音楽一期一会

大人のピアノ教室講師の日々を綴ります

『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑥

2021年02月11日 | 大人のピアノ

前回の続きです

「チャレンジコンサート」という名前に変わり
クラスコンサートは新たな一歩を踏み出したのですが

その一年後
またしても楽器店との間で問題が生じてしまいました


実は
私は自宅でもレッスンをしていて
こちらでは独自に2年に1度のペースで
自宅生だけのアットホームな発表会を
開いていました


しかし
楽器店のサロンがとても魅力的な環境なので
希望される方に限って
自宅生も「チャレンジコンサート」に
参加していただけるようにしました


そのことでお店サイドから
ストップがかかってしまったのです

お店側の主張は
ヤマハ在籍生以外の生徒さんが入るのであれば
サロンの使用は許可できないということでしたが

私にはうなずくことができませんでした

なぜなら
通常お店のレッスン室は
レッスンで使用されていなければ
一般の方でもレンタル料を払って
借りることができるのです


押し問答をしても仕方が無いので
私は楽器店のサロンを使って
コンサートを開くことを断念しました

そして
以前から気になっていた
「八幡市生涯学習センターふれあいホール」に
問い合わせてみることにしました



200名ほど収容できるこのホールに
たった20数名でピアノの発表会をすることなど
なんだか無茶なことのような気がしました


ところが
実際にホールの方とお会いして
お話させていただいたところ

思いがけないことに
「いいですよ(^_^)是非やりましょうよ!」と
温かい笑顔で励まされ
背中を押していただきました

おまけにホールの使用料は
意外にも安くてほっとしました

正に”案ずるより産むが易し”でした

こうして
第12回チャレンジコンサートは
この「八幡市生涯学習センターふれあいホール」にて
開催することになりました


2018年 7月 第12回 チャレンジコンサート

たった20数名だけで
このような素晴らしい場所で
演奏を楽しむ贅沢・・・

美しいピアノの音色が
ホールいっぱいに響きます

何だか生徒さんの演奏が
普段の何倍も素敵に聞こえました


一年かけて練習を積み重ねてこられた
一人一人の指から生まれる音の連なりに
それぞれの人生を感じ
私は幸せな気持ちに満たされました


色々なことがあったけれども
ここに来るべくして来たのかな・・・

生徒さんの演奏を聴きながら
そんな感慨に浸っていました



このような素晴らしい発表の場を得たことを
生徒さんも私も共々に喜び

その翌年も引き続き
この「八幡市生涯学習センターふれあいホール」にて
第13回チャレンジコンサートを開催しました

コンサートの後は
全員そろって近くのお店に移動し
緊張から解放されて和気藹々のひとときを楽しみました

そして
打ち上げ会では口々に
「また一年がんばりましょう~!」と
翌年のコンサートに向けてエールの交換をしました


しかしあの日私達は
その一年後に
世界がどんな状態になっているかということなど
誰一人想像すらできませんでした・・・



『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑦



『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑤

2021年02月10日 | 大人のピアノ

前回の続きです

楽器店のリニューアル工事は
ほぼ一年かかりました


そして
ようやく仮住まいを出て
新しい楽器店でのレッスンが始まった直後
私達は
新しい「サロン」を借りて
記念すべき第10回目のクラスコンサートを開きました

ラッキーなことに
このサロンでの初めて行われたイベントは
私達のコンサートだったそうです

ほどよい広さ
明るく清潔感のある壁
行き届いた照明・・・



2016年 6月 第10回クラスコンサート

しかし
良いこと尽くめではありませんでした


新たに設置されたピアノが
良いピアノでありましたが
まだ新品だったので
ペダルが重くて固く

この日のコンサートでは
皆さん全員が
ペダルと孤軍奮闘するはめになりましたhekomi

とは言え
このようなサロンが出来たことを
私達全員とても嬉しく思っていました

そしてその後も当然
この『サロン』を使わせていただく
つもりだった私達ですが
一年後
思いがけないことが起こりました


このサロンをレンタルするにあたっての
楽器店の対応に変化があったのです


まずはレンタル料についてです


前回の第10回目の時は
リニューアル直後だったため
レンタル料についてはまだ未定で
以前の旧サロンのレンタル料のままでいいと
言われました

ところが
その後レンタルの金額と扱いが
他店のサロンと同じ条件になるよう変更されたのです

金額は以前よりも
ぐんと跳ね上がりましたが
楽器店にも”大人の事情”があることでしょうから
それは致し方ないこと

参加される生徒さんの負担を
少しずつ増やすことで了解を得て
対応させていただくことにしました

それともう一点

生徒さんの発表会は
会社主催のものだけに限定し
講師主導の「クラス発表会」は
無くしていくという
会社からの通達があったようなのです


担当のスタッフさんも言いにくそうに
されていました

それでも皆さん楽しみにしていらっしゃるし
何とか開かせていただけないかと
こちらも引き下がらずにいましたら

「クラス発表会」ではなく
「弾き合い会」だったらいいかも。。。と


まるでとんち咄の一休さんのようなことを
仰います


なるほど。。。


ということで
「クラスコンサート」ではなく

『チャレンジコンサート』kirakira2

とタイトルをあらためて
ようやく
サロンをお借りする許可をいただきました



2017年6月 第11回『チャレンジコンサート』

こうして
「チャレンジコンサート」と名前もリニューアルして
新しいサロンでの2回目のコンサートを開き
問題は一旦解決したように見えました


ところがその後さらに
思いがけない展開が待ち受けていました


『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑥


『大人のピアノ~チャレンジコンサート』④

2021年02月09日 | 大人のピアノ

前回の続きです


2013年 2月 第7回クラスコンサート

コンサートの運営に関しては
毎回有志の生徒さんが集まって
会場の飾り付けや演奏後のお茶菓子などの
相談そして準備をして下さいました

こうして
手作り感満載のクラスコンサートが
生徒さん達主導の年中行事として
定着して参りました



2015年2月 第9回クラスコンサート


ピアノだけではなく
一緒にセッションする仲間も自由に参加していただき
クラスコンサートはますます充実し
楽しいイベントとなってきました


ところが
このコンサート終了後に
楽器店のビルの全面的な建て替え工事が始まり
この部屋でのクラスコンサートは
これが最後となりました

そしてこの後ほぼ一年の間
レッスンは他のビルを間借りして
仮レッスン室で行われることになりました



『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑤


『大人のピアノ~チャレンジコンサート』③

2021年02月08日 | 大人のピアノ

前回の続きです

一人の生徒さんの熱い情熱から
15年前に「交流会」として発足した
『クラスコンサート』は

これからも継続していきたいという思いが
次第に生徒さん達の中で高まっていきました


折しも
当時楽器店の人事に動きがあったのか
方針が変わったのかよくわかりませんが

「大人のピアノ」の担当をされていた
女性スタッフの一人が
こういった自主イベントをとても好意的に
応援して下さいました

そのお陰で
約1年後の2008年2月には
楽器店内のサロンを借りて
第2回クラスコンサートを開催する運びとなりました



2008年2月 第2回クラスコンサート

この日は大阪では珍しく朝から雪が降り始め
午後から予定されていたコンサートの開催が
危ぶまれるほどでした

私も自家用車で出かけることができず
雪の中をバス停まで歩いて
積雪のために本数の減らされたバスに
長い時間待って乗りこみ
ようやく楽器店にたどりついた記憶があります


そんな天候の中
一人も欠席されることなく
コンサートが開催されたことに
とても感動した記憶が
昨日のことのように蘇ります

そしてその後は
お陰様で毎年
この部屋でクラスコンサートを
継続させていただくこととなりました



第5回 大人のピアノ クラスコンサート
当初
クラスコンサートを開催してほしいと仰った
一人の生徒さんを中心に有志が集まって
コンサートをより楽しいものにしようと
話し合いの場も設けられるようになりました

生徒さん主導のクラスコンサートが育つと共に
彼の願っていた
生徒さん同士の「交流」の場面も
レッスン室を離れた場所で形成されていったようです



2012年3月 第6回クラスコンサート


この時は
偶然私のブログを見たという
昔の教え子が写真家として
飛び入りで参加して下さり
素敵な写真をたくさん撮ってくれました

『大人のピアノ~チャレンジ・コンサート』④


『大人のピアノ~チャレンジコンサート』②

2021年02月07日 | 大人のピアノ

前回の続きです

私がヤマハ大人のピアノ教室で
ピアノ指導のお仕事をさせていただくようになって
ちょうど10年が過ぎた2006年のことです

当時熱心にレッスンに来られていた
一人の生徒さんから
「クラスコンサートを開いて欲しい」という
強いご要望がありました


ヤマハでも楽器店でも
レッスン生のためのコンサートは
色々企画されているのに
なぜわざわざ「クラスコンサート」を
開いて欲しいのか
私は彼におたずねしました

その理由は

自分と同じく大人になってピアノを始めた
他の人達との交流の場を作って
お互いに励ましあいながら
それぞれの音楽の夢の実現をはかりたい

レッスンに通っていても
他のレッスン生との交流が無いことが
何となく物足りない

楽器店やヤマハ主催のコンサートでは
単に演奏を発表するだけで終わってしまい
「仲間」を育てることができない


こんな内容でした


私は彼の仰りたいことがよくわかったので
仕事をしている楽器店に
クラスコンサートを開催したいと
掛け合ってみました

しかし楽器店としては
それは特例を設けることになるとして
いくつかの理由をあげて
承認していただくことはできませんでした


しかし皮肉にもこの結果が
逆に生徒さん達の意欲をかき立てることになりました


当時レッスン生の一人だった
公立高校の先生が
「うちの学校の音楽室を使ってください!」と
仰って下さり

その年の12月
高校の音楽室のピアノで
小さなクラスコンサートが開かれました

それが「ピアノ交流会」
今思えば
第1回目のチャレンジコンサートでした

下の写真は
演奏後音楽室での”茶話会”の場面です

まだ「交流」という雰囲気でもなく
お互いに下を向いて
ただ黙々とお菓子を食べている。。。

そんな感じですがmeromero2coffee


2006年12月 交流会



『大人のピアノ~チャレンジ・コンサート』③