札幌の中心街は大通公園と創成川を中心に整備された住居表示があり、「北〇条東〇丁目」とか、「南〇条西〇丁目」といった具合に表示されます。
(町名がありません。)
(町名がありません。)
ちなみに北は51条、南は39条、東西はともに30丁目まであります。
しかし、住所はそう表示しても、各所に「エリア名」があり、学校や公園、支店名などによく用いられます。
例えば、札幌市東区にある「美香保(みかほ)」。
こちらもその1つで、「美香保公園」周辺を指すエリア名となっています。
この地名の由来は「美香保公園」から来ているのですが、最初は「ミカオ公園」と呼ばれていました。

「美香保公園」はとても広い公園で、遊技場の他に野球場(3面)、テニスコート(4面)、体育館等があります。

この公園には高射砲があったとのこと。

高射砲の台座がスキー山の下にあるとのこと。こちらがそのスキー山でしょうか。ソリで遊ぶのにとても良い大きさの山。「美香保山」とも呼ばれているらしいです。子供たちがとても楽しそうにソリで遊んでいました。
昭和3年(1928年)、この地区の地主であった宮村朔三、柏村忠八、大塚藤四郎が、「地域の発展と地域住民に親しまれるものを」と、それぞれ所有する約5000坪の土地を提供し、緑の憩いの場を造りました。
「ミカオ公園」は3人の地主の頭文字を取ってつけられた名前でありました。

昭和10年には札幌市に寄贈され、市はさらに周囲2万坪を買収して整備し、「ミカオ」に「美香保」の漢字をあてました。

こちらは「美香保公園」内にある「美香保体育館」。
体育館前には、公園に関する説明板が設置され、名の由来を知ることができます。

私、実際に読みまして、ちょっと目頭が熱くなりました。
北海道の開拓については、けしてきれいなことばかりではありませんが、それでも時に、人や街のために私財を投げうつ方がおられたのも、これまた事実であります。

体育館の塔上部にはオリンピックのマーク。
札幌五輪の時には、ここはフィギュアスケートの会場となりました。
現在も冬期はスケート場として、一般に開放されています。
3人の地主の想いが現在も受け継がれていると思いました。
とても温かい気持ちになりました。
<参考資料>
- 美香保公園の説明板
- 『札幌の地名がわかる本』(関 秀志・編 亜璃西社)

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