Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

最近読んだ本。

2018-09-24 22:41:33 | 読書感想文(小説)


みなさんお久しぶりです。更新が滞っていてすいません。
テレビドラマを見るのに忙しいのと、フィギュアシーズンが始まったのでライストや動画を見るのに気を取られて、文章を書く時間が取れておりません。
10月になったらまた秋ドラマが始まるので、また滞ってしまいそうです。一応、半年間ずっと見てきた朝ドラ「半分、青い。」については少しくらい書こうかなと思っているのですが、さて。

はい、それでは本題。最近図書館で借りて読んだ本の感想をざっと書きます。前回の「侍女の物語」と違って、さくさく読める本ばかり借りてきました。秋の夜長に読みたい本を探している方、参考にして下さい。私の感想が参考になるかどうかはわかりませんが…。

坂木司「女子的生活」

NHKでドラマになった、都会をサヴァイヴする女装男子の物語。ドラマの放送前に読みたかったのですが、なぜか手に入らず。ちなみに今話題の新潮社から出てます。
「女の子になりたい」と願い、日々おしゃれに励むミキ(本名:幹生)。恋愛対象は女性だけど、見た目が見た目なので誤解されやすい。セクシャルマイノリティとしてタフに生きていくために、妥協することもあれば世間の偏見と戦うこともある。基本ドラマと同じストーリーでしたが、原作の方がひとつひとつのエピソードの盛り上がり方は控えめでした。そしてドラマではでは舞台が神戸だったけど、原作では東京でした。個人的には、東京の方がこの物語のイメージに合っているなと感じました。神戸もオシャレな街だけどね…。
ミキの生き方は痛快ではあるけれど、刹那的で先の見えない不安定さもあるので、読んでてハラハラしました。この小説はミキの成長物語というより、同居人の後藤(男)が地味に成長する物語なので、最後のページを読み終えた直後、「後藤はこれでいいけど、ミキはどうなるの?」と、世話焼きな友人のような気分になりました。できれば続編を希望します。そしたらまた志尊君のミキに会えるかも!?(←お目当てはそれかい)


近藤史恵「インフルエンス」

「サクリファイス」シリーズの近藤史恵さんによる、心理サスペンス。大阪郊外の団地に住む少女三人を巻き込んだある事件は、時を経て新たな事件を呼んだ…。物語の中で殺人事件が何度も起きる、しかも結末はあんまりすっきりしないという、なかなかエグい小説なわけですが、諸般の事情により私にはメインの事件よりも少女たちの同級生で知的障害のある女の子に起きる悲劇の方がつらくて、あまりにつらくて、読むのを途中でやめようかと迷いました。作者の近藤さんが社会のマイノリティに対して、真摯で温かい目を向けてくれる人で、私が耐えがたかったこの小説のエピソードもそういった意味で必然性のあるものだとわかっていても、いざことが起こってしまったら、一旦本を閉じて再び開くまでに少し時間がかかりました。

殺人事件が起きるので、事件の真相とか罪を犯した人がどうなるのかとかも物語上重要なはずですが、印象に残ったのは3人の少女たちの関係、事件が起きてからそれぞれがどう生きたか、でした。彼女たちは近藤さんと同世代の設定と思われますが、彼女たちが子供の頃に直面した問題はとても悲しいもので、現代を生きる子供達もいまだその被害を受けていることを痛ましく思いました。

メインのストーリーはやるせないもので、読み終えてもやもやするものも残りましたが、それでもわずかながら希望の残る終わり方だったので、勧善懲悪じゃなくても気にしない人なら大丈夫だと思います。映像化してほしいなとも思いましたが、テレビで放送するのは厳しそうです。お芝居とはいえ子役の子がつらいことをさせられるのを見るのもつらそうだし。実写化ってそういうところが難しいですよね。


近藤史恵「わたしの本の空白は」

近藤さん再び。病院のベッドで目を覚ました「わたし」は、自分の名前も、家族の顔もわからなくなっていた。夫と名乗る人、その姉、その母親。
三笠南という自分の名前を知らされても、どうもピンとこない。家族との生活に違和感を拭えないまま時は経ち、南は夢の中である人物と再会する…。詳しく書くとネタバレになってもったいないので避けますが、南に何が起こったのかいろいろ推理しながら読んだものの、小説で明かされるまで真相がわかりませんでした。うーん残念。まあ、わからないほうが楽しく読めるから、いいっちゃいいんですがね。

「インフルエンス」同様、こちらも正義感の強い人が読んだらフラストレーションがたまりそうな結末なのですが、すっきりしない分余韻があって個人的には良かったです。むしろ逆の結末(こっちのほうが一般受けしそう)だったら憤慨してたかも。実写化してほしいなと思いましたが、もしそうなったら、制作側が日和ってそっちの結末にしちゃいそうな気がするので、残念ですがあきらめます。南が夢の中で会う人物を生身の人間に演じてほしいんだけどなぁ。ドラマは無理でも映画ならいけるかな?

物語の核心に触れないように書いたら、わかりにくい感想になってしまいました。どんな小説なのか気になった人は、ぜひ図書館か書店でこの本をお手に取ってください...って私はどこの回し者だ。

久しぶりに図書館に行ったら、読みたかった本がたくさん入ってたので、また借りてきて読みたいと思います。金欠だから助かるわ~。



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