Flour of Life

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NHK土曜ドラマ「64(ロクヨン)」まとめ感想

2015-05-20 00:04:46 | テレビ・ドラマ


NHKの土曜ドラマ「64(ロクヨン)」が終わりました。(公式サイトはこちら
チャンネル権の都合で毎回録画したものを見ていたのですが、第1話から最終回の第5話まで、全部見ました。NHKのこの時間帯のドラマはあまり見ないのですが、ピエール瀧主演でシリアスなドラマをやると聞いたので、「これは見ておいたほうがいいかも」と思ったので。

ドラマのあらすじはというと、

某D県警の広報官を務める三上は、かつて昭和64年にD県で起きた未解決誘拐殺人事件、通称「ロクヨン」の捜査に刑事として加わっていた。その14年後、三上は突然決まった警察庁長官の来訪を取り仕切るように命じられる。長官の来訪先には「ロクヨン」の被害者遺族・雨宮の家もあった。三上は長官の訪問を受け入れてもらうよう、雨宮のもとを訪れるが、拒否されてしまう。長官訪問を実現させるため、また自分自身の持つ事件への疑問を解くために、三上は「ロクヨン」を担当した元同僚の元を訪ねるが…

というところから始まり、三上には娘の失踪やら、県警記者クラブとの対立やら、警察庁キャリアからの無茶ぶりなど、いろいろとトラブルが降りかかります。キャリアやマスコミに振り回される三上の姿は、哀れに思えるときもあれば、頼もしく思えるときもあり、「この男がいれば大丈夫!」なカリスマ性が感じられないピエール瀧には意外とぴったりな役だったのかなと思いました。(実際のピエール瀧は素敵な人です、きっと)

音楽は「あまちゃん」「ロング・グッドバイ」の大友良英さんが担当。「あまちゃん」の時とも「ロング・グッドバイ」の時とも雰囲気は違いますが、相変わらずドラマに合っていてかっこよかったです。毎週、ドラマの最後に流れていた曲が、最終話に目崎が橋の上にいる人たちを見上げる場面で流れたときはゾクゾクしました。BGMが、衝撃のあまり周りの音が消えてしまった目崎の、心臓の音のように聞こえて。

幼い少女が誘拐されて殺されるという痛ましい事件が物語の発端なので、最後まで見てもハッピーエンドで心がほっとするようなことはないだろうなと覚悟していましたが、テレビドラマだからなのか横山秀夫の原作もそうだからなのかわかりませんが、それなりに救いのあるラストだったのでよかったです。でも原作とドラマでは設定や展開など、異なるところはいろいろあると思うので、これから原作を読んで、違いを楽しもうと思います。

興味深かったのは、県警広報室と記者クラブの対立。記者たちがD県内で起きた交通死亡事故について加害者の実名公表を迫るのに対して、加害者が警察関係者の娘ということから公表を控えるように上から命じられている三上が苦悩する姿には同情したし、また警察上層部の対応に怒りも覚えました。いやもう、平岳大演じる警察庁キャリアの赤間が憎たらしくて憎たらしくて…腰ぎんちゃくみたいに赤間に仕えている石井の中の人が「相棒」でおなじみの小野了じゃなかったら、もう怒りでどっかーんで、こめかみの毛細血管が切れちゃうところでしたよ。あと赤間がメガネじゃなかったら。

三上の娘の失踪が解決しないまま終わったのは「え、それでいいの?」と驚いたので、原作ではどうなってるのか気になります。もしかするとドラマよりもつらい展開が待ってるんじゃ…と心配ですが、それならそれで三上と妻の美那子が娘の失踪をどう受け止めたのか、確かめようと思います。

それにしても圧倒されたのは、「ロクヨン」で娘を殺された雨宮を演じる段田安則の演技!誘拐された娘のために、身代金の入ったスーツケースを抱えて半狂乱で走り回る姿には胸が締め付けられましたが、それから14年後、もはや彼の中ですべてが燃え尽きてしまった、枯れ果ててしまったかのようなうつろな表情を浮かべているのを見て、鉛のように重い何かが自分の腹に落ちてきたような錯覚に陥りました。人間は演技で、あんな顔に、あんな姿になれるのかと衝撃を受けました。

映画はピエール瀧が演じた三上を佐藤浩市が演じ、新井博文が演じた三上の部下・諏訪を綾野剛が演じるなど、キャストの雰囲気がだいぶ違いますが、瑛太の弟の永山絢斗が演じた記者・秋川の役を瑛太が演じるのは、なんかの冗談かよと突っ込みたくなりました。しかしドラマでは柴田恭兵が演じていた刑事部参事官の松岡を映画では三浦友和が演じるのは、その二人の組み合わせでいいのかなぁという疑問も。佐藤浩市の上司役っつったら三浦友和しかいないのかもしれないけど、年齢的にちょっと…2人ともあと10歳若かったらね~。ていうか滝藤賢一が赤間って!滝藤賢一が赤間って!!映画は前後編で来年公開だそうですが、そんなに待たなくても地上波で見られそうな気がするので、それを待とうと思ってます。でも日吉の役が窪田君らしいから、それはちょっと見てみたいかな…大画面で。(結局どっちやねん)


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