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(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

立合掌固

2024年10月14日 | 柔法

腕十字から立合掌に移行する為に捕られる側(受け)を後方に倒しますが、倒し方にも幾つか方法がある(指導されている)ようです。

前提として、天秤の急所を攻められる事で受けの上体が反っていないといけません。充分反っていれば、我の膝を折って全体を下に崩すだけでも後方に倒せます。それでは無理そうな場合に、(1).腕を抱えている方の我の肩を後方に捻る事で倒す方法があります。その時、極めている腕全体を後方に突き込むように崩すようにも指導されているようです。

もう一つ一般的なのは、(2).極めている腕を支点にして、掛け手で捻り上げながら(ワルツを踊るように)回転して倒す、という方法です。私としてはこちらの方が良いと思います。(併用も可能だとは思いますが)

(1)の方法はやや強引になりがちで、極めが甘い時には踏ん張られそうです。また後方に突き込む形は落下点が予想しづらく、我から離れてしまうので、その後の立合掌も難度が上がります。無理に倒そうと後方に突き込むと、技が解けてしまった時に受けが後頭部を打つ危険もあります。

本部から発売されていたDVDには、我の腰で跳ね上げてから倒す①腰投と、我の膝から脚刀全体を使って受けの足を刈り上げて倒す②刈り足の2法が収録されていました。私も最初はまず①法、続けて②法で習ったように記憶しています。恐らく開祖はこの2法で指導していたのだと思うのですが、現在①法を行なうひとは余り見なくなりましたね。②法は上記の(1)法・(2)法とも併用できるのでしょうが、ハッキリ足を刈るひとも余り見なくなりました。

受けが本当に倒れたくなかったら、①・②法が必要なのかも知れません。

     ◆     ◆     ◆

立合掌固では我の足甲を受けの後頭部に差し入れるようにします。「後頭部を打たないように」と説明される事もあるようですが、最大の目的は脚刀で受けの頸部を攻める事です。

立合掌固は強力な固めなので、極められると受けはたまらず必ず回転して逃れようとします。それを脚刀で阻止するのですが、まず倒れた時に脚刀で頸部を圧迫されていると、その時点で「もうアカン感」が全く違います。金剛拳(固め技)においてこの「制圧された感」を与えられるかどうか、というのは非常に重要です。

倒しが上手くなってくると、わざわざ足を差し入れなくても、我の足甲の上に受けの頭が降りてくるように位置取れるようになっていきます。

     ◆     ◆     ◆

逆小手からの前指固もそうなのですが、少林寺拳法(以下SKと略す)における固めは、掛け手からスムーズに殆どずらす事なく移行できるのが特長なので、そう出来るように努めて修練しなければなりません。立合掌固(タテガッショウガタメ)でも、最初の腕十字の掛け手から一度も掛け直す事なくスムーズに固めなければなりません。掛け手側は勿論なのですが、巻き込んで天秤を極めていた方の腕も、スムーズに擦り上がって手甲に掛かる事が望ましいです。

正しく真上から攻められていれば、掛け手側だけで固めは強力です。肘を曲げる事も出来ません。しかしもう一方の手を手甲に掛け、お互いをアゲ-サゲで挟み込んで捻る事で、更に強力になります。より深く手甲に掛けた方が、より強烈に効きます。

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たまに違う指導を拝見するのですが、立合掌は脚刀で頸部を攻めている脚の内側につけるようにして、まさに棒を立てるように垂直に攻めます。それにより我の体重も素直に使えます。

反対の脚なのですが、私は反対側から立合掌を挟み込むように習いました。先輩からは「自転車ポンプ」と習いました。(ここで何故か「宇宙の騎士テッカマン」を思い出すのですが、…(汗))

しっかり極める為なのですが、狭く立つので自分の安定はやや悪くなります。脚刀攻めの脚にピッタリ固定できていれば、反対の足はやや開くようにして我を安定させても良いのかも知れません。

この足をどこに置くのかにも関係があるのかも知れませんが、最後は通常自転車ポンプからは「踏切り」で極めます。膝を抱える様な高い位置から足刀で水月を、まさ踏み切るように蹴ります。

本部の井上先生がどこかで解説されていましたが、足刀蹴には①踵で蹴り込む場合と②足刀で切る場合があるようですね。立合掌固では受けは背中をベットリ地面に着けてますから、踏切りであれば狙う急所は水月になる訳です。「的が狭いのに足刀蹴…?」と実は当時思っていたのですが、ナルホド踵を意識すれば良かったのですね。

【宗門の行としての少林寺拳法】金剛拳 腕十字固 金剛禅総本山少林寺 公式YouTubeチャンネルより


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