松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆子ども・若者総合支援条例⑥政策の穴となる⑳代前半・新たな共済装置を

2020-12-09 | 子ども・若者総合支援条例
 多摩市の調査を見ると、20代前半が政策の穴となっている。

 ・投票率で見ると、18歳は高く、20代前半に急減に低くなり、それから徐々に上がっていく。高かった関心を何故維持できないのか
 ・引きこもりのスタートは、人によってバラバラであるが、20代前半が最も高い。本来は、社会に出る大人であるはずなのに、なぜこうなるのだろう。

 仮説は、
 ・18歳まで、学校で丁寧に様々なことを学び、そのぶん、一定の支援があったのに、20歳になると、大人だとされて、いっきに支援策から切り離される。ここが問題の出発点ではないかというものである。
 ・もう大人なのだからというあるべき論、俺たちが若い頃は・・・論で、政策課題として取り上げられることなく、まともな政策論が考えられてこなかった。
 ・かつてとの違いは、若者を大人にする共済装置が、なくなったことである。かつては、親戚、地域、会社は、若者を大人にする役割を担っていた。「ブラブラしているのだったら、こんな仕事があるのでやってみろ」、「いつまでもひとりでいないで、いい人を紹介するよ」など、おせっかい装置である。これがなくなった。
 ・おっさんたちは、今の若者はだらしないというが、すっかり自分たちの昔を忘れている。自分たちだって、会社に入ったって、1,2年は使い物にならなかったろう。でも、今との大きな違いは、会社が、その期間、育ててくれたことである(これも共済装置)。それだけ会社に余裕があった。ところが今は、即戦力である。
 ・共済装置がなくなって、国が出してきたのは、新たな共済装置の構築するのではなく、自己責任である。それに自分の昔を忘れたおっさんが、「そうだ」と煽る。なんと安易な「なんじゃそれは」であるが、これでは若者は、たまったものではない。

 そこで、政策は、
 ・18歳までは、学校や社会の手厚い共済装置があるが、それが一気に無くなるのが、20代の前半である。切れ目なく続く、新たな共済装置を構築しようというものである。
 ・かつてあったような共済装置の復活しようというのではない。無理であるし、ニーズに合わない。社会構造が違っているし、そこから生まれてくる市民意識も違っているからである。
 ・考えるべきは、今の時代にあった、これからも使える、これまでの共済装置に代わる新たな共済システムの構築である。
 ・どんなモデルなのか。これまでの地方自治制度では、想定外のことで、自分たちで考えないといけない。
 ・多摩市の子ども・若者政策は、ここに真正面から取り組み、新たなモデルを作ろうという試みである。この問題は、日本の社会構造そのものから出てくる問題なので、正直、ホームランは難しいと思う。でも、多摩市が出せば、次に続く自治体が出てくる。小さなヒットを積み重ねて、自治体全体で、大きなムーブメントにしようという試みである。
 ・私は、そこに惹かれて、参加している。だから、おもしろい。
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