カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

五目炒り豆腐

2011年11月29日 | Food

サザンカリフォルニアに暮らして13年程になります。

この間のお豆腐の普及率の伸びは目覚ましいものがございます。

LA界隈は、あらゆる民族が暮らす土地柄ゆえ、

世界各国の食材の確保は困難とは申しませんが、

専門のマーケットに足を運ばなくてはならない食材もございます。

13年前は、まだお豆腐もそのような食材に分類されておりました。

お豆腐を購入出来たのは、アジア系マーケットかオーガニック食材や、

ベジタリアン御用達のマーケットなどに限られておりました。

お味も少し解釈が違っていて、冷や奴でお豆腐の風味を味わう気持ちにはなれませんでした。

ところが今やどこでも手に入ります。お味もそこそこ美味しくなりましたよ。

お豆腐だけでなく、調味料や乾物なども普通に手に入るようになり、有り難い限りです。

こちらの方々が、家庭でお豆腐を召し上がる場合、

お肉の代用としてお野菜とともに炒め合わせることが多いようで、それもまた美味。

お友達のお宅で、思いがけないお豆腐の調理法と出会うのも楽しいものです。

 

さて、本日は我が家の定番中の定番のお豆腐料理、五目炒り豆腐をご紹介。

こちらも愛読書である池波先生の鬼平犯科帳からヒントを得た一品です。

にんじん、インゲン、干し椎茸、油揚げを濃いめの甘辛味で煮付けます。

煮汁が僅かになり、野菜に味が入りましたら、乾燥わかめを加えます。これで五品目。

ワカメの代わりに切り昆布でも、ひじきでも結構です。

ワカメが若干戻り加減になるまで加熱を続けますが、海藻の歯ごたえは残しておきます。

煮汁は完全に炒り付けず、鍋を傾げてこの程度は残します。

この五目煮は、大変便利。少し多めに作って翌日の御飯には別のメニューで再登場。

茶飯を炊いて、炊きあがりに具を乗せ蒸らしますと五目混ぜ御飯に、

具材をもう少し小さく刻んで、卵焼きに加えますと五目卵焼きになります。

その他の材料は、、ペーパーで20分ほど水切りをした木綿豆腐

刻んだ青ネギです。

ノンスティック加工のフライパンにお酒を少量加えて中火にかけます。

フライパンが暖まって参りましたら、お豆腐を切らずにそのまま入れます。

お豆腐には、可能な限り金物を当てない方がよろしいかと思います。


木べらを使って切るようにほぐします。手で荒くほぐしながら入れる方法も有ります。

包丁で切ったきれいな断面よりも、手や木べらでほぐした方が味馴染みも断然よろしいです。

お豆腐が暖まり始めましたら、具材を煮汁ごと加えます。

フライパンをあおって混ぜておりますと、煮汁がお豆腐に絡んでいきます。

食材のすべてが充分に暖まりましたら、火を強めて卵を流し込みます。

この時、フライパンの温度が低いと、卵の生臭さが出てしまいます。

卵を流し込んだあと、焦って混ぜないでおくんなまし。

具材に濁った卵液をまぶしつけた様なのは、美味しくございません。

お豆腐をかき分けて、直にフライパンの熱に当て、半熟状態になってから軽く混ぜます。

仕上げに青ネギといりごまを一混ぜして出来上がり。

ごま油で仕上げても良いのですが、今回は極限まであっさりと。

お豆腐を水切りしてあることで、不要な水分は出ず、

具材の煮汁を即座に吸収し、短時間でふっくらと、味も染み込んでおります。

 

具材を煮るところからのスタートですので、シンプルながら多少時間のかかるお料理ですが、

植物性タンパク質、ビタミン、カロチン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく含んだ、

家庭でしか頂くことの出来ない滋味溢れる一品かと思います。

 

では


 



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