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現代(従来環境の崩壊) 三 共同体の変化  二 会社一家の崩壊

2012-01-27 12:35:59 | 日記・エッセイ・コラム

 二 会社一家の崩壊
 日本では、近年まで終身雇用・年功序列が当然であり、会社が栄えれば社員も豊かになれると誰もが考えていた。会社とは、地域の共同体に替わって、商家から発展してきた共同体である。サービス残業をし休日には会社が行う運動会や催し物などに家族ぐるみで参加するなど、会社が全てであり会社の中に幸せを導き出していた。しかし、バブルが崩壊し日本型経営の限界が言われるようになり、不況が長期化してくると、米国型経営に大きく方向転換が始動し、政府も指導し始めた。これが会社一家の崩壊である。具体的に財界が経営のために改めようとしたことは、第一に従業員の身分保障の厚い現状から米国的に必要に応じた期間決め雇用契約・先任権に基づくレイオフ制度・経営階層のスカウト人事などの流動的雇用へシフトすること、第二にコーポレートガバナンス(企業統治)で、従業員優先から株主優先に変え株主の自己資本を守るために経営面のチェックを厳しくし、健全性と透明性を高める義務を課すこと、第三に企業の長期的発展を遂げるために地域からの高い評価を得ることを必要と感じるようになり、ステークホルダーへの対応が無視できない状況になっており、自己の利益追求だけでなく社会に存在する一組織体として調和を図る経営姿勢への転換をすることなどである。しかし、第一については大変な勢いで進んでいるが、第二については時代の流れとしてやらなければならないからするというテンポで進んでいる。第三については平成大不況の中、企業の生き残りこそが命題であって地域への貢献まで及ばないのが現実である。
 古代から維持してきた稲作を中心とする共同体を捨てて会社一家という共同体を選んだ者たちが今また篩に掛けられているのである。篩に掛けられ残れなかった者たちは①元の共同体に戻る・②第三次産業の隙間で生きていく・③家族に寄生して自分の当面の小遣いをアルバイトで過ごしていく・④自分で起業する・⑤破産の道を選ぶなど様々な選択肢が考えられるが、誇りと自信を持って生活出来る仕事は少なくなっているように思える。生活に自信を持てないことが結婚をしないことに繋がり、少子化に繋がっていっていると思う。

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