東日本大震災復興支援市民活動ネットワーク宮城(代表:阿部 寛行)

※H27年4月を持ちまして本活動は(社)Kotネットワーク本吉に引継ぎました。本ブログは4年間の活動の記録です。

被災地ガイド&気仙沼市小泉地区交流ボランティアツアー

2012年10月12日 | ブログ
たびーと ホープバス共同組合主催
ネットワークちゅうごく企画


8月12日~8月16日 
『笑顔の絆をつなごう!

    ~被災地ガイド&気仙沼市小泉地区交流ボランティアツアー~』


おかげさまでバス満席にて出発することができ、無事終了いたしました。
沢山の方々からお力添えをいただきましたこと、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
震災から1年5ヶ月が経過し、意識が風化してきていると言われている中でも、被災地に向かう思いがまだこれだけあるということを確認できたことは、1つの大きな収穫であったと感じています。
今回は広島・岡山・大阪と、広域にわたって参加者を募らせていただき、広島からご乗車の方々に関しましては、ほぼ丸1日かけての宮城入りとなりました。
お盆期間ということで交通の状況が心配されましたが、渋滞もなく、予定通りに気仙沼市小泉地区に到着することができました。

今回のツアーの大きな目的である

 “お盆納涼子ども広場”“スーパー縁日”“ペットボトル灯篭”“夢花火大会”

このイベントのために、地元の方々はもちろんのこと、全国各地から多数のボランティアの方々が、草刈り、資材集め、看板作り、企画等の準備を早くから進めていってくださっていました。
その集大成ともいえるお祭り本番を地元の方々と迎えることができることに、大きな喜びと責任を感じながら、皆で協力し、前日準備を行いました。
今回はスタッフが7名同行し各活動班の指揮をとらせていただいたのですが、現地に行ってみないと分からないことや、変更点も重なり、スタッフだけでは行き届かない部分が多々あった中で、参加者おひとりおひとりが受け身ではなく積極性を持って動いてくださったため、時間内に準備を終えることができました。
夜は、私たちよりも早くから小泉入りしていた国見高校サッカー部のメンバーたちと合同でBBQを行い、明日への志気を高めました。



お腹もいっぱいになったところで、宿泊先である小泉自然楽校ドームハウスへ移動。
ここに来ると、水や灯りのありがたさ、人を思いやる気持ちの大切さを改めて感じます。
普段当たり前に思ってしまっていることに感謝して、その後少し寂しくなって、大切な人に会いたくなったりします。

五感をひらいて、沢山のことを感じて、忘れてはいけないことを思い出して、そしてまた大切なものが増えていく、この連鎖に、いつも何とも言えない気持ちになります。

自分の弱さも強さも同時に感じられる、不思議な感覚です。

8月14日。

まずは納涼子ども広場。
スイカ割り&種とばし大会、射的、スポーツチャレンジ。

もらった景品やカブトムシ・クワガタを嬉しそうに見せてくれる子どもたちの笑顔が嬉しかったです。

大人も子どもも入り混じって、時間の許す限り皆で楽しみました。






午後からはスーパー縁日、ペットボトル灯篭、夢花火大会の準備です。

地元の方々、大阪から駆けつけてくださった他団体の方々とのミーティングで、全員の気持ちを1つに。

そして17時、お祭りスタートです。

小泉地区の方々が続々と集まってきました。

ボランティアメンバーも地元の方々に混ざって、一緒にお酒を飲み、笑い声の絶えない、幸せな時間が続きました。




日も落ちてくると、いよいよペットボトル灯篭点火。

津波で家が流され、今は基礎部分だけが残った地に並べられた沢山の灯篭。

ゆっくり灯っていく灯篭に、高台から多くの方が魅入っていました。

時々不自然に光が途切れる様子に気付き、目を凝らすと、それは下で一生懸命に走り回って灯篭に火を灯している皆の影でした。

そして綺麗に灯された「再生小泉」の文字。

涙が止まりませんでした。





お祭り最後のイベントは夢花火大会。

もちろん、大規模なものではなく、家庭用花火での小さな花火大会ですが、全国の皆さんのご支援で集まった大切な花火での特別な花火大会です。

いつまでもなくならない沢山の花火で皆の笑顔が照らされていました。

そしてフィナーレは打ち上げ花火の乱れ打ち!もちろんこれも家庭用。
でも、尺玉に負けないくらいに綺麗でした。

初めは縁日コーナーで花火に魅入っていたのですが、人手が足りないということで急いで応援に駆け付けると、ここでもボランティアの皆が走り回って花火に火を点けていました。

ワーワーと大きな声が飛び交うこちらと、「たまやー」と楽しそうな声があがるあちらとのギャップが笑えて、あとは皆の一生懸命さが嬉しくて泣けました。
参加できてよかったと、心から思いました。



この日、沢山の「ありがとう」を受け取りました。

嬉しい気持ちを消化できなくなり、時を同じくして大阪四天王寺にて開催されていた東北物産展で汗を流し、声を枯らしていた仲間に、ここで受け取った「ありがとう」をすぐに伝えました。

同じ場所で同じ時間を共有できなかったとしても、この場所を知っている全ての皆でつくったお祭りだったと思いました。
支え合う強さ、立ち上がる強さ、人と人との絆の尊さを、何度も何度も感じました。
3.11に被災したわけではない私たちの「そこに行きたい」「何かしたい」という思いと、被災された方々の思いをぴったりと合わせるのは、とてもとても難しいことです。

ただ、今回何度も感じた仲間たちの優しさと、そこで受け取った「ありがとう」は間違いなく本物で、途切れさせてはいけないものだと、強く思いました。


暑い中BBQブースでずっと火の番をしてくれた皆さん

大量のおにぎり、BBQセットを笑顔で準備してくれた皆さん

縁日で子どもたちを思い切り楽しませてくれた皆さん

賑やかなお祭り会場の裏で、日中から交通整理をしてくれた皆さん

膨大な量のペットボトル灯篭を、時間をかけて綺麗に並べてくれた皆さん

指を火傷するのも構わずに走り回って花火に火を点けてくれた皆さん

かけがえのない時間を皆さんと過ごせたことを、心から嬉しく、誇らしく思います。

また、主催の小泉地区集団移転協議会、小泉明日を考える会、小泉公民館、ネットワーク宮城のみなさま、今回協賛をいただきました、小泉自然楽校、アクティブルーム伊達っこ実行委員会、京セラ労働組合、㈱オフィステーマパーク、NGO協働センター、スポアートサポートかんさい、大坂メガコン事務局、チーム小林47、のみなさま沢山のお力添えを本当に本当にありがとうございました。



笑顔の絆をつないだ2泊5日。
合言葉は『OK Smile ◇+゜』













阿部寛行代表による講演会

2012年10月12日 | ブログ
阿部寛行氏による講演会 活動報告書

[生きる~3.11 東日本大地震から1年、真の復興への道とこれからの希望の光~]

東日本大震災復興支援市民活動ネットワーク宮城 阿部寛行代表による講演会を以下の日程で行いました。

2012年5月18日(金) 広島県尾道市 尾道しまなみ交流会館 1F市民ギャラリー
2012年5月19日(土) 岡山県高梁市 高梁市立高梁中学校 
2012年5月19日(土) 岡山県倉敷市 倉敷芸文館 201会議室
2012年5月20日(日) 大阪府淀川区 大阪研修センター

 講演の内容は、阿部さんがこれまでに行なってきた気仙沼での復興支援活動や、被災地の現状についてでした。
具体的には、震災当時の状況、避難所での生活から仮設住宅への移行、仮設住宅での現在の生活と今後、集団移転へ向けての準備、小泉地区の今後の取り組み、などでした。講演はパワーポイントを使用し、詳しく、わかりやすくお話いただきました。また、途中、3月11日に実際に撮影された動画を上映されました。私たちネットワークちゅうごくのメンバーも訪れた、気仙沼市小泉地区の元あるべき姿、それがどんどん波にのまれていく様子、そこに滞在していたのだという実感、画面に映る雪…なんの罪もない人たちから、一瞬にして何もかもを奪っていった地震と津波の恐ろしさを改めて感じました。
 
 講演会が終わり、月日がこのまま経てば今回の講演参加者の脳裏からも震災と未だに苦しむ東北の姿は忘れられるかもしれません。東北に行かなくても出来ることの大きな一つは情報発信だと感じました。どういった手法がベストかは判断しきれないが、Webだけでなく地域紙や学校新聞などに載せてもらい、良い話と現状をありのまま載せてもらう、もしくはブログで発信し続け、まとめ記事を配布してもらうなどでも良いのではと感じました。

 今回の講演会を通じて、改めて震災の被害とそこで暮らす方々のことを考えました。東日本大震災から1年余り経過し、何が変わったのか、何も変わっていないのか。西日本にいながら、私たちに何ができるのか。考えることは多くありますが、今後も継続して寄り添って活動していきたいと強く思いました。

  最後に、阿部代表、ご協力いただいたすべての皆さま、講演会に足を運んでいただいた皆さまに心から感謝しております。ありがとうございました。

また、各会場に設置した募金箱に集まったお金は合計で¥70,611でした。これらの金額は全額講演会の開催費用と小泉自然学校への寄付に使わせていただきました。ご協力ありがとうございました。