どさ

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Hard Rock Sushi (鉄火)

2020-01-18 10:25:28 | エサ日記

Hard Rock Sushi   (鉄火)

(令和二年1月18日)

 "筆をとればなにか書きたくなるし、楽器をとれば音を奏でたくなる。盃をもてば酒を飲みたくなるし、骰子(サイコロ)をとれば賭けをしたいと思う。心は必ず、現実に触れて動機となる"      (徒然草 150段あたり)

 

  同僚に、Hard Rock CAFE(ハードロック・カフェ)ならぬ、Hard Rock Sushi(ハードロック・すし)という店に入った方がいます。イギリスだったかアメリカのどこかの都市で、ともかくエキセントリックなところへ行きたいとお願いしたところ案内されたそうです。

「エキセントリックだった?」

「うーん、というより、戸惑いすぎて、ひやーっとした感じがになりました。セックス・ピストルズなんかガンガン響いてたんですが、ああ遠いとこ来たな~という感じ」

「メニューは?」

「横文字ばっかりで読みにくいし、巻きものが多かったです。ローストビーフ巻きは美味かったんですが、なんか全体に食べた気がしませんでした」

 

 その気持ちはよくわかります。わたしたちはお寿司屋さんには予定調和的なものを期待していて、さほど冒険的なものは望んでいないのです。

 山形県Y市のあるお寿司屋さんに入り、メニューをみました。

"かたいあし"

?・・

(ここは内陸なので、ネタの呼び名が違うんだ、これはきっとイカゲソだ。)

続いて

"いきえさ"    ?

"ぱごら貝" "ろ貝びこ煮" ・・・(遠いとこ来たな~)

"新鉄河" "香火童" "巻巻巻" ??

・・新河、香童、巻巻 、あっ「鉄火巻き」だ。

 そのお寿司屋さんは、メニューの書き方がたいそう紛らわしく、まず下地にうっすら色のついた紙(恋文専科 虹の風)を使用し、字の間隔・配置も絶妙に拙く、横表記と縦表記の区分が曖昧模糊としたものでした。

記憶を頼りにメニューをデフォルメして再現すると下図となります。

 

 実際に件のお寿司屋さんメニューが意味しているのは下図2ではないかと推測します。

     このメニューにしてこの味ということになるのでしょうか?実際は不味くはなかったでしょうが、やはりこのお店での味は記憶に残りませんでした。

  また、メニューを見ているわたしがトホホなのですから、きっと作った当人たちが最もトホホかと思います。しかし、

"花火を上げる人"・"顔色にうなずく人"・"やっつけをやる人"

が揃った場合、最初にトホホを言った人が有罪ですので、あのメニューはしばらくあの店に、かって日本各地で猖獗を極めたユルキャラのように存在し続けたでしょう。

                                                  ・

   Hard Rock Sushiについては、その後、英米各地に展開したとか、日本に上陸したという話は聞きませんので、一介のキメラ(寄せ集め生物)として消えていったのでしょう。しかし、寄せ集めのタネとされたHard Rock CAFEは健在です。1970年代に小粋なハンバーガー屋からスタートし、今や本業は立派な鉄火場(IR)です。

  鉄火場で博奕打ちが食べるから鉄火巻きという名がついたそうです。骰子(サイコロ)振りながら片手でも食べられるということですね。片手、片手間で食べられるもの、いい加減な面にも潰しがきくものは、きっと賭博と相性がいいのです。

  もっとも、元気いっぱいのHard Rock CAFEさまですが、日本への本業面での進出は断念されたようです。ラスベガス・サンズは首都圏、MGMリゾーツは大阪、Hard Rock CAFEは北海道というように、IR大手は日本市場の縄張りで手打ちをしていたそうですから、Hard Rock CAFEの北海道進出断念により生じたカジノ大手の勢力空白は、いろいろな悲喜劇を生むでしょう。

   短期的なクライマックスはカラス退治とその後開かれる魔女裁判。鉄火の生臭い匂いに惹かれてやってきたカラスが一網打尽になり、その後、カラスは魔女の変身した姿であったとして一段昇格して裁判にかけられるのです。魔女は異教徒であればいいのですから、儒教でも仏教でも日本系でも中国系でもなんでもOK。はじめから火炙り。はじめにトホホになった者から焼かれるのです。

  火炙りするほうも凄いですよ、これは。魔女裁判をやる法廷は、必ず免罪符も売る法廷です。というより、免罪符を売りたい法廷は魔女裁判を必要とします。大罪が契約的に供給されませんと免罪符を売る根拠が得られないからです。カジノという日本人の心に許しがたい罪の免罪符を売るために、新設された某管理委員会はじめ、これを機に新たな権力拡張を求める勢力が、カラスを魔女にしたて、拷問と酷刑にせっせと励むでしょう。血だるまで悶えるカラスをさらに小突き廻すことでしょう。

  中期的にもいろいろな悲鳴が聞こえそうです。何も粘らず賭博市場の開放を許し、結果をつきつけられる中央、ゆるきゃら・ふるさと納税レベルで、楽して財源になるとしか受け取っていない地方、吸い上げられる弱者の希少な財産。

  トランプ友でもあるサンズの会長は、兆円単位で日本に投資すると言っておりますが、当たり前ながら、それ以上を日本から持っていくでしょう。相手はカラスではないのです。毛のないタカみたいなものです。

  そして、なにより長期的には人の心の荒み幅が増すのが嫌ですね。

  徒然草に「サイコロを持てば博奕を打ちたくなる」とありますように、賭けの場にいると賭博をしたくなるもの。また、愚かなことは、それが可能だという理由だけでできるものではなく、それが手軽でなくてはなりません。

  IRは、わたしにはどうにも両方の条件が揃っている気がしてなりません。Hard Rock Sushiのように笑えないのです。

 ところで、冒頭の

 "筆をとればなにか書きたくなるし、楽器をとれば・・骰子をとれば賭けをしたい。"

この最後の部分に今の日本人であるわたしたちが一行加えるとすればどういうものがいいでしょうか?わたしはこう加えたいです。

"銃をとれば撃ちたいと思う"

そして、銃を持てば長生きしないのです。

世界一長生きな日本が続きますように。吉田兼好さん、どうか見守ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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