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真夏の出来事!

2011年10月09日 | 畳(たたみ)以外
ある暑い夏の日のことです。その日は鈴鹿市内の借家の表替えの仕事でした。数軒並んだ借家の玄関前に軽トラを止めたとき、かすかな匂い(腐臭)がしたのを覚えています。
大家さんのお宅で 玄関の鍵を借り 家の中に入ると、 2~3ヶ月閉め切ったままの屋内は、少し湿っぽい何となくいやーな匂いがしていました。
窓を開け、畳を上げる前に隙間や段差を確認し、マジックで畳表に印を書いていた時です。

真夏ですから暑いのは当然ですが、その家には他では見たことないような大きな蝿が沢山いました。「何故こんなにここには蝿が多いんだ」と思いながら畳を上げると、古新聞の下に何か小さな雑誌の様な物や、小さい円筒形の物などがあるようでした。

私は畳の下の床が少々傷んでいるので、段差の修正の為、雑誌の切れ端を敷いたんだと 思い作業を進めました。畳の搬出を終え、畳の下に敷いてあった古新聞をめくると、そこにあったのは十数通の貯金通帳と印鑑・現金数十万円でした。

慌てて大家さんに連絡し来てもらって確認すると、通帳と現金合わせて約1億円ありました。
大家さんに聞くと、ここに住んでいた人が数ヶ月ほど前に亡くなったそうです。その人は知人・友人との付き合いもなく、新聞もテレビもない生活をしていて、死後、警察に連絡し身内を捜しましたが、遺体の引き取り手もいなかったそうです。

でも「これだけ大金が出てくれば引き取り手が現れるんじゃない!」と言いながら警察に連絡しました。私も警察にお金を見つけた経緯を説明した後、表替え仕事は中止して帰ることになりました。

それから数ヵ月後に、この大家さんに会って聞いた話では、亡くなった方は元船員さんで、 退職後、ここに住むようになり、お金を使わない生活を二十数年続けていたそうです。「船員の年金は結構沢山貰えるから、こんなに沢山貯まっていたのだろう」 という話でした。 蝿が多かったのは、その人が死んでから発見されるまで1ヶ月以上経っていて、かなり腐乱していたそうです。そのためかなと言ってました。(畳の上で死んだのではなく、他の部屋もきれいになっていました)

お金は、奥さん(まだ、離婚届は出していなかった)と子供が引き取りにきたそうです。
大家さんは迷惑料と解体費用を貰って、借家はなくなりました。おわり


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2 コメント

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Unknown (伊勢乃志摩男でござりまする( ^∀^))
2011-10-13 11:53:58
萩さん、ドラマチックなお話に感動しました!
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Unknown (おはぎです)
2011-10-13 18:50:19
毎度ありがとうございます。
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