goo blog サービス終了のお知らせ 

”スローライフ滋賀” 

【滋賀・近江の先人第176回】日本僧で初めての三蔵法師の称号を授与された「霊仙三蔵」(米原市)

 霊仙(りょうせん、759年?(天平宝字3年?) - 827年?(天長4年?))。平安時代前期の法相宗の僧である。
日本で唯一の三蔵法師
出自については不明であるが、近江国(現・滋賀県)の出身とも阿波国(現・徳島県)出身とも伝えられる
「霊船」「霊宣」「霊仙三蔵」とも称される。

概要
 天平宝字3年(759年)、近江国多賀郡の豪族である息長氏(おきながうじ)の出身。「霊仙」の出自については幾つかの説があるが、定かではない。
 奈良の興福寺で学んだ後、804年(和の延暦23年、唐の貞元20年)には第18次遣唐使の一人として45歳で入唐した。同期に最澄・空海・橘逸勢らがいる。この時の遣唐使団の規模はおよそ600名。4隻立ての船団で、第1船には遣唐大使と空海、第2船には遣唐副使と最澄、そして霊仙たちが乗船していた。結果的にはこの2隻だけが入唐を果たし、当時の航海の危険さを示してる。
 
 霊仙は長安の醴泉寺(れいせんじ)で梵語(サンスクリット語)の修学に努める。810年(唐の元和5年)、時の皇帝憲宗の命により、新出の梵夾(紙ではなく貝多羅(ばいたら)樹という植物に書かれたサンスクリット語のお経)の漢訳に従事する。「般若」がサンスクリット語で書かれた原文を読み、それを霊仙が漢字に翻訳します。そうして完成したのが「大乗本生心地観経」である。
この功績により811年(唐の元和6年)、霊仙は「三蔵法師」の称号を皇帝より賜ったのです。

 825年(唐の宝暦2年、和の天長2年)には淳和天皇から渤海の僧・貞素に託された黄金を受け取り、その返礼として仏舎利や経典を貞素に託して日本に届けさせた。更に驚くべきは、この経典が大正2年石山寺で発見され、その巻末に「醴泉寺(れいせんじ)日本国沙門霊仙筆受并譯語」とあって、霊仙がサンスクリット語を聞き取り、漢語に翻訳したことがはっきりとしたためられていたのである。
 日本側は貞素の労苦を労うととも「霊仙」への追加の黄金の送付を依頼し、また日本に残された霊仙の弟妹に、阿波国の稲千束を支給するよう計らった。

 時の唐の皇帝・憲宗は仏教の熱心な保護者であり、「霊仙」も寵愛を受けて、大元帥法の秘法を受ける便宜を与えられるが、仏教の秘伝が国内から失われることを恐れた「憲宗」によって、日本への帰国を禁じられた。

 仏教を篤く庇護した皇帝「憲宗」は反仏派により暗殺されてしまい、身の危険を感じた「霊仙」は長安を逃れ、五台山に隠棲するが、天長4年(827年)霊境寺の浴室院で毒殺され、68歳の生涯を閉じたということである。
 
 所期の目的を果たした最澄、空海は無事帰国して天台宗、真言を開き、今日の繁栄の基盤を築いたことは、今さら言をまたないところである。
一方、唐に留まり皇帝に重用された霊仙」は再び祖国の土を踏むことはなかった。
 彼の地で才能を認められ、日本僧で初めての三蔵法師の称号を授与された「霊仙」は、最澄や空海に勝とも劣らぬ平安時代を代表する僧侶であったのである

 840年(唐の開成5年、和の承和7年)7 - 8月、霊境寺に立ち寄った円仁が、入唐留学僧・「霊仙」の最期の様子を聞いている。
また、円行・常暁が入唐した際には、「霊仙」の門人であった僧侶から手厚く遇されて、「霊仙」の遺物や大元帥法の秘伝などを授けられて日本に持ち帰ったという。

三蔵とは
 経・律・論、すなわち釈尊が説かれた教えである「経」、サンガ(僧団)における規律を示す「律」、後の時代に経を解釈・研究した「論」、これらに精通した高僧に与えられる最高位の称号である。
 「三蔵法師」と言えば西遊記でなじみの深い玄奘(げんじょう)三蔵を思い浮かべるが、その三蔵法師の称号を皇帝より授与された日本人僧が一人いる。それが「霊仙三蔵」である。  

息長氏(おきながうじ)は、
「息長」を氏の名とする氏族。古代近江国坂田郡(現滋賀県米原市)を根拠地(河内説、播磨・吉備説も有る)とした古代豪族である。

顕彰
2000年(平成12年)、滋賀県出生説を採る滋賀県醒井の松尾寺住職等により「霊仙三蔵顕彰の会」が発足し、「霊仙三蔵記念堂」が松尾寺内に設けられた。霊仙三蔵記念館に寄れば霊仙は、息長氏丹生真人族の中より霊仙山麓の地に生まれ、幼くして仏門に入り金勝寺別院霊山寺、その後興福寺で学んだとされている。

松尾寺
滋賀県米原市上丹生2007
http://www.tendai-shiga.com/hansen-15.html

<Wikipediaより引用>
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「滋賀・近江の先人」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事