
風土記:―
延喜式:―
雲陽誌:兒守社
様 式:大鳥造(小祠)
御祭神:底筒男命・中筒男命・表筒男命・息長帯姫命・天神地祇



松江市の南岸を東に向かうと、東津田より大橋川に沿って平地がへり、山と川に挟まれた状況となる。古くから南北岸の船渡しがあった辺りを矢田といいい、現在は内陸工業団地の入口、西方の丘は東光台団地として開発が進んだ。昭和30年代の写真を見ると、東光台の裾を回り込むように車道が通る他は田畑が見えるのみである。同社の境内はこの旧道を分け入った森の内にあり、矢田旧集落の鎮守社。削平された壇上に向拝付の本殿があり、北寄りに神楽殿が整えられている。平成元年遷宮も執り行われ境内は特に整備されている。
境内略記に拠れば、大国主神の命により矢田の里長となった野田阿多比古神がおり、その妻が身重となった際には、天地の神々に祈って神示を受け神石を授かり安産された。ゆえに籠り産まれた所を「こもり山」、神石を「兒守(児守)石」といい、安産育児の神として広く信仰されることとなった。戦後混乱の後、眞名井神社の境外摂社として古来の伝統にならい矢田地区氏子崇敬会にて奉賛されている。
〈境内社〉

本殿南に自然石上の社日碑、木造社二宇を見る。木造社の社名・祭神はいずれも不詳。
<所在地>
島根県 松江市 矢田町
参拝日:平成24年 8月17日