ひらつか日記

1999年に漫画家おかざき真里ホームページの連載コーナーとしてスタートした身辺雑記×音楽紹介日記です。

和暦・西暦

2011年02月13日 | クラシック
マーラー:交響曲第9番

このブログには「支店」があって、そちらは読書記録になっている。ここのところ本店はめっきり更新されてないが、支店は快調に更新されている。あまり文字数を書かないというルールにしてあるので気楽に書けるせいだろうな。最近は、明治のはじめから順番に日本人の書いたもの、それも小説以外を読んでみよう、というのがテーマになっている。小説は、夏目漱石をはじめとして比較的今もよく読まれてるんじゃないかと思うけど、小説以外というとそういえばなかなか縁遠いんである。西欧のものは読むのにね。きっかけは、ルソーを読んだあとに、「東洋のルソー」でもと中江兆民「三酔人経綸問答」(明治20年)を読んで。現代の日本をめぐる議論と笑っちゃうほど符号してて、あ、これは明治の最初からずっと読んでいくといろいろつながるんじゃないかな、と。あと、和暦がわかんないと、西暦もわかんないよね。例えば、マルクス「資本論」第一部公刊は1867年。和暦だと大政奉還。この感じを身体に沁み込ませてみたら面白いんじゃないかと思って。そんなこんなで、福沢諭吉、田口卯吉、中江兆民、北村透谷、山路愛山、志賀重昂、陸奥宗光、内村鑑三、幸徳秋水、福田英子・・・等々と明治の最初から順番にきて、そろそろ明治を終わろうというところ。まぁまだ身体に沁み込むというまでは遠いけど、なかなか面白いもの。気長に読んでいこうと思う。閑話休題、最近どんなの聴いてるの、というと、これなんです、「マーラー:交響曲第9番」 レナード・バーンスタイン指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。マーラーの交響曲はどういうわけかやたらに聴きたくなる時期と、全く受け付けない時期がある。今は前者。やたら聴いている。しかも今日は最も重苦しい9番を(指揮者違いで)何度も。もしかしたら病んでるのかもしれない(笑)。名演CDに恵まれた曲だけど、どれか1枚、といわれたら、バーンスタインが最晩年に録音した本盤かな。弦が泣いてるんです、この演奏。こんなに感情のこもった演奏はそうそうあるもんじゃない。ちなみに、マーラーの交響曲9番(完成したスコアとしてはこれが遺作となった)が作曲されたのは、明治42年。そう、マーラーは世界大戦の欧州の悲惨をみることなく亡くなったのでした。