◇早い誕生日（三浦半島）

　天気がいいからと誕生日が繰り上がった。

　去年の誕生日は、恥ずかしかった。誕生日だからといって、特別な食事はいいよと言ったので、普通のイタリアンレストランで、食事をすることにした。なんでも、お誕生日の付加サービスがあるとのことで、連れ合いは、私に内緒でそれで申し込んだ。ちょっと、お得という感じだったのかもしれない。

　それが大変だった。

　まず、館内放送があり、本日のお客さんにお誕生日のお祝いの人がいるという告知があい、ケーキが何かを持ってくるときに、店内上げての、ハッピーバースデーの大合唱（大声援）になった。もちろん、お店にいた全員、私は見ず知らずだし、多くの人は、ただランチを食べに来ただけである。

　知らないうちに、トラブルに巻き込まれたような気になり、でも、逃げるわけにいかない。そんな気分だった。

　そこで、今年の注文は、去年のようなにぎやかなところではなくて、静かなところで、ゆっくに食事をしようとだけ注文した。去年の例が相当、トラウマになっている。

　ならばと決めたのが、観音崎ホテルのレストラン（フランス料理の方）だった。時々、お昼を食べに来るので、新味があるといえないが、浦賀水道が目の前で、海がきれいで、落ち着くからである。

　ところが、誕生日の日は、天気が悪いという天気予報を聞いた連れ合いは、やはり観音崎は、海のきれいさだ、今日は晴天だといった感じで、あれよあれよという間に、誕生日が繰り上がった。ちょっと早めに年をとったが、もちろん、私には異論はない。