残照
2025-01-12 | 詩
光照りつける白い日に
うっすらとした絶望が漂い続ける
スーパーマーケットの屋上では、
人間が一斉に抱き合っているのだが
個人が気随な愛情を頑なに掲げ合って居るのだから、提起し続け合うのだから
あたたかな肉と肉、服と服、の隙間から
空気がもれ(淀んだ)
愛がもれ(未完の)
誑かされた街をそれが縫い
譲らぬばかりの親しみが衝突した音で静寂ができ、
輝きで星が成り
「其れがとても美しいの?」
「それがとても切ないの?」
就寝間際の女の切なさよ。
私(俺)はその様な停留を許さぬので、
一握の空気すら漏らさぬ程の 一泊を試みて
其のたしかな残骸をあなたに餞別として贈ろう。