「平塚ちゃんはいつもこういう泣きそうになる曲を聴いてるのか?」と、おかざき真里が「おしゃべり」コーナーに書いている。そうなのだよ、ふふふ。泣いているのだ(笑)。わたしは結構涙もろい。悲しい映画とかみるともうだめだ。「ええーあれで泣いたの?」と言われることが多い。あまりかっこわるいので、実は映画はほとんど見ない。もう1年以上、映画館にいってない。テレビドラマでもだめだ。かっこわるいから、ドラマもまったく見ない。だめだめな出来のつまんないドラマでも泣けてくる。テレビの前で泣くなんてくやしいではないか。その点、音楽はこっそり聴けるからいい。そういえば、今年のはじめに、強烈なインフルエンザが流行りましたよね。わたし、見事に罹って、40度を超える高熱で会社を数日にわたって休んでしまったのですが、そのとき苦し紛れにテレビをつけたのでした。そしたら再放送の「水戸黄門」やってた。悪代官と、かわいそうな貧乏娘と、父親と。さすがにこれでは泣けないな、とアタマは思ってるのに、涙がボロボロ出てきて、しゃくりあげてしまった。これは涙もろい性質だとかそういう次元とはちがう。うわ、これは相当身体が弱ってるんだな、と思った。身体的に泣いていたのだ。少しだけ、ほんの少しだけなのだが、死ということを意識した。老いる、というのは、このインフルエンザが数時間にもたらした変化を数十年かけて辿っていくことなんだ、少なくとも身体的にはそうなんじゃないか…と考え始めたところで、またうつらうつら熱にやられて昏々と…。今日は、「泣きそうになる曲」じゃなくて、幸せな音楽を聴いてみよう。上のジャケット(結構すごいな)は、Greatest Hits Vol. 2 / Barry White 。これはすごいよ。もう全編「ラブ」なのだ。「ラブ」でアタマがやられちゃうくらい、ドボドボズブズブに「ラブ」だ。「It's Ecstasy When You Lay Down Next To Me」とか曲名だけで、日本人の淡白な感性はクラクラきてしまうのではないか。幸せすぎて、ちょっと泣けてくるかもしんない。
唇のジャケット(外盤はデザインちがい)は、O Sorriso Do Gato De Alice / Gal Costa 。これはブラジルですね。とても明るい色彩、ゆれて自在に伸縮するタイム感。全編「サウダージ(郷愁)」な感じで、これまた幸福の中で泣けてくるような感覚もある。