パペット劇場ふらり旅 ~広島~

芝居好きの私がめぐり合った人形劇の魅力、たっぷりとお伝えします。

音とことばのパフォーマンス公演(音声学講座広島実行委員会)

2008-04-29 | 演劇
偶然ネットで見つけたこの公演、ちょっと興味を引かれて出かけてきた。
4月26日、山小屋シアターで、14:30~、18:30~の2回公演。
昼の部に行ったのだけれどあまり宣伝をしているようじゃなかったのにわりとたくさんのお客さんでびっくり。

演目は下のとおり。

一.「そうですね」(宮沢章夫)          新名基弘
二.「生きる」(谷川俊太郎)            石田 芽
三.「夕焼け」(吉野弘)             田村顕太
四.「放下僧」(謡い)              島田美稲子
五.「私のともだちへ」
  「気楽につきあおうよ」
  「えんぴつとけしごむ」(きのゆり)      杉浦啓子
六.「I was born」(吉野弘)            加地育子
七.「二人の女」~啄木日記より~        石橋磨季
                           河野 寛
                           永野光恵
八.「わたしを束ねないで」(新川和江)     三浦有美
九.「鸚鵡」(山村暮鳥)             横島康範
十.「葉桜と魔笛」抄(太宰治)          多和田さち子


小説から詩、謡となかなかバラエティにとんだプログラムだ。
左右に並んだ演者が、自分の番になると中央のイスにかけて台本を片手に演じる。
台本に目を走らせる人もいれば、まったく閉じてしまう人もいたり、朗読というよりはやはりパフォーマンスなのだろう。
照明だけで、舞台装置も音響効果もない。これがかえって役者の肉声を際立たせる効果があるようだ。

後半の「二人のおんな」からは衣装を着けて役者が登場する。実行委員会の代表の河野寛が和服姿で啄木となり日記部分を読み、芸者(石橋磨季)と看護婦(永野光恵)もそれなりの着物姿でちょっと小芝居ふう。
椅子に掛けたままではあるが、ふたりとも若い頃と後年の老女になってからの述懐と瞬時に演じ分けてみせ、なかなか巧い。いかにも気の強そうな女を演じてみせた永野光恵が印象的。この人以前に何かの芝居で観たかしら。
個人的には、「そうですね」の新名基弘と「鸚鵡」の横島康範のしゃべりがとても心地よかった。
そして、なんといっても圧巻はラストの多和田さち子の「葉桜と魔笛」。
ゆったりとした和服姿も太宰の作品世界と相まって見事な語りとなっている。
ちょっと白石加代子を彷彿させるような出来栄えで、終演後、会場からも拍手があがった。

公演は1時間10分、5分ほどしてアフタートークがあった。
参加者は全員が俳優(志望)さんという訳ではないらしい。
興味のあるなら一般の人もOK。音声指導の権威である磯貝先生の指導を受けながら月一回の稽古を続けているのだそうだ。
今回は単なる発表会にはしたくなかったそうで、課題テキストではなくそれぞれが好きな作品を持ち寄りこの日のために稽古をしたとのこと。

役者はしゃべりのプロなのだから、きちんと俳優修行をする場があることはとてもよいことだと思う。


   


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2 コメント

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とんでもなく遅いコメントですが (ひょうげん舎まるち)
2008-07-30 23:20:45
おけいさん(とおっしゃるのでしょうか)、初めまして。
ひょうげん舎まるちと申します。
4月の「声とことばのパフォーマンス公演」ありがとうございました。
以前、何度かブログを拝見したことはあったのですが、自分の出た舞台について書いていただいていることを知りませんでした。お褒めの言葉を頂いて恐縮です。
あの時は、いい作品にめぐり合ったと思っています。
よろしければ「まるち」にもおいで下さい。
相互リンクさせて頂ければ、ありがたいと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
返信する
お返事が大変遅くなりまして (おけい)
2008-08-28 00:40:53
こちらこそ。
観そびれたお芝居があった時など、もしやと思って
期待して覗きに伺うことが多いです。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしく。

相互リンクの件、OKでございます。
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