
風土記:舩林社
延喜式:―
雲陽誌:船山・船林社(委奈佐比古命)
様 式:大社造変態
御祭神:阿波枳閉委奈佐比古命
配祀神:大己貴命・少彦名命・事代主命




赤川の各支流が落ち合う海潮地区の美しい田園風景の中、古墳の様に南北に長い小山が目立つ。須賀神社から下ってくると左手に石段と案内板が見え、ここから南に300mほど歩いて、社殿のたつ高台へと至る。そこには切妻硝子張りの拝殿、奥に大社造りの本殿が鎮座していた。本殿の後背には各社殿を見守るように山神神社の小社が建ち、左側には社日神社と荒神の石碑が見える。


宮司に頂いた由緒書きに拠れば、出雲風土記所載の舩林社といわれ、舩岡山の頂に鎮座。船岡山は風土記に大原郡の条に「舩岡山。郡家の東北十六里なり。阿波枳閉委奈佐比古命の曳き来居えましし舩、則ち此の山是れなり。故、舩岡という」と記される。舩を返したような山形から「舩岡さん」と呼ばれ祀られてきた。中世から世人の信心は山ノ神へと移り、山神神社の祭りが盛んであった。文化八年、里人が舩岡山を開墾せんとした際、土中より舩林神社の遺蹟を発掘、村人に計り、庄屋の肝いりにより社殿を再造営、以来祭祀を続けている。
〈境内社〉


社殿後背の山神神社に大山津見命を祀る。社日神社に社日五神。ほか荒神を祀る。
〈所在地〉
島根県 雲南市 大東町 北村
参拝日:平成24年 8月20日