社会保険労務士日記

ほんとうのさいわいってなんだろう?
「社会保険労務士」の存在意義を探し求めて彷徨う日々

組合専従者の労働保険

2005-05-25 21:30:44 | 徒然
執行委員の一部を新たに組合専従者とすることになった
企業内組合より専従者の労働保険についての相談

雇用保険の事業主負担分は労働組合法7条3号の要請からすれば
組合負担とするのが通常であり多くの協約もそうなっていますが
念のため労働局雇用保険課に問い合わせました。

雇用保険課では最初、雇用関係が事業主との間で存続しているのであれば
事業主が負担すべし、組合負担では雇用関係継続が疑われるとの見解でした。
労働組合法からすれば組合負担が当然なのではと尋ねたところ
見解をまとめるということで一度電話を切られました。

数時間して電話がありました。
原則として労働組合が雇用保険の適用事業所となるべしとのことです。
その上で従業員としての被保険者資格を喪失、
同日に労働組合専従者として被保険者資格を取得する(同日得喪する)

この場合、万が一専従期間中に退職となった場合でも
被保険者期間は通算されますし雇用保険上は不利益はありません。
雇用保険課の見解では従業員としての被保険者資格のままですと
専従期間中給与が支払われていないことになるので
賃金日額の算出では不利益が生ずる可能性があるのではとのこと
(この部分は申立てにより何とかなるのではと思います)
労働組合が適用事業所となっている例は「ある」とのことですが
「あまりない」というニュアンスの答え。

労災保険の場合、労働組合の専従は
会社の業務との関係では業務起因性、業務従属性とも無くなりますから
会社の労災適用労働者からは外れることになります。
特別加入の中に組合常勤役員の項目を見つけたため
私の関係する労働保険事務組合にも問い合わせをかけましたが
前例がないので調べさせて欲しいとこちらも一旦電話を切られました。

雇用保健課の言うように労働組合として適用事業所の登録をするのであれば
労災も下記のような特別加入ではなく通常の適用を受けるのではと考え
今度は同じ労働局の労災補償課に問い合わせをかけました。

労災補償課の見解は、労働組合を適用事業所とした場合、
労働者として労災の適用を受けるのは
原則として労働組合内の事務を担当する職員等であり、
委員長、書記長などの役員は会社での取締役に当たるため
あくまでも特別加入の対象であるとのこと。

特別加入は通常の労働者がいなければ加入できませんから
組合専従者が労災の適用を受けるためには
事務処理のため週2日来ているという
パートタイマーをきちんと労災適用労働者として
労災保険料を申告することが条件となります。
しかしこの見解では役員は労働組合内では労働者性が無いことになり
雇用保険課のいう雇用保険被保険者としての立場と矛盾します。

今度は事務組合から回答の電話がありました
こちらは労働局の事務組合課に問い合わせたが返事が来ない
取り扱いについては明日以降の回答とさせて欲しいとのこと。

とりあえず今現在の情報だけでの結論

組合専従者は在籍出向とする。
在籍出向ですから専従役員と会社との雇用関係はそのまま。

雇用保険の事業主負担分を組合が支払うものとして
専従期間中の賃金と共に会社が組合に請求。
組合は請求された額を会社に支払う形で精算。
これを協約として締結し労働組合法の制約をクリアする。

組合専従期間中は会社の労災適用から外す。
(会社の保険料負担無し)
これも在籍出向と同じ考えですが
出向先の組合では労災の適用が受けられないため
専従期間中の業務上災害は民間保険等でカバーする。

こんなところでしょうか


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