食とくらし~王子光照苑栄養課のメモ帳~

王子光照苑広報誌「ふれあい通信」と連動して、食とくらしにまつわるお話をお届けします

本当に、夏に向けて・・・

2014-06-13 15:01:06 | 栄養雑学
 先月は、夏に向けて・・・、というお話をしました。しかしながら、あのお話は栄養学的なお話なので、今月は「本当に、夏に向けて」お話しようと思います。

 食事系の話で夏に向けた話題となると、やはりダイエットについてではないでしょうか?

 降り注ぐ日差しの中、お気に入りの水着に着替えて、波と戯れる様子は、昔からアイドル歌手の曲の中で歌われている光景ですよね。

 やはり水着になるのなら、男性も女性も均整のとれたプロポーションで臨みたいところです。

 ところで、ダイエットの大敵となるのが通称「甘いもの」と呼ばれているスイーツ類。「甘い物は別腹♡」などとうそぶいて後悔した経験のある女子は星の数ほどいらっしゃるのではないですか?

 甘い物の主成分は「糖」。 

 糖分は、生物にとって必須栄養素であり、心身が疲労するとまず先に身体が要求する栄養素です。

 糖は活動エネルギーへの変換も早く、脳の活動にも多大な影響があります。朝、フルーツを食べるとよいというのは、果糖が脳や身体を活性させる効果があるからです。

 また、脳細胞への良影響も確認されており、糖質エネルギーが脳の回転を促進するため、朝食時にみかんやバナナを食べると、それまで眠っていた脳が覚醒し、元気溌剌な1日を迎えることができるといわれています。

 また、ケーキのスポンジ、お饅頭の皮、餅菓子などの材料である小麦や米類などは炭水化物です。炭水化物も消化されると糖に変わりますので同様の効能が得られますが、エネルギーに変わる際、消化する工程が必要です。そのかわり腹持ちがよく、持久型エネルギー源といってもよいかもしれません。半面、身体活動がないと糖質は次の活動に備えて体に蓄えられてしまいます。これが太るメカニズムの根底です。

 炭水化物や糖は、摂取する量、タイミングが要求される栄養素です。

 さて、最近は炭水化物を抜くというダイエットが流行っています。

 炭水化物の摂りすぎは、前述のとおりよくはないですが必須栄養素でもあるので、三食とも抜いてしまうのは、活動エネルギーに必要な栄養が偏ってしまいきれいに痩せることはできません。

 ハッキリ言ってしまえば栄養失調と同じ痩せ方ですので、目標の体重になった後、炭水化物を摂り始めれば、身体は足りなかった栄養を取り返そうとしてせっせと栄養分をため込んでしまうようになります。つまりリバウンドですね。

 炭水化物を抜くのであれば、せめて後の身体活動時間のことも考えて夕食の一食分程度にしておくのがよいでしょう。

 ちなみに、ビールや日本酒などのお酒も原料は炭水化物である麦や米。発酵させてあるので身体の方は、すぐに糖質として認識します。液体だからといって油断してしまうと・・・。

 みなさん、健康的にダイエットして楽しい夏を迎えてくださいね!