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カモにエサをあげてはいけないホントの理由 これは「命」に関する問題です

2009-04-22 00:58:12 | 地域発news

 2008-02-26

 東京の不忍池には、秋になるとシベリアなどの北国からたくさんのカモたちがやってきます。今回、初めて遊びにいったのですが、キンクロハジロ、ホシハジロ、オナガモなどのカモから、バン、カワウ、カモメなど、多くの種類の水鳥を見ることができました。

たくさんの種類のカモがいました

 不忍池の前には「カモにエサをあげないでください」と書かれた看板がありました。ここの看板には、具体的にどうしてエサをあげてはいけないかが、詳しく書かれていました。それをまとめると次のようなことでした。

 カモにパンくずなどの高カロリーのエサをあげると、カモは太りすぎてしまい行動が鈍くなります。それにより、猫などに襲われて死んでしまい、北国へ帰れなくなってしまいます。

 また、野生の感覚をなくし、自分でエサを取らなくなります。人間を恐れずに陸上に上がり、自転車などにひかれやすくもなります。

野良猫もたくさんいました。本当にカモを襲うのでしょうか

 

このように、カモにエサを与えると、池の汚れや生態系の問題だけではなく、カモの命にかかわるかなり切実な問題があるのでした。

 けれども、ここでもカモにエサをあげる人がいました。「カモにエサをあげないで……」と書かれた看板の前で、初老の男性は、カモたちにパンくずをまいていました。かなりの数のカモが、ギャーギャー言いながら、岸に集まってパンを食べていました。

 男性はニコニコと笑いながら「いっぱい食べろよ」と言い、パンをまき続けていました。近所に住む、常連さんのような感じでした。

 近くにいた人は、「エサをまいてはいけないんじゃないの」とわざと大きい声でつぶやいていましたが、男性は悪びれる様子はありませんでした。私も勇気がなくて、直接注意することはできませんでした。

 そして、私は1つ発見をしてしまいました。

 どう動くか分からないカモの写真を撮ることは、私にとってとても難しいことで、過去の例では近づいてカメラをむけた途端、カモは気配を感じてスーッと逃げてしまいました。けれども、不忍池では、至近距離で、かなりの数のカモの写真が撮れました。

 また、通りすがりの人が、まるで鯉(こい)を呼ぶかのように地面をドンドンと踏みつけ、手を打っていました。普通ならば、そんなことをされたらカモは警戒して逃げていきます。

 けれども、ここのカモたちは、エサがもらえると思うのか、押し寄せるように集まってきました。

 これにはかなり驚きました。ここのカモたちは、人間を恐れていないのです。一部の人間がカモとの共生の仕方を間違ってしまったために、カモは人間との距離感を忘れてしまっているのです。

 カモにエサをあげてしまう人は、カモが嫌いなわけではないでしょう。カモへの優しさの表現を履き違えているのです。カモたちは、桜の咲くころに、北国へ帰ります。カモが無事に北国へ帰れるためにはどう接すればいいのか。カモにエサをあげてしまう人は、それを想像する力に欠けてしまっているのかもしれません。

2008-02-26

「カモにエサをあげないでください」という看板

 

 


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