だからいくらでも隠れられる。でも……G-01は大きいからね。そんな簡単に隠れる……ということはできない。だから自身で隠した……のです。そして私達の視線の先……そこには小さなまん丸いうさぎのような……けどちょっと違う生き物がいた。
 
 それは草をハムハムしてる。野生のはずなのに、何故か真っ白な毛を保ってるその存在。アイは何もいわなかったが、ミレナパウスさんとリファーちゃんは「かわかわ」となんとか音に出さずに何度もいってた。きっと我慢できなくなったんだろう。
 
「むぎゅー!」
 
 そんな事を言ってるかと思ったら、時空間を使って一瞬でリファーちゃんはその動物を抱きしめてた。なんという時空間の無駄遣い。まあけど確保できたのなら……と思ってたら、やっぱりサンクチュアリが宿ってる生命だ。そんな順調にいくわけない。
 
「ぷるるるる……」
 
 そんな音か聞こえた。何かはわからなかった。それはあの動物の鳴き声なのか……それともその行動がそんな音を出したのか……抱きしめられたその白い団子の様な生物は次の瞬間、手のひらサイズに分裂して森に散っていく。最初はバスケットボール大だった。けどそれが今やテニスボールくらいになった。
 
 そしてそれがたくさんに分かれて逃げていくのだ。
 
「あわ、あわわわ……」
 
 なんとかかき集めようとリファーちゃんはするけど……器用に奴らはその手から逃れていく。てかポヨンポヨンと移動してる割には素早い。ここから私達のあの変な生物との鬼ごっこが始まったのです。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十九話Part1

2025-06-18 22:47:34 | 日記
「ここは……」
「わしゃたちは……」
 
 テーブルに突っ伏してた小頭のおじいちゃんとおばあちゃん、その二人が意識を取り戻した。二人は同時に目を覚まして、そして同じように頭をふって、バチっと目が合った。すると、なんか初々しい感じで視線をそらした。
 
「フン!」
 
 そんな風に鼻を鳴らすのはおじいちゃんである。そしておばあちゃんはそんなおじいちゃんを見て、クスクスと呆れたように微笑んでる。そしてそんな二人を幾代は台所に入る所に立ってみてた。その後ろには鬼男もいる。
 鬼男はグスッ――と鼻を鳴らした小頭の頭に手を置いた。そして頭をグワングワンとしてくる。きっと頭をなでなでしようとしたんだろうという事は小頭にはちゃんとわかってる。わかってるけど、不満を表明する権利はあるはずだ。
 なので小頭は背後にいる鬼男の脛をゲシゲシとけってる。けど大木かこいつ? ってくらいに微動だにしない。
 
「よかった本当に……」
 
 小頭はふとそんな風につぶやく。おばあちゃんとおじいちゃんが戻ってくると、家……が戻ってきた。おじいちゃんとおばあちゃんの家……田舎の一軒家。どこまで戻ってきたのかはわからないが、少なくとも今二人がいる食卓と小頭達が立ってるところは戻ってる。濃い霧が出てきた時、全てをこの霧が飲み込んでいった。
 それですべてはこの霧に飲み込まれていったんだ。でも、今……ちゃんと私たちはこの家……に戻ってきた。え? 自分たちの夢から脱出した時に、既に戻ってたんじゃないのか? そんな声があるかもしれないが、二人はそうじゃなかった。小頭も鬼男も自身の夢からの脱出の後、ただ目を覚ました訳じゃない。
 
 他の夢に混線したのだ。鬼男が幾代の夢に行ったように、二人はおばあちゃんとおじいちゃんの夢へと行ってた。鬼男と小頭の時はそれこそ直接的な接触があったから、そんな混線が起きたのもおかしくなかった。
 でもおじいちゃんとおばあちゃんのどっちかに小頭か鬼男の肉体が触れてた……という事実はない。ならばどうやって小頭達はおばあちゃんたちの夢へと入ったのか。そこはやっぱり鬼男の鬼としての知識と力……それに頼ることになった。彼……がいたから二人は混線出来た。
 そして夢の中で色々と併走した。それが良かったのかどうかは正直よくわかんないというのか小頭の本音だ。思わず二人をくっつけた感じになったが……この夢はいつまでも夢の中にいたい……と思わせて夢に押しとどめようとするの事に、どうやって抗って夢から覚めるか……だったはずだ。でもおじいちゃんとおばあちゃんは上手くやれた。やってしまった。
 けど……二人は目を覚ましてる。
 
「えっと……二人の仲は上手くいったよね? なんで二人とも夢から覚めたの?」
 
 二人が目を覚ました事は嬉しい。辛い事なんてなくなった。ならば幸福な夢――を選択するのが人じゃないのか? けどおじいちゃんもおばあちゃんも戻ってきた。この現実に……それが小頭はわからない。