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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 251

2025-05-26 20:18:15 | 日記
 扉は作ったけど、私は気づいてリファーちゃんのエネルギー問題をどうにかしようと思った。この空間の座標化も同時並行で進めたいが、ちょっとそれはタンマ状態である。なぜかというと、やっぱり空間をどうにかするとなったらまずはリファーちゃんと相談したい。
 彼女は感覚でしか時空間を使ってないが、でもその感覚が大切なことだってある。なにせ彼女はメタリファーだった。その本能は無視できるものじゃない。
 
「あれ? 待ってよ。ここのエネルギーの情報って……もしかして……」
 
 私はピキーンと直感がその時働いた。どうにかしてこの空間……この場所の新たな元素……それをどうやってユグドラシルドライブに生み出せるようにするか? それをできるようにするためのたくさんの手順。それにデータの収集……それはとても膨大だった。私の目が滑る滑る。
 実際元素……どんな世界にもある根底の力……それを生み出すとなると大変なのはわかる。だってだからこそ、G-01は世界を渡れるのだ。この機能がなかったら、世界を無差別にわたる……なんて出来ない。
 危険すぎるし、いくら膨大なエネルギーを最初に蓄えてたとしても、いつか無くなるんじゃないか? という気持ちのまま旅はしたくないよね。でも、G-01はユグドラシルドライブで全ての元素に対応してる。だからこそ安心してどの世界にも行ける。どの世界に行っても大丈夫という安心感があるからだ。
 
(そこに新たな元素をぶち込む……それがどれだけ大変か……)
 
 それを私は実感してた。でも私はある希望を思いついたのだ。それを確認する。それはソードコアであるもう一つのユグドラシルドライブ。そして自分の頭の中に残ってる彼の記憶。
 
「うん、うん、やっぱり。研究してないわけないよね」
 
 私はソードコアとなったもう一つのユグドラシルドライブの情報と彼の記憶を照らし合わせる。そして見つけた。それは彼のこの空間……この場所の元素の研究記録だ。だって彼はここに長い事いたんだよ? ここが新たな元素によって成り立ってると気づかないわけはない。だって彼は私と違って天才なんだ。
 それに世界にある元素に気づいて数を紐解いて今のように解明したのは彼の世界だ。きっと元素だって彼は私以上によく知ってるだろう。そんな彼が全く新しい元素を発見した……となったら研究者肌の彼はどうするか? 
 
「研究しないわけないよね」
 
 そういうことである。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十六話part4

2025-05-25 19:52:48 | 日記
 城のような建物の地下。鍾乳洞の奥深く。不思議な乳緑色の泉の場所に儀式の祭壇が作られていた。泉の中央には祭服を着たミイラがいる。そんなミイラの前に板を組んで簡易的な祭壇が作られてる。そして泉を囲むように灯篭が建てられて、その間をローブで結ぶそのローブには白い紙がひし形をずらしたようなものが下げられてた。
 
 さらに泉の水には何か赤い液体? を流し込んでる。そのせいで泉の乳緑色の水が赤と混ざって紫をもっと毒々したような……そんな色になっていく。泉の周囲の一角には白い和服を着た小さな人たちが木製の楽器をもって何やら演奏してた。ミイラの前の壇上、そこに用意された長方形のテーブル。そこに白装束に身を包んだ幾代が目を閉じて規則的なリズムを刻む息をして大人しく寝てる。
 彼女の顔や首、見える手や足……その肌には何やら黒い墨汁か何かで何かの文字が書かれてる。まるでミミズが這うような文字。それはどうやら彼女の全身に書かれてるようだ。幾代の横には大きな亀のようなものがある。本物ではない。その亀の甲羅の隙間から何やらピンク色の煙が出てる。そてしそれはこの空間に広く漂ってる。
 
「それでは儀式を始めましょう」
 
 そんな風に花月様がいう。いつもよりも装飾過多な感じでアクセサリーをジャラジャラとつけてる花月様。そしてそんな花月様を見守るのはこの村の子供たちだ。
 
「花月様素敵です!」
「花月様ーー!」
「やっちゃってください!!」
「これで私達も解放されます!!」
 
 そんな事を叫んでる子供たちのテンションはなんかおかしい。今は夜中だ。普通ならもう寝てておかしくないし、自然に眠気が襲ってきてそうな小さな子だっている。でも、今は眠気なんて全くないように叫んでる。
 明らかにおかしい。でも花月様は満足そうだ。そして花月様は眠ってる幾代の前に立つ。そして何やらささやいてる。それは……呪文? まるで唄のようなそれをすらすらといつもよりも肌艶がウルウルとしてる花月様はすらすらと紡いでる。不思議な音楽と、花月様の綺麗な声の詠唱。そしてこの場の異様な雰囲気。
 それはこの空間を満たし、包み込む。そして不可思議な事が起き出す。
 
カタ……カカカカカカ、カタカタカタカタ――
 
 その音はなんなのか……それはこの泉に鎮座するミイラ。それから出てる。洞の様な二つの双眸……不思議な事にその洞に僅かな光が見えるようだった。そして、そのミイラの歯がカタカタカタカタ……と振動してるのが原因だった。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 250

2025-05-25 19:47:41 | 日記
 この空間の元素の力。エネルギーともいって良いが、それは今までG-01が……いやG-01を作った人たちが観測した今までの元素とはどうやら違う。きっとゼロからメタリファーが作った場所だから……だと思われる。
 新たな数値が観測されてるわけだけど、G-01のエネルギーがここで使えないか? というとそんな事はない。それにちゃんと馴染ませることもできてる。それはメタリファーが既存のどの世界とも隔たってる証明だ。
 
 だってどれかの世界で生まれた存在なら、どれかの世界の元素の力を持ってるはず。でもメタリファーはオリジナルだ。そしてそれを引き継いでるリファーちゃんも当然だけど、まったく新しい元素を持つ。
 
 はっきり言って、これも問題ではある。だって元素が違うと、別の世界に行ったら自身の元素と違ったら自分の生命力とか回復することがない。生きることはできる。でも回復はない。毎日生命は生きるためだけでもエネルギーは消費してる。それは常識だろう。
 だからこそ生命体は寝たりして回復に努める習性がある。でも……元素が違うと寝たとしても回復はしない。だって元の力が違うんだからね。
 
 それはつまりはミレナパウスさんの世界で勇者や魔王が回復出来なかったことと同様だ。でも勇者や魔王の元素の力はこれまで観測されてた中にある。つまりはたまたまミレナパウスさんの世界は魔王や勇者にとって元素の力が違ったわけだ。
 でも次の世界はそうじゃないかもしれない。その可能性は常にある。でも……だ。でも考えてみてほしい。リファーちゃんの元素の力はここにしかない。
 
「そう、ここにしかないんだよね」
 
 それってとても問題だ。だってどの世界に行ったとしても、リファーちゃんは確実にその内のエネルギーだけで稼働しないといけない。え? G-01があるじゃないか? って。それはそうだね。ミレナパウスさんの世界でも勇者や魔王にG-01が元素を変換して補給をしてた。それならばリファーちゃんにもそれで対応していけばいい……と思うだろう。
 私もそう思ってた。でも……だ。でも、考えてみてほしい。リファーちゃんの元素は全く新しい、いや新しいのかはしらないが、今しがた発見されたといっていい元素だ。つまりはそのデータは今から集めないといけない訳だ。
 そして元素は全ての源であるわけで……G-01のエンジンであるユグドラシルドライブも簡単に元素を変換してるわけじゃない。そうなのがわかった。
 
「簡単に変換できると思ったんだけどね」
 
 私は流れゆく文字を流し見つつそんな事を呟いた。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十六話Part3

2025-05-24 18:39:50 | 日記
「ミャ」
「ニャ」
 
 二匹の猫が暗闇の中、その瞳をランランと輝かせてその居場所を少年に定期的に教えて道を教えてくれる。そうそう、少年はすぐに懐中電灯を袋にしまった。電池を節約してるのもあるが、家から離れるにつれて何やら山が騒がしい……と気づいたからだ。山狩りでもしてるのか? と少年は思った。そしてそんな事をやってる大人たちは提灯をもって三人一組になって山を練り歩いてる。
 
 提灯はそんなに遠くを照らせない。二人が提灯を持ってるからそこそこ周囲を照らしてるだろうが、猫たちが少年をうまく誘導してくれてる。それに大人よりも小さな少年だ。森の中ならちょっと木の陰に隠れるとか、茂みに隠れるとかしたらいい。
 それだけで小さな少年は身を隠す事ができる。それに少年は結構細い。がっしりとはしてない。だから結構木々に隠れるのは得意だった。身軽でもある。ちょっと木の上に上がればそれだけで意識外になる。
 
 彼らは猫を追ってるはずだが……上はあんまり意識してない。猫を追ってるとどうしてわかったのかというと……
 
「はぁ、花月様もよくわかんないけぇ」
「うっしぇえぞ。花月様の言うことはぜってぇ!」
「はよう猫を見つけるぞ!」
 
 そんな会話をしてたからだ。どうやら山狩りをしてまで奴らはこの二匹をさがしてるらしい。
 
「何やったんだお主ら?」
 
 そんな少年の言葉に対して猫たちは短く鳴いてなんか抗議してきた。いや、言葉はわからない。けど少年はなんとなくそういう気がしただけ……というだけだ。森の中を進んで、森の谷間に隠れされるようにある村が見えてきた。
 その村は大きな城のような屋敷があって、それから伸びる外角部分が全ての村の建物を囲んでる様になってる。それができるものをこの村が小さいからだろう。でもそんな様相の村を見て少年は思った。
 
「まるで誰も逃さないようにしてるようやの」
 
 ……とね。でもまさしくそうだった。絆を強く、そして互いに監視し、誰も逃げ出さないように。村のものは全てが共犯者……それがこの村のカルト的なところだった。近づくな……と言われる所以。
 奴らの怪しげな実験の材料にされる……そんな風に言われてる。そこに今から行くんだ……と思うと自然と喉が乾く。けど……
 
「あいつが危ないんじゃな?」
 
 その言葉に二匹が強い視線を向けてくる。この二匹は最近幾代の傍にいた。だからきっとそういう事。ここまで来たら、もう引き返すなんて選択肢はなかった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 249

2025-05-24 18:33:10 | 日記
 聖杯の虚数エネルギーをもって、私は空間に干渉する。それによって作り出すは扉だ。けど、空間の扉は別に普通の扉のようにガチャっとドアノブがついてる……ようなものじゃない。いや、もしかしたらそういう風にできるのかもしれないけど……でもそんな機能はない。
 
 それに今は扉……になってるわけでもない。ただ空間に干渉してるだけ……というのが今は正しい。聖杯によって虚数エネルギーを空間に当てる。空間には許容量というものがある。でも空間とは面であり、その面は実は永遠に続いてる。
 空間には隔たりと言うのはない。いや、実はあるけど、その世界にあるかぎり、空間は一面でしかないから、世界の空間は大きな平面である……といえる……らしい。だから空間の全ての許容量というのは世界の受け入れられる全体の許容量ということになってしまう。
 それはとても大変だ。普通は世界が持ってる許容量を超えるなんて出来ない。
 
「まあそれができちゃうのがG-01ではあるよね」
 
 そう、G-01ならその世界空間の許容量を一体で超える事ができる。
 
「でもそんな事をする気はない。無駄だし」
 
 世界の許容量を超える事ができるからといって、それをするのはエネルギーの無駄である。しかもそんな事をしたら世界が崩壊するかもしれない。そのリスクがある。だって世界を支えてる空間に大きな負荷をかけてるんだからね。それをやって空間全体を崩壊させたらどうなるのか……もちろんそのさきは世界の崩壊である。
 だからそんな事はしない。なので先に虚数エネルギーで干渉する空間を指定するのが大切だ。一部の空間の許容量をこす……それが大切。一部ならそこまで大きな被害になることはない。
 
 それに一回でいきなり空間を突き破る……なんてしない。まずは反応を確かめる。空間から帰ってくる反応を確かめて、解析。それによって更に続けて虚数エネルギーをぶつける。その際、最初の反応をもって虚数エネルギーの数値もいじる。それを繰り返していくと、この空間に馴染むような虚数エネルギーになる。
 一部が私のエネルギーが馴染んだ虚数エネルギーに染まった空間になる。こうなるとその一部分が私の……G-01の干渉範囲になる。そう、これが空間に作る扉……である。