食とくらし~王子光照苑栄養課のメモ帳~

王子光照苑広報誌「ふれあい通信」と連動して、食とくらしにまつわるお話をお届けします

夏に向けて・・・

2014-05-23 16:10:20 | 栄養雑学
 4月は、暑い日もあれば肌寒い日もあり、なかなか冬物が仕舞えませんでした。

 5月になって、やっと暖かい日が続くようになりましたが、気を抜くとじめじめと蒸し暑い日々が、あっという間にやってきます。

 5月は、熱に向けての準備期間です。服装だけではなく、季節に合った食材を摂取して、体の中から夏の準備を始めていきましょう。

 冬の間は寒さで血流やリンパの流れが滞り、老廃物が溜まって毒素と化します。晩春のこの時期は、この毒素を排出するための大切な時期です。

 気温が高くなってきて毒素は体表下に集まってきます。この毒素を、発汗により体表から出すのですが、身体を温めることによって、意図的に毒素を出しやすい状態にすることができます。

 その最たる方法が運動によるなのですが、より効率よく毒素を出すために、以前からお話している食材の五味五性の法則(?)を使用します。

 そして、今の時期に摂りたいのが五味の内の「苦」、五性の内の「温熱」になります。

 この性質の該当する食材が、「独活・蕪・紫蘇・パセリ・蕗・蕨・杏・餅米・キョウニン・チンピ・バター・酢」になります。

 これらの食材を上手に摂り、軽い運動を続けることで夏バテに負けない身体づくりを行いましょう。

 ちなみにこの中の「キョウニン」は「杏仁」と書きます。

 この食材はもともと漢方薬材として、杏の種の仁の部分を乾燥させたもので、潤腸作用、鎮咳作用、去痰作用等があります。

 杏仁豆腐は、薬膳料理として誕生しましたが、近年では中華スイーツでの知名度が高いです。しかし、スーパーなどで売られている杏仁豆腐にはキョウ
ニンは使われておらず、香りのよいアーモンドパウダーを使用しているとのことです。まあ、アーモンドは漢訳語で「杏仁」と表記されており、杏とは近縁種の果実なので間違いではないのですが・・・。