ひらつか日記

1999年に漫画家おかざき真里ホームページの連載コーナーとしてスタートした身辺雑記×音楽紹介日記です。

新宿歌舞伎町「玉蘭」

2009年11月16日 | ロック・ポップス(欧米)
Catch the Fall

大学時代に、神楽坂のレストランで4年間アルバイトをしていた。その店のバイト仲間だった中国人の女の子が、家族で新宿に店を開業したと聞いていたのだが、訪れる機会が無く20年が経過。先日、仕事で新宿に行った折、ふと店名を思い出してiPhoneで検索したら見つかった。iPhoneが無かったらおそらくそのまま訪れずに終わっただろう。新宿区役所の近く、地図の店を訪ねてみたら、いました、彼女は立派な若女将になっていた。向こうも私を覚えていてくれて、何でも食べていけ、とたくさんご馳走になってしまった。きけば、なんと二児の母。あの女子高生がねぇと感慨しきり。24時間出前の中華で歌舞伎町界隈で有名なんだとか。店名「玉蘭」。あとでネットで調べてみると、グルメサイトの口コミも結構書き込まれている。みなさんも、近くにいったらぜひ寄ってやってください。ごちそうさまでした。神楽坂のレストランのアルバイト、そもそもはの先輩が、自分が辞めるかわりに私を差し出した…というのがキッカケで、特に自分から望んでいったところでも無かったのだったが、居心地がよかったせいで、そのままとうとう4年間世話になった。岐阜の田舎から出てきたばかりでレストランなど入ったことが無かったから、「すみません、ピラフって何ですか」というところからのスタート。おまけに台所など立ったこともなかったので、使えないもいいとこだ。そんな私も終いには堺正章より上手にフライパンを煽れるようになりました(笑)。あそこから20年も経ったんだな、としみじみ。今日の推薦盤は、その頃、神楽坂の地下鉄出口脇にあった小さなレコード屋で買ったCD。この店でいろいろ買ったはずだけど、どういうわけかこれを買ったことが印象に残っている。LPからCDへの移行期で、まだCDを数枚しかもってなかった頃だったからか。Catch the Fall / Dolphin Brothers 。ドルフィン・ブラザーズというのは、元ジャパンのリチャード・バルビエリとスティーブ・ジャンセンのユニット。タイトルどおり、晩秋によく合う音楽。残念ながら廃盤になってるので、中古で聴いていただくよりないのが残念。驚くのが、スティーブ・ジャンセンの歌声で、これが兄貴のデヴィッド・シルヴィアンそのまんま。こんなに似るものかというくらい。高橋幸宏のオケをバックに、デヴィッド・シルヴィアンが歌ってる、という感じといえば、この盤のイメージがわかってもらえるかもしれない。リミッターが深めにかかったこの独特の音響は、おそらく飯尾芳史(YMOで世に出たエンジニア)によるものだと思う(手元にライナーが無く確認できないので違ってたらすみません)。これらの組合せにピンときた人は中古を探してみる価値がある。あの神楽坂のレコード屋、たぶんもうつぶれちゃってるんだろうな。レストランはまだやってるみたい。土地柄、新潮社の帰りの作家がぶらりと来ることもあって、例えば生前の景山民夫が注文したシチューを作ったりしたのを覚えてる。今はどんな客がきてるんだろう。


THIS IS IT

2009年11月15日 | ブラック
NUMBER ONES

「THIS IS IT」への賛辞の多くには、マイケル・ジャクソンをそれまでマジメに聴かなかったことへの懺悔がいくらか含まれている。好き嫌いのレベルで何でも反射的に片付けてしまうことの傲慢さに思いが至った人が多かったのでは…。もちろん、マイケル・ジャクソン自身はそんな説教をする人では決してなかった(この映画にみられるような舞台裏を見せることは許可しなかっただろう)。好き嫌いを言うのは勝手だし楽しいが、真贋はそれとは違う。当たり前のことだけど。まだ観てない人は、映画館に急ごう。私は序盤の「Human Nature」ですでにボロ泣きであった。

●関連記事:2009.6.26日記「マイケル・ジャクソン」