松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆初めての条例づくり1(三浦半島)

2019-12-25 | はじめての条例づくり
 ある自治体から相談を受けて、条例のつくり方を話している。

 まったく初めてで、どこから手を付けたらいいのか分からないという。教え始めて、「え、そこから」という体験をした。おそらく、これは特殊な事例ではなく、一般的なことではないかいと思う。それをまとめたら、参考になるかもしれない。

 やや、厳しい言い方になるが、条例に関する本がいくつかあるか、著者の人たちは、どんな体験をしているのだろう。その書き方を見ると、条例づくりに関わった程度というか、著者にとっての条例づくりの体験が反映していて興味深い。

 私の条例づくりについては、何度も書いているが、まず条例づくりとは、次のような全体である。

 1.いくつかの政策課題のうちから、重要かつ実現可能なものを選択し、
 2.時には躊躇する(条例をつくらずに何とかならないかと言う)行政内部を説得し、
 3.その政策によって影響を受ける(それゆえ強い反対活動を展開する)利害関係者を説得し、
 4.市民のなかに入って議論をしながら関心を盛り上げ、
 5.何とかまとまった政策案を条例という形式にまとめあげ、
 6.それを法規担当者と相談ながら条例案文に練り上げ、同時に
 7.議会・議員へ提案・説明しながら、理解を得られるまで協議して、
 8.そして、いよいよ条例案として議会の議決を得る。
 
 までの全体をいう。決して、他のまちの条例のいいとこ取りをして、条文をつくることではない。

 そこから、学んだのは、条例をつくるコツは、たとえば、
 1.なぜ、条例をつくるのか、10秒で言える
 2.条例のポンチ絵を描ける
 3.・・・・・(以下略)
などである。これが実践的な条例づくりである。

 表現は違っても、こんなことは、誰でも知っているかと思ったら、そうではないということに、改めて気がついた。条例づくりを教えながら、教わった次第である。

 ちなみに、条例体験は、2勝1敗1引き分けである。2勝は、1~8までできたケース。1引き分けは、5で人事異動になったケース。これは、それぞれ、面白かった。仕事のヒントも山ほどある。だから、研修では、いくらでも話ができる、

 1敗というのもある。これは偉い人が、条例をつくりたいといういいだしたので、それなりの条文をつくり、その裏付け(政策事実という)のために、3と4をやろうと私が言ったら、急にトーンダウンし(カタチが欲しかったのだと思う)、私とすると、カタチだけの条例をつくっても仕方がないので、これはつぶそうと考え、3と4をやろうと言い続けたら、そのうち、偉い人も腰が引けてきて、うやむやになってしまって、条例ができなかったケースである。

 2勝は、横浜市の個人情報保護条例、減量・リサイクル条例、1引き分けは、ポイ捨て防止と自動販売機の回収用容器設置条例、1敗は、・・・これは書かないでおこう。

 やや余計なことであるが、私は、退職時は課長であるが、課長歴7年の万年課長であった(退職時は水道局の企画の課長)。定年まであと10年いても、降格されることはあっても、部長になることはなかったと思う。この1敗がまずかったのかもしれない。

 クリスマスのこの日は、連れ合いはいつもの日帰り温泉、私はジムが休みの上、再校を出したばかりで原稿もなく、ならばと大掃除。お昼、待ち合わせて、全面禁煙になったガストで、ささやかなお昼。小さなケーキを分けて食べたが、それでも200キロカロリーはあるだろう。つつましい暮らしにあわせたクリスマスになった。


 
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