松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆若者たちの「つながること」の意味(三浦半島)

2019-08-12 | 1.研究活動

 お盆休みは、自分の仕事を考える良い機会である。

 考える切っ掛けは、なぜ関係人口という考え方が生まれてきたのかである。地域と強い関係性を持つ人たちが生まれてきているが、なぜなのかという問題意識でもある。

 学生たちと付き合っていて、どうしても敵わないものがあるが、そのひとつが「豊かさの基準の多様性」である。

 私たちの世代は、所有、出世などと言った物質的豊かさが、社会的価値だと教えられ、実際、その流れの中でおとなになってきた。

 私自身は、人生の節目の選択で、それに抗う選択をしてきたこともある(大学は偏差値では選ばなかった。大きな会社に入ろうなどと考えなかった。無職の体験もある)が、全体としてみると、物質的豊かさという大きな流れのなかで、人生の岐路を選択してきたと思う。

 それに対して、今の若者がすごいのが、物質的な豊かさとは、別の基準で、行動する人達が(昔もいたが、今はたくさん)いることである。

 そのひとつが、「関係性」=「ひとのつながり」に価値を感じて、そこで、サロンをやったり、ファームを開いたりする若者である。

 私たちの世代では、物質的豊かさから外れた若者は、「社会変革」や「他者のため」という、明確な社会性を示して行動したが、そうではなく、もっとゆるい「関係性」という動機で、自分の人生をかけられる若者達がいるということである。

 私の世代になれば、物質的豊かさからは、縁遠くなるが、それを20代で、実践できるという凄さを目の当たりにするときが、今の若者には、敵わないとは、思うときである。

 若者のこうしたナィーブさだけでは、その目的を実現できないから、それを後押しする仕組みを提案し、制度化していくのが、私の仕事ということである。

 改めて、関係人口という考え方の深さを感じている。

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