ふくと考えるネコと生活

ネコの生活・食事・健康・病気などについて。

エコツアー・・・

2008年01月26日 15時35分43秒 | 日々の生活
2008年1月26日(土)

 ぼくは東京のある旅行会社に営業職として勤務している。今年で勤続年数は11年目に突入した。主に海外旅行の造成や提案、手配・販売などをさせてもらっている。

 そんな中、今年初めに『食農教育』というテーマで旅行を企画するようにある団体から依頼があった。

『食農教育』のテーマは、

「食と農と地域と自然の関わりを重視し、農産物や「いのち」を育み、成長していく過程を大切にしながら、「食」の尊さや、それを支える「農」を正しく、楽しく学ぶ。「いのち」の根源となる「食と農」を学び、健やかな次の世代を育むために」というものだそうだ。

 ところで、最近のパッケージツアーは、単に物見遊山のいわゆる「旅行」に飽き足らず、体験型ツアーや学ぶツアー、ボランティアツアーなどが多くなってきている。例えば、学校の先生や生徒、保護者の方々などが一緒になって、乱開発で森林が少なくなってきた国に行き植樹をするツアーや、ゴミの不法投棄が止まず問題となっている富士山の清掃ツアーなどがそれにあたる。
 まあ、そういうものはまだしも、なんだかよく分からないものが、時代の流行に乗っかって、なんでもかんでも「エコツアー」とか「ロハスツアー」「スローライフツアー」などとされてしまう。

 自然豊かな風光明媚な場所に行って、新鮮な空気を胸一杯に吸い込みハイキングをするのがエコツアーなのか?
局所的で一時的で偽善的なボランティア旅行に参加することが本当に地元の方々の役に立つことなのか?
田舎の人々が一見ゆったりと暮らしているように村(貧困に喘いでいるところが多い)を訪れて、美味しいものを食べ歩き、土産物を買い漁るツアーをロハスツアーというのか?

 現地の人々は、どんな目でこれらの観光客を見ているのだろう?これにはぼくたち旅行会社やマスコミの責任も大いにある。結局、流行のキャッチコピーを安易に並べ立て、さも魅力的な旅行に仕立て上げているのは我々だ。
旅行という商品は、物品などの販売と異なり、買う前に実際に手にとって良く確かめてから買うということが困難な商品である。

 実際に行ってみたら、全くの期待はずれでパンフレットに記載されているような経験をすることができなかったというようなクレームは後を絶たない。お客様の勘違いということもある。これもやはり、旅行商品が目に見えないがゆえに、過度に期待される傾向がある。「私の想像していたものと違っていた!」というクレームは主観的な場合が多い。勝手に期待して、勝手に失望している手合いもある。

「安かろう悪かろう」というツアーもなかなかなくならない。残念ながら価格競争から生まれてきた商品にはあまり良いものはない。
でも「まあ、安かったんだから、まあ仕方ないか」と許されてしまう部分もある。紙質の悪い安いノートを買って、ボールペンで字を書いたら裏写りして、結局は40ページあるうちの半分しか書くことができなくても文句を言わないようなものなのだろうか。(うーん、例えがいまいちだなぁ・・・)

 法人企業などを相手に商売をするときには、旅行代金の支払いが後になることがある。いわゆる『掛売り』だ。この手のものは清算時にゴタゴタすることが多い。
「約束されていた観光地があまり面白くなかった」「バスが汚かった」「日程がぎっしりで辛かった」「添乗員さんが不平等だった」「期待していた料理がまずかった」などなどキリがない。
そして最後には「不満足な旅行だったのだからもう少し安くしろ!」とくる。
・・・これだから掛売りは嫌だ。

ラーメン屋に入って、ラーメンを食べて、自分の期待していた味と違っていたときに「安くしろ」とか「無料にしろ」なんて言わないのではないか。
ラーメンの中にゴキブリが浮いていたら、それは代金をお返しして、それ相応のお詫びをしなければならないだろう。

ああ、またとんでもないほうに脱線・・・

 それで、その『食農教育』ツアーなのだが、これは親子で農家を訪問し、数日間ステイして実際に農作業を行う。お手伝い程度ではなく、もうクタクタになるまでやってもらう。天気の良い日ばかりとは限らない。晩御飯の用意も自分たちで収穫して自分たちで煮炊きを行う。食器も自分で洗って片付けるのだ。お客様はサービスの提供を受ける、という概念からは程遠い。
 ときどき、魚や鳥の絵を描くことができない子供たちがいると聞く。魚に手足を描いたり、四本足の鶏を描いたりするそうである。魚を描けと言われて、切り身を描いたという話は冗談に聞こえるが、似たり寄ったりの話が現実に存在するのだろう。

 他の尊い生命を奪って、それを有り難くいただくという基本的な営みを子供の頃から理解することは非常に大切なことだと思う。だからといって子供たちを場に連れて行くのは極論であるが、どのようにしてスーパーまでやってくるかを知っておいてもいい。
どうして小学生の頃にそういう授業がなかったのだろう・・・
もっと知っておきたかった。

旅行を通じて何か謙虚な姿勢で貢献できることがありそうだ。

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