ヌチドゥタカラ「命こそ宝」

ヌチドゥタカラとは、沖縄の言葉で「命こそ宝」の意味。脱原発と反戦。命こそ守らなければならないもの。一番大切なもの。

忘れられてきたビキニの水爆実験の被害。映画「放射線を浴びた『X年後』」公開。

2012-08-06 15:35:59 | 日記
放射能の被害で忘れられてきたのは、ビキニの水爆実験の被ばく被害です。

太平洋で操業していて被ばくした船員は、直後盲腸炎で死亡した人が多かったのですが
そんなことはほとんど知られていません。
その後白血病、ガン死が多いのですが、心臓疾患他あらゆる病気に苦しんできたそうです。

高知県幡多には高校生ゼミナールがあり、自主的な活動で先生たちはサポート役。
その幡多高校生ゼミナールがとりくんだのがビキニ水爆実験の被害調査でした。

第五福竜丸がビキニの水爆実験で被爆し久保山愛吉さんが亡くなったことは有名ですが、
なんと他に1000艘近い漁船が被ばくしていたのです。高知県は静岡県と並んで日本有数のマグロ漁の盛んなところ。
宿毛、土佐清水、室戸…。
彼らは聞き取りを続け、船員たちが健康に不安をかかえ、なかには重い放射能障害に苦しみみずから命を絶った若者もいたことも突き止めました。
それらの調査結果は『ビキニの海は忘れない 核実験被災船を追う高校生たち』という冊子にまとめられ1988年に発売されました。

そして高校生たちの活動を追ったドキュメンタリーが1990年につくられました。
冊子と同名のタイトルをもつ「ビキニの海は忘れない」。
ナレーターは高校生たちの活動に共感した吉永小百合さんがつとめました。

その活動を助け続けたのが、現在高知県太平洋核実験被災支援センター事務局長の山下正寿さん。

南海放送が山下氏の活動を追ったDVD『わしも死の海におった』を製作し、
2004年「地方の時代映像祭大賞」、2008年「地方の時代映像祭奨励賞」受賞などを経て、
2012年1月、日本テレビ系列の「NNNドキュメント」で「放射線を浴びたX年後」というタイトルで全国放送されて、今回とうとう映画になりました。

タイトルは「放射線を浴びた『X年後』」

南海放送は、アメリカの機密文書(アメリカエネルギー省が、1984年公開した)を検証して、新事実(水爆実験による放射能の1日ごとの拡散状態を示す図。それによると、1954年の一時期、日本列島全体が放射性降下物で覆われていたことが判るなど)を積み重ねて行ます。被曝した漁船員たちのX年後は、ほとんど鬼籍に入ってしまったが、それは、フクシマのX年後を二重写しにして来るのです。

「ビキニ事件」から見た「福島原発被災」http://www.takagifund.org/upload/m_yamashita_bikini_201104.pdf