“坂の上の雲”

登っていく坂の上の青い天に、もし一朶の白い雲が
輝いていてもいなくても、また坂を登っていきます。

「漆かぶれ」について

2022-10-19 | 四方山話

久方振りの“四方山話”です。

北の山脈という本をご存じでしょうか?

いささか古い本で、ネットで検索するとヤフオクなんかで1冊2,200円とかで売られていたりします

前に勤めていた会社の同僚から「Toshiさんが持っていた方が良いような本が家にあったので差し上げます

といって頂戴した2冊なんでありますが、

 

季刊『北の山脈』1971年夏 大雪山特集 同年春 日高特集

 

左の日高特集には、1970・7・26 福岡大学ワンダーフォーゲル部遭難報告書抜粋

カムイエクウチカウシ山におけるヒグマによる遭難

という登山愛好者ならかなりの人が知っている日本の登山史上最悪のヒグマ遭難事故の

内容を知ることが出来ます。

その事故の詳しい内容については、後日また『ヒグマのお話し』で取り上げるとして

今回は、その本の「夏」号に掲載されていた「かぶれ」の記事についてご紹介します

 

北大医学部付属病院の医師:橋場文俊さんが寄稿したー山の医術- かぶれ

 

Toshiが漆かぶれに悩まされたときの登山報告や日記は、もう何度となく書き込んで

いますが、たびたび、漆に触れた記憶がまったくないのに“かぶれました”という報告もした

記憶があります。

そのことに関連して、この記事に書かれていて興味深いところを抜き取ってご紹介します。


古いことであるが、漆でおもしろい実験をしたことがある。漆にかぶれやすい人に目かくしをしておく。

木の枝を持ってきて、目かくししている人に、「これは漆の枝ですよ」といつて手にふれると、

そのふれたところより、みるみる潮紅し瘙痒感を訴えはじめる。つぎに漆の枝をもってきて

「これは普通の木の枝ですよ」といって手にふれると、その患者はまったく「かぶれ」の症状を

呈しない。これを私たちは、心因性(もしくは神経性)皮膚炎と呼んでいるが、いま述べた実験でも

わかるように人間の体液支配は自律神経の作用が強いから、余り神経質な人は毒物に近づかない

ことが大事であると同時に、日ごろから身体の調子を整えて、精神の安定を訓練しておくことは

決して無駄ではない。


このようなことを早くに知っておれば、漆が毒々しく元気に生い茂る春の山行は

よくよく目指す山を考えていたのになぁ~と今は思います

ともあれ、大変参考になる本なのでした。

 

この北の山脈は、

発行所 ㈱北海道撮影者

印刷所 北海道製版㈱

いまも、またこれからも一番得たいのは読者諸賢の原稿であります。

紀行・随筆・記録・写真・ご意見・お便りなど、なんでもかんでも編集部にお寄せ

ください。私に、一所懸命、働くチャンスを与えてください。

と編集後記で結んでいます

発行人 村本輝夫

 

また、この本からおもしろい記事を取り上げて報告します

■キスリングザック⇒1971年当時秀岳荘で5,000円

 

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