食とくらし~王子光照苑栄養課のメモ帳~

王子光照苑広報誌「ふれあい通信」と連動して、食とくらしにまつわるお話をお届けします

柿の嬉しい効能

2008-10-24 20:23:33 | 秋の食材
 「柿食えば、鐘が鳴るなり、法隆寺」いわずと知れた俳句から始まりました今回のブログ。柿といえば秋を連想するフルーツです。

 今回は、そんな柿の嬉しい効能を紹介しちゃいます。

 柿の渋み成分はシブオールというタンニンで、甘柿・渋柿を問わすべての柿に含まれます。渋柿や未熟な柿のタンニンは水溶性であるため、食べると唾液に溶けて渋みを感じさせます。甘柿の果肉に見られる黒い粒々は、タンニンが固まって褐変したものです。

 タンニンは植物界に広く分布していますが、特に柿のタンニンは、優れた解毒作用を持つことが明らかになっています。「酒を飲む前に柿を食べると悪酔いしない」と言われますが、これは柿に含まれるタンニンの働きが大きく関係しています。

 悪酔いの原因は、アルコールが肝臓で分解された際に生じる中間生成物のアセトアルデヒドです。血中アルコール濃度は飲酒後、約1時間でピークに達して減少しますが、アセトアルデヒドはそのの後に増えて頭痛や嘔吐を引き起こします。このアセトアルデヒドと反応しやすい性質を持つタンニンが、アセトアルデヒドと結合して、これを体外に排出すると推測されています。また、柿に含まれるカタラーゼという酵素も、アルコールやアセトアルデヒドの分解を助けると考えられています。

 そのため、柿は二日酔いの解消にも効果的です。頭痛や吐き気、だるさといった二日酔いの諸症状は、アセトアルデヒドの体内への貯留、アルコールによる脱水症状、エネルギー消耗による低血糖状態などが引き起こすものです。

 そこに柿を食べると、アセトアルデヒドの排出・分解が促進されるとともに、体内に吸収されやすい果糖が、失われたエネルギーを補給します。さらに水を一緒に飲むと、柿に多量に含まれるカリウムの利尿作用によっても、二日酔いの症状改善が期待できるそうです。

薩摩芋が美味しい季節です!!

2008-10-03 18:11:17 | わくわくレシピ!
 ビタミンCと食物繊維が多く、風邪の予防や美容にも効果的です。また、胃腸を丈夫にする働きもあります。

 イモ類を1日1種類は食べるようにしたい物です。サツマイモは胃腸を丈夫にし、食欲不振、便秘に効果があります。クコノミは疲労回復、クチナシは天然の着色料と同時に精神安定に効果があります。

 普段見慣れているサツマイモでも、お菓子にする事で新しい発見があります。

原産地: メキシコ、中央アメリカが原産です。

名前の由来:7世紀の初めポルトガル人によって薩摩の国(鹿児島県)に伝えられたのでこの名前が付きました。別名「カライモ」「カンショ」とも呼ばれています。江戸時代に青木昆陽が全国に普及させた事で有名です。

旬: 秋口ですが、貯蔵技術が発達した為年間を通して流通するようになりました。味が良いのは1~3月頃の物です。

選び方:皮の色が均一で艶があり、傷や斑点の無い物を選ぶと良いです。 保存は熱帯性の物なので寒さに弱く15℃くらいが適温です。冷蔵庫に入れると霜がれてしまいます。

栄養価:イモ類の中でVC含有量が一番多く、夏みかんに匹敵するほどです。熱を加えてもあまり破壊されません。VE、Ca、K等も多く含まれていて、非常に栄養価の高い野菜です。

 食物繊維の多い事でも有名です。

 金時イモにはβカロチンも含まれ、ガン予防にも期待されます。

 VAは目にも効果があるので、OA機器で目の疲れを訴える人が多い現代人には有効な食べ物です。

 VCは免疫力に効果があるので、風邪の予防にもなります。

 また、メラニン色素の沈着を抑え、美容にも優れた効果があります。

 VEは老化防止、若返りのビタミンです。EはVAやカロチンの酸化を防ぎます。

 その他、食物繊維を多く含むので、便秘に効果があり、老廃物を体外に排出し、美容効果にも良いです。更に、血液中のコレステロールを低下させる働きもあり、高血圧、動脈硬化の予防にもなります。

 でんぷん質と糖質を含み、太ることを気にする若い女性がいますが、それでも焼き芋は大好きという女性には、食欲を満たしながら美容効果もあるので、一石二鳥です。

 焼き芋やふかして食べるのが、栄養分を逃がさない最も良い食べ方です。

 調理: ケイヒ(シナモン)、や生姜、レモン等を入れて煮ると、食欲が増し、胃腸を丈夫にし、元気が出ます。


<レシピ>
シナモン風味のイモ菓子(2人分)
・サツマイモ…200g
・クチナシ…2個
・砂糖…40g
・甘納豆…15g
・シナモン…適量
①皮を剥いたサツマイモは3㎝の輪切りにして、キズをつけたクチナシを入れた湯で柔らかく茹でます(水はひたひた位に入れる)。
②水を切り、クチナシを出し、砂糖を入れ熱い内にマッシャーで潰し(すりこぎで潰しても良い)甘納豆を混ぜます。
③ガーゼを濡らし、サツマイモをスプーンですくって乗せ、好みの形にします。茶漉しでシナモンをふりかけます。