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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 239

2025-05-10 19:06:56 | 日記
 どうしたらいいのか? やっぱりタンクを作るか? それが一番安易な解決策だと思う。うまくこの場所を……そしてこの船を使えれば一番いいと思ってる。そのためにはリファーちゃんが時空間をいろんな世界へとつなげれるようになってくれないといけない。今まではランダム? なのかどうかはわかんないが、適当に世界を私たちはわたってた。少なくとも、私たちが次の世界を決めたことはない。
 でも……本当に今までの世界の渡りがランダムだったのかはわからない。このG-01に隠された誰かの意思……それが次の世界を決めてたとしてもおかしくない。だってG-01でわからない事は沢山ある。でもここからは……自分たちの意思で世界を渡っていきたいよね。G-01を作った人たちがひそかに介入してるのなら、もしかしたら何も考えずにそれに従ってた方がいいのかもしれない。
 だってもしもそうなら……超化学を持った人たちが示してるってことだ。私ではみえてないゴールがあるのかもしれない。けどそれなら警告とかしてくれそうな気がするんだよね。今の所、そんなのはない。だから自分を信じるしかないよね。
 そもそも次の世界がランダムって結構リスク高いしさ。事前にどんな世界に行けるのかわかるのなら、とてもいいじゃないか。自分たちの選択の結果なら、どんなことになっても納得できるだろう。そうかな? そう思いたい。
 
「ユグドラシルドライブには底がない。けどやっぱりタンクには底があるんだよね」
 
 そこが問題だ。いくつかユグドラシルドライブのエネルギーをためられる装置は見つけた。容量によって必要なエネルギーが違う。当然、沢山貯められるものの方が沢山のエネルギーが必要だ。でも……
 
「どれだけあれば十分かわかんないよ」
 
 それである。どのくらい貯めてたらどのくらい持つのか……それを示してくれないとさ……そもそも単位からよくわかんないし……日数で示してほしい。この今私が世話しないといけないものすべてを総括して、この装置なら一週間……とかこの装置なら一か月とかさ……そういう風にしてほしいよね。
 そう思ってると――
 
「おっ、出てきた」
 
 ――G-01が私の不満を聞いてくれたらしい。アイがG-01の中から出ていってるからAIはないはずだけど、G-01のシステム? が私を見てるのだ。そして私によりそってくれてる。だからこういう事をしてくれる。
 でも会話とかをしてくれるわけじゃない。そういうのではないみたいだ。さみしいね。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 238

2025-05-08 10:57:19 | 日記
 とんでもない事実を発見してしまった。これはすぐにでも解決しないといけない事だ。
 
「全くとんでもない課題を残してくれたわねあいつ」
 
 あいつというのはこの本船の主だった彼だ。もうこの世にいない彼。色々ととんでもないものを残してくれた彼。それは良いものも悪いものもあっただろう。でも……とんでもない物を忘れてたという事に気づいた。
 いや、今はまだそれが表面化することはない。なぜかというと、それは私……厳密に言うとG-01がこの船にあるからだ。
 
「でも考えてみたらそうだよね。だって、この船のユグドラシルドライブはG-01にソードコアとして組み込まれたんだ」
 
 実際、それでG-01の見た目が変わったか? というと全くそんな事はない。普通はエンジンが二つになったら、その分大きく成ったりするものじゃないだろうか? でも変化としては数キロくらい重くなったくらいだ。見た目に変化はなく……ね。
 数キロならそこそこ? いやいや……人間なんかよりもずっと大きなG-01を動かすためのエネルギー源がユグドラシルドライブだ。G-01は飛行機よりも小さいが、飛行機や車のエンジンみたいにごついのを想像してしまうのはしょうがなくない? だってG-01はロボットなのだ。
 人型決戦兵器……なのかは知らないが……人が乗れて、操れる人型のロボットだ。そんなロボットのエンジンとなれば……数キロで済むものだろうか? モーターじゃないんだよ? まあ実際私もユグドラシルドライブを直接見たことなんてない。そもそもがG-01を創った人たちはもうその技術がカンストというか、そんな所まで行っちゃってるような人達である。
 私が想像できるようなそんな代物ではないんだろう。そもそもがG-01のどこが弱点で、 どこにユグドラシルドライブがあるのかなんて知らないし? なんとなくここかな~というのはある。でも確証はない。
 ユグドラシルドライブというのはそんな謎な機械だ。
 
「そんなユグドラシルドライブは今やG-01の中にあるはず。だから……今は良い。G-01がある今は……でも、ひとたびここからG-01が離れちゃったら……ユグドラシルドライブで維持してる機能はすぐに停止することになる。そうなると……」
 
 色々とこの船で維持してる色んな場所……この船には世界が三つある。それを維持してるのも、ユグドラシルドライブだった。それがなくなると……もちろん世界は維持できない。つまりは世界の終わり。
 そんなことできないよ。だから私が今困ってる事というのは、その解決策だ。どうしたらいいのかを私はG-01に残された色んな資料とかを読み漁って考えてる。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十五話part1

2025-05-07 23:51:42 | 日記
 いつからか、カンカンカンカンカンカン――そんな音が聞こえなくなってた。
 
「何だったんだろう?」
「なにか言いましたか?」
「いえ……」
「さあ、今日もこれを」
 
 鍾乳洞の奥。あの牢屋の奥の分岐の一つには行き止まりに祠があった。何が祀られてるのかなんてわからない。鍾乳洞の壁をくりぬいたのか、元々のそのスペースにすっぽりと納まる様に祠を創ったのかはわからない。けどその祠の扉をあけて、花月様はいつもの瓶を取り出した。
 いつもの怪しい薬。その小瓶を取り出して育代にそれを差し出してくる。
 
「……はい」
 
 育代の目は震えてた。でも……悟られないためにも、育代はその瓶を受け取った。あの雨に高熱を出してから、育代の意識はちゃんともどってきてる。それを悟られないように、育代はこの村ではふるまってた。それは上手くいってるようだった。
 でも……またこれを飲んだら……そう思うと怖い。けどここで飲まないという選択肢をとることもできない。
 
(飲んだら吐き出す? だめ……絶対に折檻されるし、もう一つあるかも……)
 
 虚ろ顔を作って、なんの感情もないようにして飲むしかない。花月様は目の前で育代を見てる。逃れる術はない。だから覚悟を決めて育代は飲むしかなかった。瓶の蓋は花月様によってあけられてる。たった五センチ程度の小さな瓶だ。その中に入ってる紫の液体はその半分くらい。
 いくら育代が小学生だといっても、一口で飲み干せる量。だから誤魔化しなんてできない。育代は目を閉じた。そして瓶を唇に当てて、一気に煽る。
 
 その時だ。
 
 ガッ――カンカン……
 
 いつの間にか育代の手から瓶が落ちてた。地面に落ちた瓶。割れてはなかった。けど中身はその時の衝撃で出てしまったみたいだ。地面に転がった瓶には数ミリの液体しか残ってない。それを花月様が拾った。
 
「あ……えっと……ごめんなさい」
 
 とりあえず謝る育代。怒られると思った。でも……花月様は育代を怒る事はしなかった。
 
「あれが犯人です。全くどこから忍び込んだのか……」
 
 その言葉の先、花月様の視線の先を育代もみる。するとそこには闇に溶け込むような黒猫がいた。
 
「ニャー」
 
 そんな事を唸って、黒猫は逃げていった。
 
「全く、いたずら猫ですね。仕方ありません。今日は帰りなさい」
「……はい」
 
 どうやら液体は他にないらしい。もう一度祠から小瓶が取り出されることはなかった。助かった――と育代は思った。そして……
 
(ありがとう猫さん)
 
 ――と感謝を伝えた。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十四話part6

2025-05-07 08:40:11 | 日記
「おっはよー!」
 
 そんな声が朝の下駄箱前に響き渡る。登校してきた生徒たちによってあふれかえってる中、ひときわ大きくそういったのは彼だ。そしてその相手は……育代だ。
 
 大きな声に思わず彼の方を見た育代。けど、別に何か返すことはなく赤い上履きをしっかりと履いて静かに歩き出す。そんな育代の背中を彼は満足げに見つめてる。
 
「よう!」
 
 そんな風にまた別の日にあいさつされた。育代は困惑してる。実際なんでそんな事をやってくるのか……それがわかんないからだ。だって別に関係が改善された……わけじゃない。学校では相変わらずに育代は彼の事を無視してる。けどそれでも……彼は毎朝挨拶してくるし、なんか話しかけてくる頻度もあがってる。でもそれに一切反応はしてない。
 それでこの間……あの雨の日までは彼自身も距離をとってる感じだった。なのにあの日から彼は育代がいくら無視しても気にしてないようだ。そんな頻繁ではない。でも、一日の内にちょっと目があったり、出会いがしらとかに「よっ」――とかしてくる程度だ。別に会話になることはない。
 育代が話す気はないからだ。でも……彼はそれでもいいらしい。前は育代が何も返さないことにイライラとしてた。だからこそ、むこうもイライラとするのが嫌だから話しかけてくることもなくなったんだと思ってた。
 でも……どうやらもう彼は育代が何も返さなくても、無視しても、イライラとすることはなくなったらしい。それがどうしてか育代にはわからない。嫌な態度をとってるとはわかってるからだ。
 
「はぁー」
 
 帰る時、そんな深いため息が出た。あの村の子供たちで固まって校門で待ってると、大きな車、ワゴンというのかそれがやってきた。そして子供たちが乗っていく。そして最後に育代も乗って車は発車した。
 
 村に着くと「育代」と声を掛けられる。それは花月様だった。いつも豪奢な和服に身を包んでる花月様。その周りにいる供回りたちが長い花月様の服の端を持ってた。
 
「はい……」
 
 育代は花月様に近寄る。そしてそんな育代を微笑んだ顔で見つめる花月様。彼女の背を押して花月様と育代は村の奥へといく。そんな光景を他の子供たちが恨めし気に見てた。
 育代は決して喜んでたりしてない。寧ろかすかに震えてる。けど、この村では花月様に関心を寄せられることがとっても羨ましい事なんだろう。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 237

2025-05-07 08:33:13 | 日記
「いっくよーお姉ちゃん!」
 
 そういってリファーちゃんが一瞬できえました。どこに? 背後? 私はとりあえず自分の周囲を防壁で守ります。一瞬ではがれる程の薄い膜の防壁。でも大体突っ込んでくる彼女には効果的です。
 なにせ触れた相手をしびれさせる効果があるからです。リファーちゃんは時空間を使って、様々な動きをしてきます。だからこそとらえることが難しい。小さいから的も小さいし、動きだって素早いからです。私と違って運動神経もいいみたいです。
 
 どこからくるかわからないリファーちゃんを警戒しつつ、更に魔法の準備をします。それに体だってどうにでも動くように準備はしてます。ストレッチもばっちりです。確かに私は運動音痴。でも、だからって今までは改善してませんでしたけど、今は一生懸命やってます。こうやってリファーちゃんと戦うだけじゃなく、アイ様……はあんまり相手してくれないですけど、勇者様に武術を教わり、そして目玉の皆さんにも相手をしてもらってます。
 
 なのでかなり私の動きはよくなってます。それに……私には裏技もあります。
 
(きっと反応できます)
 
 私はそんな風に緊張してました。どこからきてもいいように私は視界を広くとってる。けどその時、ムズッとした。何がムズッとしたのかというと、それは体内。胸の所が何だかムズッとしました。その時です、私の胸元から白い腕が出てきました。
 
「なっ!?」
「あは、じゃじゃーん! びっくりした?」
 
 腕に続いて肩、頭と出て来たのはリファーちゃんです。まさか時空間で体のある所に出るなんて……そんなのアリですか? 私の体は大丈夫なのか? 別に痛くないですけど……でもその気になればこれってリファーちゃんの気分次第で相手を時空間の彼方に簡単に飛ばすことができるのでは? 今はリファーちゃんが時空間から出て来てます。でもこれを反転させたら? 私をこの時空間の狭間に吸い込ませることができるのではないでしょうか? それにこの時空間の狭間は私の体内に発生してます。そこからきっと広げて私の体内には影響ないようにしてるようだけど、その配慮がなかったら、そもそも体内から肉体を引きちぎって現れる……という猟奇的な事ができます。
 考えたくもないけど……体の内から攻撃されたら防ぎようなんて……ない。
 
「そこまで!」
 
 そんな声が響く。私の体から、自身の体の半身を出した状態で笑ってるリファーちゃん。それをみて、勇者様が勝敗を決めて止めてくれました。今回は……と思ったんですけど、ダメでした。残念です。