旅先で出会う味の中には、生涯忘れる事の出来ないものが有ります。
絶品!信じられない美味しさ!これを食べる為だけに旅する価値のある味!
そういう思い出だけが素晴らしい訳ではないと私は常々思います。
このような食べものが有るなんて!これを好きな人が居るなんて!
私としては絶対、もう二度と食べたくないゾ!。。。。。
これは食文化の違いですね。己の味覚を恨んで食を憎まずです。
むしろこういう意味での衝撃の味の方が、後になれば思い出深かったりするものです。
それら全てを含めて、旅で出会う味は素晴らしいと思うのです。
その『忘れられぬ味』に出会うことが出来ました。幸い今回は前者。
キーライムパイです。
私はスウィーツ好きというわけでも無く、ましてやキーライムパイ通では有りませんが、
”もう私に食べ物を見せないで!”と叫びたくなる程のディナーのおもてなしを受けた後、
例えばこういうヤツとか。。。。。
このキーライムパイを食べさせずして帰すわけにはいかぬと、
問答無用で連れて行かれたバーでの出会いです。
日本でキーライムパイというのが一般的なのかどうかは知らないのですが、
見た目はどこにでもあるキーライムパイです。
グラハムクラッカーを砕いたものをバターで固めた台に、
キーライムのクリームとメレンゲが2層になっていて、
ミントの香りがスパイシーなバランスを取っています。
食べ物を見たくもなかったはずの私が、この大きなパイを平らげてしまいました。
本当に本当に、言葉にできない程バランスの良い仕上がりでした。
ヨーロッパ各国ののお家芸である芸術的なスウィーツとは異なりますが、
私にとっては、人生最高のスウィーツのひとつだと断言させて下さい。
このキーライムパイを思う時、私はすぐにでも飛行機に飛び乗りたくなる事でしょう。
旅先では強い好奇心と強靭な胃袋が最も頼りになるパートナーだと再認識いたしました。
ごちそうさま