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カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

ミニチュア

2011年02月04日 | Ceramics

”作品は手を離れてしまえば私には何もしてあげる事が出来ません。

そうなった時に作品が独り立ち出来るように丁寧に作ってやりたいんです。”

ミニチュア家具の作家の方がそんな事を言っておられた。

こういう気持ちで物作りをされていらっしゃる方が居る事を知るのは嬉しい。

静かに納得するし、私も私なりに・・・と思える。


自分の体の一部でありながら、中々思うようにコントロール出来ない手。

そのトレーニングと様々なデザインを素早く創り出す訓練の目的で作り続けている物。。。

 


 

ミニチュアの花器たち~


手のひらサイズ。私は全部ロクロで挽く。

スピードと力の抜き具合、道具選びが出来を作用するのよね。

小さいから簡単だと思われる方がほとんどで、

時々、『小さい物は手がかかりますから大変でしょう?』

などと声をかけていただくと、嬉しくなってしまう。

大きなものを作る時と違って、勢いとかダイナミックさは無いけれど、

気がつけば息を止めたままという事も多い繊細な作業です。

大きな作品では試しきれない込み入ったデザインの試作や、

釉薬の具合を見る為に使う事も有る。

私のミニチュアは、全部ちゃんと使えるよ。

王様と散歩の途中で摘んだ草花や、庭のハーブを飾ったりするの。

仕上げた作品にサインを入れる時、

肩の力がスーッと抜けて、ホッとする瞬間です。


心の中の風景

2011年01月24日 | Ceramics

小さなご縁が有って、思いがけず私のふるさとの風景の写真を見せていただいた。

観光地と呼ばれる街だから、探せばいくらでも写真はある。

絵はがきも、時にはテレビで見る事も出来るよ。

でもね、違うんだ。

その土地で暮らし,その土地を愛している人にしか撮れない景色が有るんだよ。

それを見せていただいた。

山々は雪に白く煙って、張りつめた空気とか、雪の降る音(有るんだよ)が聞こえた。

懐かしくて嬉しくて、その気持ちを器に残したくなった。

 

ロクロで厚めに挽いた生地を削る、削る、削る・・・・・

 

ひたすら削る。どんどん削る。

 

器の縁に、山の稜線が見えて来る。

険しかったり、なだらかだったり。何処までも続いている。

私の心の中にある山々が器に現れて来る。

いとうれし


私は未熟者だから、釉薬を掛けて焼きを入れると、

見るも無惨な姿になる事も多々あり。

だからこれは、そうなる前の記念、記念。


私の愛するふるさとに住む、未だ見ぬ心優しい女性に、

心から、有り難う。。。。

 


負け犬の遠吠え

2011年01月18日 | Ceramics

今は故人となられた超一流の芸術家の作品を拝見する機会がある。

花を極めた作者による花器や、食を極めた作者の生み出す器は美しい。

器そのものが輝きを放ち、匂い立つ。

ひたすらに美しい。

息をのむ程美しいが・・・・

その完成度の高さ故に、背後に人を拒む厳しさを見る事が有る。

時にそれらは最高の素材を要求し、

使い手の技量を無言で容赦なく推し量り、拒絶する。


私は・・・・


日々の暮らしの中で花を知り、食を知り、

例えば夕方駆け込んだ、閉店間際のデリで求めたお惣菜や、夕べの残り物。

風雨に打たれて折れてしまった庭の片隅の草花。

そんな忘れ去られそうな命に、

もう一度小さな輝きを与えられるような、

静かな器を作りたいと願っている。

 

 


命を育てる器

2011年01月12日 | Ceramics

 

マーケットで買って来たヒアシンスの鉢植え。

ピンクとパープル、春の花。

まだ堅いつぼみだったのに、

暖かい部屋の中で、窓からの日差しを受けながら、

あっという間にこんなに開いたよ。

夕べから、とても良い香りも漂い始めたね

 

 

花器も良いけれど、植木鉢を作るのが好き。

命を育てる器だからかな。

花器よりも少し長く眺めていてもらえる気がするし。

 

 

 

 

今年もいろいろ作る事にしよう


Very Slow

2011年01月11日 | Ceramics

やっとエンジンがかかった・・・・・・ような気もする。


制作途中で放り出されたままだった君たちも、

頼もしい相棒の君たちも、今年もどうぞよろしくネ。

 

 

 

 

 

2011年もスローで行こう