長年荒廃していた東近江市蒲生岡本町の「梵釈寺」の裏山で、地元住民らが保全活動に取り組み、4月に任意団体「梵ジュール里山保全クラブ」を立ち上げた。
今後は伐採材を活用した薪の売却益で、ヤマトサンショウウオなどの希少種がすむ裏山の、継続的な保全を目指す。
今後は伐採材を活用した薪の売却益で、ヤマトサンショウウオなどの希少種がすむ裏山の、継続的な保全を目指す。
梵ジュール里山保全クラブのブログ
↑写真:中日新聞より
「梵釈寺」は約300年前の建立とされ、本尊の「宝冠阿弥陀如来」は国の重要文化財に指定されている。謄写版(ガリ版)を発明した堀井新治郎の菩提寺でもある。
裏山は広さ12ヘクタール。かつては棚田の世話や薪拾いなどで人の出入りがあった。「子どものころは裏山で弁当を食べたりして楽しかった」と代表の安部春造さんは懐かしむ。
昭和中期ごろからは、石炭から石油への燃料革命もあり、住民の足が遠のいた。人影のなくなった裏山は、ジャングルのように荒れ果てた。危機感を持った寺の熊倉実栄住職、妻弘富美さんは、東近江市内で里山の再生に携わったNPO「遊林会」の井田三良さんに相談。
保全活動に協力を得られることになり、檀家(だんか)総代の安部さんも賛同。2015年、地権者の許可を得た裏山の一部で活動が始まった。
月に1度ほど、総代やボランティアら10〜20人が集まって倒木を処理し、竹やぶを切り開いた。かつての歩道を復活させ、1周約800mの「森梵の小径」と名付けた。
伐採材は薪にして、地元の「ガリ版伝承館」のストーブに使った。生き物の生息状況を調べたところ、200種以上の植物を確認でき、ため池にはホトケドジョウなどの魚類もいることが分かった。
活動を本格化させるため、4月には団体を発足。
今後は、東近江市内で薪を扱う業者から助言を受け、ストーブやバーベキュー用で需要の高い薪の販売に乗り出す。社会的投資で問題解決を目指す「東近江市版SIB」で、9月16日(木)まで運転資金の出資を募っている。
「梵釈寺」は約300年前の建立とされ、本尊の「宝冠阿弥陀如来」は国の重要文化財に指定されている。謄写版(ガリ版)を発明した堀井新治郎の菩提寺でもある。
裏山は広さ12ヘクタール。かつては棚田の世話や薪拾いなどで人の出入りがあった。「子どものころは裏山で弁当を食べたりして楽しかった」と代表の安部春造さんは懐かしむ。
昭和中期ごろからは、石炭から石油への燃料革命もあり、住民の足が遠のいた。人影のなくなった裏山は、ジャングルのように荒れ果てた。危機感を持った寺の熊倉実栄住職、妻弘富美さんは、東近江市内で里山の再生に携わったNPO「遊林会」の井田三良さんに相談。
保全活動に協力を得られることになり、檀家(だんか)総代の安部さんも賛同。2015年、地権者の許可を得た裏山の一部で活動が始まった。
月に1度ほど、総代やボランティアら10〜20人が集まって倒木を処理し、竹やぶを切り開いた。かつての歩道を復活させ、1周約800mの「森梵の小径」と名付けた。
伐採材は薪にして、地元の「ガリ版伝承館」のストーブに使った。生き物の生息状況を調べたところ、200種以上の植物を確認でき、ため池にはホトケドジョウなどの魚類もいることが分かった。
活動を本格化させるため、4月には団体を発足。
今後は、東近江市内で薪を扱う業者から助言を受け、ストーブやバーベキュー用で需要の高い薪の販売に乗り出す。社会的投資で問題解決を目指す「東近江市版SIB」で、9月16日(木)まで運転資金の出資を募っている。
「東近江市版SIB」
団体では保全活動に加え、植物や虫の観察会の開催、シイタケの栽培、販売なども見据える。新たに看板を設けて山中を散策してもらい、寺では精進料理や座禅の体験イベントを開く案もある。
弘富美さんは「一緒にやろうと動いてくれた人がいて心強かった。活動を継続するためにも、販売する薪の種類やサイズを整えて、必要とする人の手に渡るようにしたい」と意気込む。
「梵ジュール」を名付けた安部さんも「みんなに気軽に来てもらえる里山にしたい」とほほ笑んだ。
問い合わせ: 安部さん=090(1598)0367
梵釈寺
東近江市蒲生岡本町185
https://www.higashiomi.net/media/miru/bonsyakuji
<中日新聞より>