今回発売されたSKorganはハモンドオルガンの歴史の1ページを飾るとおもいます
1934年に発明されたハモンドオルガンはパイプオルガンの代用品として販売されました
ハモンドオルガンで最初にポピュラーオルガンを弾いたのは当時のシアターオルガンの第1人者だったジェシー・クロフォードで、これ以後トーキー映画発明で仕事の無くなったシアターオルガン奏者が続々とハモンドに転向しています。
ジェシー・クロフォードの音源です。50年に発売された安価なコードオルガンで演奏していますがシアターオルガンの雰囲気があります。
http://www.youtube.com/watch?v=-xIeUkJfRvM&feature=channel_video_title
Milt Herthは発売間もない1935年にはインディアナ州のラジオ曲でハモンドを演奏し宣伝に一役買っています。ミルト・ハースの音源です。
http://www.youtube.com/watch?v=RnyHlS3AHcc
シャンペーンミュージックの第1人者ローレンス・ウエルクのオーケストラで活躍していたジェリー・バーグ(世界最初のシンセサイザーハモンドノヴァコードの使い手としても有名)の音源です。上記のコードオルガンとB-3の演奏です
http://www.youtube.com/watch?v=nE6ay6u96n4&playnext=1&list=PL2189AAC26D130C4D
以上のプレーヤーはシアターオルガンをハモンドに置き換えたような演奏だったので一般大衆にはそれほど受け入れなかったようです。
広く全米にハモンドオルガンが広まったのは1940年にデビューしたエセル・スミスがそれまでのプレーヤーと違うハモンドオルガンによるポピュラー奏法を確立したしたからです。ハモンドポップスの寵児となったエセル・スミスはその後ハリウッドにも進出します。その頃の動画です
http://www.youtube.com/watch?v=7hkJr3bOFOE&feature=related
1955年のB-3の発売記念コンサートでもエセル・スミスが主要な全米の都市で演奏しています。
(SKの展示演奏説明会は7月10日(日)10:00am~12:00pmでYS http://www.ys-co.org/ で行い演奏は河合代介がします)
余談ですがこのエセルスミスのコンサートではB-3に専用のハモンドトーンキャビネット2台とレスリースピーカー2台を繋いで演奏しています。さぞいい音がしたことでしょう!1978年のB-3000の発表でもエセル・スミスが演奏しています。
以後アメリカのポピュラーオルガンはエセル・スミスが確立した奏法が主要な流れになり他のメーカーもこれに習っています。
明日はジャズオルガンの歴史について書きます