松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆氏名公表-政策法務の観点から②氏名公表の分類

2020-01-07 | 氏名公表
 氏名公表は、情報提供、制裁的公表、顕彰的公表の3区分が松下説である。
 
 公表とは、 「一般国民若しくは一定地域の住民又は少なくとも不特定多数の人々が知ることのできるように,一定の事項を発表することをいう」(『法令用語辞典』学陽書房)。

 このうち、氏名の公表は、情報提供と制裁的公表の二分説が一般的である。
 情報提供は、一定の事実を公表することであり、制裁的公表とは、「行政指導などに従わない者に対して氏名などを公表することにより当該行政指導などの実効性を確保するもの」とされている。

 しかし、制裁があれば、顕彰もあるはずで、実際、名誉市民については、「氏名及びその功績の概要は、市報により公表する」(横須賀市名誉市民条例)。氏名公表は、情報提供、制裁的公表、顕彰的公表の3区分説を提案しよう。

 情報提供では、法令検索では、「氏名を公表」で、3件、農業改良助長法施行規則(普及指導員資格試験)、森林法施行規則(普及指導員資格試験)、土地改良法施行規則(土地改良換地士資格試験)のみである。資格試験の合格者の氏名を公表する。

 氏名の公告では、各種国家試験で、かなりの数がある。ちなみに、医師試験や宅建試験など、各種試験の氏名公表は、急速になくなっている。個人情報保護との関係であるが、氏名公表は、個人情報保護との関係で、慎重に議論する必要があることを示唆している。

 制裁的公表は、たくさんある。条例に限っても、空き家条例、新聞紙や空き缶など資源ごみの持ち去り対策(廃棄物処理条例)、ごみ屋敷条例、客引き行為等の禁止等に関する条例、屋外広告物条例などである。
 
 新聞記事では、明石市が、「離婚相手から養育費を受け取れないひとり親家庭が困窮するのを防ごうと、養育費の支払い命令に応じない離婚相手の氏名を公表できる条例の制定を検討している」との記載があったが、その後、どうなったのか、調べてみよう。

 制裁的公表は、私的領域に関する課題が目立つが、協働領域と制裁的公表の関係は、今後、考える際のポイントのひとつであろう(とりあえずメモ)。

 顕彰的公表は、条例は、名誉市民条例が代表的なものである。要綱では、たくさんあるだろう。ゼミ生の、こばやしや、ももちゃんがもらった相模原市のボランティア博士は、氏名公表されているのだろうか。


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