いま流行りの平山温泉の豆腐宿でランチ&入浴

2009-05-22 10:59:00 | 熊本の温泉など
 九州で今いちばん流行っている温泉地といえば、平山温泉ではないでしょうか。平山のみならず、ヌルヌルアルカリ湯がウケているというか。たしかに、アルカリ性のヌルヌル湯は触感がなんとも美容液みたいですね。見た目乳液の濁り湯が実はその反対にサラスベに乾いた感じ(これも夏はすごく気持ちいいのだが)になるのとは逆に、アルカリ泉は湯あがりもなんとなくしっとりしている感じです。


 ただこれは、古く乾燥した表層の角質が溶けて、中から新しい皮膚が出てきたゆえなのです。


 以前、「鹿児島の吹上温泉(ここもアルカリ)で、手のヒビがくっついた」と表現したことがありますが、あれも、アルカリでヒビわれた表面の硬い角質が溶けて、かつヒビの中の傷と炎症がおさまったためにヒビが軽くなったというのが正解だったんだなあ、と思います。それでも一晩でヒビが治った風になったのは今も記憶に残ってます。


 つまりアルカリ泉のしっとり感は、表面の角質が薄くなっているという意味なので、しっとりしているからといって保湿ケアを怠るのは禁物です。入浴直後は新陳代謝が盛んなのでいいとして、特に気をつけたいのは帰宅後。薄くなった角質に、都会の塩素たっぷりの水道水をあてると新しい角質がすぐに乾燥して前よりひどいヒビ割れ&カサカサになることに。ちゃんとケアしたほうがよさそうです。


 ただ平山温泉のように硫黄が含まれているアルカリ温泉は、ニキビや毛穴の黒ずみには有効ではないでしょうか。毛穴の汚れが角質が溶けることで取りやすくなるのと、硫黄に炎症をおさめる効果があるからです。加藤清正公も汗疹治療に訪れたといいますから、これからの季節ちょっと毛穴の気になる人にオススメです。


 そんなわけで訪れたのは平山温泉にあるやまと旅館。お豆腐屋さんの宿です。ここでは日帰り入浴ができるほかに、予約なしで豆腐尽くしの食事も可能なのです。まずは温泉へ。


温泉
温泉



 おお~う。本当にヌルヌル、というかツルツルです。似たようなアルカリ泉の紫尾温泉や湯川内温泉では自分がゼリーかナメコになったように感じましたが、ここのは自分がマネキン人形になったよう(笑)。


 変な言い方ですが、自分の肌が塩化ビニル(下敷きとかの)になったようにツルツル滑らかにすべるのです。毛穴とか産毛を感じない、皮膚と思えないほどのツルツル感。ホントにすんごいつるっつる。この感触、すごくイイです! 内湯には熱めとぬるめの浴槽、さらに外には小さな檜の露天があります。底まで檜です(あまりにツルツルなので、腕で育てている(笑)「宝毛(たからげ※一本だけ妙に長くて細い産毛。願いが叶うらしい)」が溶けたかと心配しましたが、溶けずに健在でした)。


 脱衣所(ちょっと狭い)の他に、明るいメイクスペースがあり、そこにはコットンや自家製化粧水が置いてありました。


食事 つるつる温泉を存分に堪能した後で、食事処「わらび」で豆腐のランチです。宿泊客もここで食事という食事処は、暖色の照明が温かい古民家風に外の緑がなんとも涼しげで落ち着きます。


 ここで平日にのみ供されているランチをいただきました。







朧豆腐豆腐揚げだし



 平山のツルツル湯で作った木綿豆腐は、その配分に苦労したといいます(そうですよね。豆腐はアルカリを加えると溶けちゃいますもんね。嬉野の温泉湯豆腐がよい例)。その木綿豆腐は、木綿らしい断面と手ごたえを残して匙でちぎれるのですが、口に入れるとなんとも柔らかい。絹ごしの頼りない感じとは違う。木綿らしい味と舌触りはあるのに、それが口の中で柔らかく崩れるのです。崩れる時に大豆のうまみが広がる感じが、とても美味。岩塩でいただく冷奴にそれがとても顕著でした。塩だけのシンプルな味でいただくと豆腐そのものの甘さが引き立ちます。ウマイ。豆乳に豆腐をしずめていただく鍋も甘めのゴマだれより、塩、もしくは醤油が私は好きかな。おぼろ豆腐・豆乳に始まり、冷奴、豆乳鍋、揚げ出し豆腐、卵焼きや揚げの煮ものに手作りこんにゃく、呉汁にごはん…… とすべて豆腐づくしで肉・魚などはないのですが、木綿豆腐らしいずっしりとした腹にたまる感じも健在でかなりおなかいっぱいになりました。骨董風の器や季節の花をつかったしつらえも心和みます。


 食後。玄関の外にある露天風呂に入りなおします(さっき払った400円で、食前食後と2回入浴を楽しんだということ。一言フロントにいっておくとよい)。内湯にも露天がついているので、こっちは省略しようかな、とか思いがちですが、絶対に入ったほうがいいです! 混浴と女湯とありますが、女湯は一番奥、混浴の囲いの外をぐるっと歩いたところにあります。


露天



 雑木林に囲まれた野天風呂になっていて、本当に静か。湯の流れるチョロチョロという音と、鳥の鳴き声しか聞こえません。その鳥の鳴き声のエコーのかかり方に「あー、空気がすごく澄んでるんだなー」と感じ。透き通った熱めの湯は、ヌルヌルツルツルで。心なしかお肌が白くなった気さえします。なんとも爽快な露天でした。


混浴



 こちらは混浴。誰もいなかったので撮影しておきました(笑)。なお女湯の脱衣場で脱いでおけば混浴・女湯間は簡単に移動できそうなので、誰もいなかったらチャレンジするのもいいかもしれません。


 やまと旅館
 http://www.yamato-ryokan.jp/
 フラッシュ多し。宿泊料金が書いてないです。
 予約サイトによると最安値で1万2000円くらいから。
 ランチは平日1800円~。休日はランチはなし。


 客室も改装したばかりで素敵そう。ぜひ次は泊まりでヌルツル湯を堪能しにきたいです。







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